あつ森のウェルビーイング
小学校低学年の娘がいる。
コロナ禍のステイホームの際にNintendo Switchを導入。
同時期に「あつまれ どうぶつの森」を買って、3年ほど経った今でも思い出したときに遊んでいる。
あつまれ どうぶつの森。
通称「あつ森」は、プレイヤーは島の住人となり、いろんなどうぶつたちと家をつくったり植物を育てたりするゲームだ。
インターネットにつなげば友達の島に遊びに行ったり、自分の島に招いたりすることができる。
私はというともっぱら娘のプレイを傍目に見ているだけなのだが、ひとつ興味深いことがあった。
娘はゲームの中で珈琲を飲んでいるのだ。
娘はまだこどもだから、現実の世界では珈琲は解禁していない。
その娘が、ゲーム中の喫茶店に足しげく通っているのだった。
珈琲を飲むことでゲーム中のポイントになったりパワーゲージが上がったりという効果はあるらしいのだが、どうもそれが目的ではないらしい。(飲んだらゲーム中のトイレで排出してしまう!)
珈琲ひとつとっても行動パターンがいくつかあって、
喫茶店の中で飲む。
テイクアウトしてカップを持ち歩く。
テイクアウトした珈琲を外で飲む。
友達を島に招いたときに珈琲をおごりあう。
大人がするようなそれは、娘がゲームの中で心地よさやウェルビーイングを求めた結果の行動な気がしてならないのだった。
「なんで珈琲飲むの?」
率直に聞いてみると、
「なんかたのしいんだよねー」
と返ってきた。
あつ森の中でならダメと言われない。
ちょっと大人びたコーヒータイム。
これがお酒や煙草だったら難ありだったと思う。
プレイするこどもも、それを見守るおとなも、「なんかたのしい」が実現された世界に感心するのだった。