ワッサー
タカハシは今までの誰とも違っていた。
見た目は特別どうってこともない、クラスに1人はいそうなタイプだった。
良くも悪くも、ごく普通の。
全角がなくなって丸くなってしまった消しゴムがコロコロと床を転がって二列向こうの席の子の足元まで転がっていった。その行方を目で追って固まっていた手元に、角がまだ1か所未使用のきれいなままの消しゴムがポンと置かれた。
置いた手をたどるようにしてその先につながっている顔を見た。私を見るでもなくその顔は前にある黒板をみつめていた。
間違えた文字を急いで消して横顔をチラ見してから消しゴムを隣の席の端に返した。その顔からつながっている手は消しゴムをステンレスのペンケースへ戻し、相変わらず黒板をみつめていた。
自慢ではないが私は少しくらいはチヤホヤされもしていた。そんな私にその横顔は1ミリも、それどころか寧ろ興味はマイナスのようだった。
見た目は特別どうってこともない、クラスに1人はいそうなタイプだった。
良くも悪くも、ごく普通の。
それなのにタカハシはなぜだか今までの誰とも違っていた。
ただ私の中で。
【ワッサーのピクルスとカマンベールのサラダ】
=材料=
ピクルス液
ワッサー
カマンベールチーズ
ルッコラ
オリーブオイル
ブラックペッパー
桃とネクタリンの自然交配によってできた長野県須坂市生まれの新しいフルーツ、ワッサーは固めの桃のような感じです。
漬け物屋さんで購入したバニラ風味のピクルス液に漬けてみたら、これがとてもよく合いました。
一晩漬けたワッサーは表面は少しとろりとして歯ごたえはシャキシャキとしていてピクルスにぴったりのフルーツでした。
ルッコラとカマンベールチーズと一緒にワッサーのピクルスをお皿に盛り付け、オリーブオイルとブラックペッパーをかけるだけでおいしいおつまみになりました。
たまたまですが缶のデザインに惹かれて購入してきたビール『裏通りのドンダバダ』も長野県のものでした。
フルーティーなその味がワッサーのピクルスとカマンベールチーズとルッコラのサラダともよく合いました。
あぁ、今夜もごきげんです。