共感性安倍内閣
「募ってはいるが募集はしていない。」
「募ってはいるが募集はしていない。」
僕たちはこんなとんでもない内閣を指示していることになっている。
どういうことなんだろう、逆にすごいと思う。内閣支持率は45%だそうだ。だいたい2人に1人は支持していることになる。「どちらでもない」とかならわかる気がするんですよね。「あぁ、政治に興味がないんだな」と。でも支持をしているんですよね。すごく不思議な現象だと思います。
共感という脅迫を受けているのでは?
でも、これよく考えたら、社会的なムーブメントとよく関連している気もしています。最近特にSNSの発達によって共感を求めやすくなっている社会だと思います。言い換えると、それぞれがこれまでにないほど、共感を「求められている」社会になっているのだと思います。すると、どうなるか。「うん、わかる〜」ということ(わかってないのに)がなんとな〜く理解もせずに同調することが増えてきていると思うんです。「なんかわかる〜」としておけば、その場を上手くやり過ごせる、そうして、相手の話はわかったようなわからないようなうす〜く聞いているような状態。そんな状態に無意識的に晒されている人は麻痺していってるんだと思います。しかも、そういう人は共感してくれない人に対して、攻撃的になる気がします。「そうだねって言っておけばいいのになぜそんなことも言えないの。共感性がないね。」と。本来の共感とは全く異なる「共感できることがえらい」みたいな風潮が作られているように思います。
みんなが共感大事だ、大事だと言いすぎて、共感性がある/ないが、日本人お得意の他人評価指標の一つになっている。そんな気がします。
よくわからずわかる気がしている、という人が発生しているのではないか。
その共感性が、なぜ内閣支持率と関係するか。もしかして、「募ってはいるが募集はしていない。」と言いたい気持ちがわかる気がしているんではないか。支持層はもともと支持していたわけだから、ある意味責められている側になるわけですね。その方々は、ボクの/ワタシの晋三ちゃんに共感しきってしまっていて、責められていることに内心反発し、「なぜ、そんなに責めるの。少し間違えただけじゃない。」と可哀想と感じたり、さらには、「間違えただけなのに、人間が小さいわね。だから、あなたたちにこの国は任せられないわ。晋三ちゃんには人間味があるもの」みたいな感じでどんどん共感度が増していっているのではないか。
本来どういう人間に政治を任せるべきか、という点に立ち返ろう。
もうそうすると、本来どういった人間に政治を任せるべきか、という議論からは大きく外れてしまっている。自分が選んだ人は正しかったのだ、と自己の正当性を示したいがために、支持していることになっていて、それに気づいてないんじゃないだろうか。
支持層の人も最初は「この人になら任せられる」と思って選んだんじゃないのか?そこまではよかったんじゃないですか?ただ、初心と照らしていま、ずれてきてないか、という進捗確認はしていますか?ずれてきたら、修正しないといけないんですよ。それは自分の選んだ人に固執することじゃないんですよ。自分の本来の評価軸「この人になら任せられる」に立ち返って、そこに固執するのがあり方というものじゃないでしょうか。
直感:「このひとじゃない」
この共感性の罠、と関連するのが直感の話。
将棋の羽生善治先生との対談。
— 書家 龍和 (Ryowa) (@ryowa8) February 7, 2020
私「直感とは何ですか?」
羽生さん「経験に基づいているのが直感です。何か答えがわかるのが直感という人がいますが、私はそうではないと思います。これをしてはいけない、とわかるのが直感です。答えはわからなくても、ダメなことがわかるのがすごく大切なんです。」
直感て、答えに至る道がパーンてわかるものじゃないんですね。ここは通ったらあかんとこ、あそこはちょっと嫌な感じするな、とやったらだめなところがわかる。ということと将棋の羽生さんもいっています。そのダメなところをけしていったら、これしかないとか、ここに可能性がありそうとか見えてくる、そんなものだと思います。
さらに羽生さんが行っているのは直感は経験から生まれる、ということです。つまり、まちがった経験をしてフィードバックループを回していく、その過程で培われるのが直感だということだと思います。
何を言いたいかというと、「この人じゃない」、という直感ははたらいてないのかな?という疑問です。「このひとじゃない」というと「代替をだせ」という話になるんだと思いますが、逆に代替がいなくても「このひとじゃない」という考えの方が強くなるというのもそれはあり得る話だと思います。
あと、多分積極的に選んだ人は羽生さんの言う直感ではなくて、「この人だ!」といういわゆる「直感」で選んだのかもしれませんね。それを否定されると腹が立つもんだから、ますます固執する、そんなことも関係しているのかもしれません。
いずれにしても、論理的に考えてなかなか支持する要素が見当たりにくい、とおもえてしまう状態で、支持を表明できる、というのはある意味すごいことで、その能力を2人に1人有しているという事実には驚かされるばかりです。
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