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ツケ払いで理解するデルタシグマ変調

「デルタシグマ変調は各サンプル点に対するPWM変調」という説明が上手く呑み込めずにいたが、bilibili動画で何気なくデルタシグマ変調を検索してみたところ何となくわかりそうなレベルで解説している動画を見つけたので(中国語はできないが、動画で映してる英語資料の説明が分かりやすかった)、自分の理解をnoteに残すことにした。 値段が中途半端なカフェの例え話メニューが334円の「ブレンド」1つしかないカフェがあり、このカフェに毎日来てはコーヒーを1杯飲んで帰る常連客がいる。この

    • 【備忘録】STM32FマイコンボードのSPIのハードウェアNSSの使い方

      チップセレクト(CS)を自動で制御したい STM32F103FC8T6でSPI通信をしようとすると多くのウェブサイトでは任意のGPIO端子をチップセレクト(CS)として使う設定にしているが、STM32のSPIにはNSSという、CSとして使うためのピンが割り当てられている。  GPIOをCSとして使うと、演算時間の都合なのかGPIO制御とSPI通信の間にSPIクロックの数十~数百倍周期の遅延が生じることがあるので、もしNSSピンを使えばその問題が改善するのではないかと思い使い方

      • 【備忘録】Xilinx(現AMD)のFPGAのUSBドライバートラブルの解決

         諸事情によりFPGAの勉強をしなければならなくなり、AliexpressでMicroPhaseという中国企業の「A7-Lite」というボードを購入した。ボードのメーカーは中国だが載っているチップはXilinx(現在はAMD)のチップで、AMD提供のツールであるVivadoで開発することができる。  しかし、届いたボードをパソコンにつなげてもVivado側で認識できず、プログラムの書き込みができない。あれこれやってみた結果、USBドライバの問題であることが分かった。  以前

        • USB-SPI変換ボードMCP2210とFT232Hの比較

          USB-SPI変換ボードが欲しい 仕事でSPI通信で制御する機器があるのでRaspberry Piとspidevを使って制御しています。Raspberry PiはSPI通信の実装が簡単で便利ですが、SPIのコントローラとして使うとなると毎回電源を入れてからOS立ち上がりまで時間がかかる、コンセントを1つつぶさないといけない、GUIアプリケーションを立ち上げたとき動作が重いといった不便点があり、USB-UART変換ボードのようにパソコンのUSBポートに繋げてSPI通信ができる

          Anker Eufyの屋外カメラを買って失敗した

          カメラを購入するまで 今年の2月に引っ越しをして、家にあると便利なアイテムが何かないかインターネットを物色していたところ防犯カメラを付けた方がいいという意見を目にした。今住んでいる町はそれほど治安が悪いわけではないが、世の中何があるか分からないしつけておくのも悪くないと思って調べてみたところ、業者を読んで設置工事をするタイプは買い切りでおよそ10万円~の価格帯になっているようだ。  さすがに簡単にぽんと出せる価格ではないためどうにか費用を抑えられないかと考えていたところ、知り

          Anker Eufyの屋外カメラを買って失敗した

          「ロー出しハイ受け」の解説

          はじめに 音響機材の接続のセオリーとして「ロー出しハイ受け」という概念がある。機器Aの出力を機器Bに繋げるとき、Aの出力インピーダンスが低く(low)、Bの入力インピーダンスが高い(high)状態が望ましいという意味だ。インピーダンスが適切でないと音が殆ど出なくなるし、例えばギターの音をパソコンで録音するときオーディオインターフェースの「Hi-Z」ボタンを押さなければならないのも「ロー出しハイ受け」に起因することだ。理屈としては中学理科程度の回路の知識があれば理解できるため

