介護記録② 認知症の父の火の管理
父は喫煙者です。認知症もありタバコの灰をあちこちに落とすためカーペットは穴だらけです。ラクナ梗塞や狭心症もあり禁煙に何度もトライしましたが認知症とニコチン中毒を乗り越えることができず実現していません。
タバコの弊害ですが、健康面だけでなく、灰のこぼしによる火事の心配、ベランダからの吸殻ポイ捨てによる階下住人への迷惑・ベランダの損傷等の近所迷惑が非常に気になります。
また家のコンロはガス式のタイプで、火をかけたまま寝てしまっていたり、空焚きもよくするようで火の扱いにはとても危険を感じてました。
ライターが見当たらない際にはコンロでタバコの火をつけたりと、火全体に(本人たちは感じていませんが)怖い思いをしています。
タバコの灰による火事防止には「防災スプレー」を活用することにしました。これをまんべんなく灰をこぼしそうなところに定期的にスプレーしてまわります。効果の程がわかりにくいのですが、燃え上がるようなことは起きていません。
ベランダからの吸殻ポイ捨て防止には、マンション管理人さんの協力も得て、防止のためのチラシをつくり家の中に貼っておきました。チラシには父のプライドに配慮して個人に注意するのではなく、一般論として注意すべきこととしました(実際は誰がポイ捨てしているか特定されていましたが)。またベランダにはゴミ入れを設置しました。ポイ捨てが危ないことは本人もよく分かっているようなので、今のところ効果はあるようです。只忘れてしまうことが多々あるので油断せず、状況をしっかりみていく必要は感じています。
要介護者がマンション住まいの場合は管理人さんや近所の人とのコミュニケーションと理解も重要です。どのような病気であるか等も場合によっては共有しながら何かあったら連絡してもらえるような体制つくりをしましたので状況への理解は得られれており、また良くも悪くもいろいろな情報を入手できるようになりました。
コンロはやはりガス式は危険ですので「古いから」と理由をつけてIH式に変更しました。母はIH式に比較的すぐ慣れたのですが、父はIHのスイッチを入れる際に、何も繋がっていないガスの元栓をあけてしまいます。ガス元栓が開けっ放しになっているまま寝ていることもありとても危険でしたので、元栓は動かせないようにテープでガチガチに固定しました。いまのところそれで問題は起こっていません。
只、タバコをやめることができませんので、ライターが見当たらない際は、火を探して何かが起こりやすくなります。結果、私の意思とは反してライターを数個常備しておく必要が生じました。健康面と安全面の矛盾がありとても悩ましいです。特にタバコについては推察ですが、私が禁煙を要求するので父はベランダで吸うようになり、吸殻を家に持ち込みにくくなってベランダから捨ててしまうような状況が多いように思っています。
介護開始当初は健康面第一で禁煙をさせることに躍起なっていましたが、結局うまくいかずで今は近所迷惑を食い止め気持ちよく過ごしてもらうほうを重視してしまっています。
また認知症という性質上、どうしても起こりがちな事項を未だに先読みしきれず、後手後手の対応になってしまうことは、自分自身の甘さをいつも感じます。
自身、本当に正しい思考で正しい対応ができているかわかりませんが、誰かの何かの参考になればと思います。