映画館は夢への入口
父は何故小学校に入るか入らないかの私に映画館で009を見せたのだろう。
弟がまだ赤ちゃんだったので、時々父は休日に私を連れ出した。
行く所は父が好きな浅草が多く、人形町にも多分行った。
仲見世の裏にあるお店で昼ご飯を食べて帰ってきたような気がする。
あまりはっきり覚えていない上に、大人になってからも何度も歩いているので記憶が定かではない。
もしかしたら行ったのは1回か2回かもしれない。
ただ父と2人で出かけるのは特別な気がしてた。
ある時歌舞伎町の映画館に行った。
父は009シリーズが好きらしい。
普通小さな娘を連れて映画を見るなら、ディズニー映画かなんかを見るだろうに。
単に自分が映画を見たかったから私を連れて行っただけなんじゃないかと今は思う。
幼い私に009は強烈な印象を植え付けた。
映画ってカッコいい!と思った。
気が付いたら映画好きになっていた。
中学の頃には友達と映画館に行った。
高校の頃には1人でも見に行った。
社会人になってオールナイトで4本立てとか。
とにかく時間とお金さえあれば、ホラーとナンセンスギャグ以外の全ての映画を見たいと思った。
大型スクリーンで見る映画は迫力が違う。
予告編だけでもワクワクする。
その世界に入り込む快感。
きっとこれからもずっと変わらないだろう。