          「ロー出しハイ受け」の解説

          ギターの音痩せは抵抗のせいではない

          ギターの音痩せはLCで決まる エレキギターとアンプをつなぐシールドケーブルが長すぎると「音痩せ」と呼ばれる音の劣化が発生するそうだ。そして多くの記事で音痩せの原因はシールドケーブルの抵抗の増加にあると解説している。例えば、私もギター関連でよく世話になっている「エレキギター博士」というホームページでも以下のように解説されている。  しかし電気回路の理論から考えると以下の2つの理由から、シールドの抵抗音痩せが起こるとは考えられない。 シールドケーブルの抵抗の小ささ:数百kΩ

          ギターの音痩せは抵抗のせいではない

          【備忘録】socketで測定器からバイナリデータを取得するときのトラブル解決

          背景 NIやKeysightのVISAツールの容量が大きくインストールに時間がかかるためそれらを用いずソケット通信で測定器の遠隔操作をしているが、測定器のローカルファイルを転送させるコマンド(:MMEM:DATA? など)でバイナリデータを取得してそれをそのままファイルとして書き込むと壊れたファイルになってしまう問題があり(※)、どうしたら正常なファイルとして保存することができるのかを調べた。 ※ VISAライブラリのバイナリqueryだと正常に転送できる 原因と解決 共

          【備忘録】socketで測定器からバイナリデータを取得するときのトラブル解決

          【備忘録】iOS機器からsambaに書き込みができない問題

           ミニPCのLinuxマシン(以前はArch、現在はUbuntu)でsambaを使って共有フォルダを作成して使っているが、iPhoneとiPadからsambaの共有フォルダにファイルをコピーしようとすると「ファイル名が長すぎるため、コピーできませんでした」というエラーで止まってしまうトラブルが生じていた。「IMG_0827.PNG」のような名前のスクリーンショットのコピーでもエラーが出るため、おそらくファイル名が問題ではないだろうと思い解決法を調べたが、以下のサイトの内容通り

          【備忘録】iOS機器からsambaに書き込みができない問題

          思考回路は「ショート寸前」だろうか

          思考回路はショート寸前  上記引用は、おそらく多少世代が違う人でもなんとなく聞いたことがあるであろう、「美少女戦士セーラームーン」のOP曲である「ムーンライト伝説」の歌いだしの部分だ。歌詞の中に「思考回路はショート寸前」というフレーズが出てくるが、この部分はどのような状況を意味しているだろうか。多くの人は「恋に落ちた女の子が相手のことや色んなことを考えて頭が混乱してきてパニック状態になる一歩前」という情景を浮かべるのではないだろうか。「ムーンライト伝説」の影響あってのこと

          思考回路は「ショート寸前」だろうか

          お米の吸水量の調査

          お米は最初の水を吸いやすい お米を研ぐとき、一番最初に入れた水が吸収されやすく、ぬかのにおいが溶け出てそのままお米に吸われてしまうため最初の水を入れたあとは時間をかけず素早くかき混ぜてから水を切ることが大事であると、私が最も信頼している料理サイトである「白ごはん.com」を含む複数の料理サイトで説明されている。  お米が一番乾燥している状態での吸水であり水を吸いやすいという点については疑う余地はないが、実際のところ最初の水がどの程度吸収されやすいのか、実際お米を研いで確認し

          お米の吸水量の調査

          「ギターアンプにベースを繋げたら壊れる」説についての考察

          0. はじめに ギターアンプにベースをつなげると壊れるという情報をしばしば耳にすることがある。理由は「ベースの信号はギターより大きいため回路やスピーカーに負担がかかる」とのことだ。しかし電子回路の観点で考えると、少なくとも「適切な出力」の「ソリッドステートアンプ」を使う限り、アンプが壊れる可能性は非常に低いと思われる。これよりその根拠を述べる 1. 電子回路の観点から考えた根拠 ギターアンプは大きく分けてプリアンプ、パワーアンプ、スピーカー、電源回路、そしてイコライザーな

          「ギターアンプにベースを繋げたら壊れる」説についての考察