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#ファンタジー小説
パラダイムシフター【About & Index】
◆本作について◆
科学世界、魔法世界、原始世界……無数に存在する多種多様な次元世界を股にかけるマルチバース活劇小説。それが異世界転移流離譚パラダイムシフターだ。
エロス・ヴァイオレンス描写有。無双・チート展開無。
本作はTwitterをメインの活動場所として、日夜、最新エピソードを連載している。noteにおける本マガジンは、そのアーカイブに当たる。
最新エピソードを追いかけたい人はTwit
【第15章】本社決戦 (19/27)【試行】
【目次】
【消魂】←
『屠れ、『死怪幽魚<ネクロリウム>』ッ!』
オワシ社長が、吼える。真冬のような冷気が、社長室を満たす。ナオミの暖めていた蒸気エンジンが、ストールするほどの寒さだった。
やがて、異形の巨人を身にまとう老体と次元転移者<パラダイムシフター>の女たちのあいだを阻むように、おどろおどろしいもやが浮かびあがる。
意味のわからないうめき声を周囲に響かせながら、死霊の集合体
【第15章】本社決戦 (15/27)【傲慢】
【目次】
【社長】←
「グヌ……ッ」
アサイラが、うめく。いまにも折れそうな老いさらばえた五本の指が、若者の手首に喰いこむ。人間離れした膂力で、無理矢理に青年の手を引きはがしていく。
老体の全身につながれたチューブが、いっそうまばゆい輝きを放ちながら、死にかけた肉体に純粋なエネルギーを注ぎこんでいく。
「──ヌギイ!」
枯れた枝のような指を振り払いながら、アサイラは一歩、退く。『
【第3章】魔法少女は、霞に踊る (9/10)【蒸気】
【目次】
【妖精】←
「……んっ」
魔法少女は、衣装を飾り付けるリボンの一部をちぎりとる。フリルスカートの内側に手を突っこみ、股間にこびりついた体液をふきとると、ショーツをはきなおす。
──ヒュン、ヒュヒュンッ。
己の得物である二輪一対のフラフープを素振りすると、メロは、まじめな顔で背後を振り返る。
そこには、憔悴した表情でレンガ壁に背を預けるアサイラの姿がある。ゆっくりとなら移