
ドットコ日記一歩 すすんで2歩よろける ~ しまなみ海道&瀬戸内編 ~
この旅日記は、20年以上前何もない・何も準備しない男の記録です。現在の社会状況(規則)と合わない箇所がありますが、「まあ、そんなもんか・・」と気にせずカル~ク流してください。
8月1日(金)
搭乗待合室でもなぜか緊張している。
タバコを止めて10年以上も経ち、特段吸いたいとも思わずここまできたが、空港で見送りの家族と別れ、搭乗ゲートを通過するやいなや速攻でタバコを買った。
吸った。
ハイライトを立て続けに2本吸った。
最後にこれほど緊張したのは、一体いつ以来かと思い出そうとするが、冷静に思い出せないほど緊張している。
緊張のあまり、出発カウンターでは、ナイフを預ける・預けないで訳のわからない事を言ってしまい、係の人を緊張させてしまった。
「旅の恥はかき捨て」とは言うが、これはあまりにもお粗末な恥。またまた、我が家の奥様スピーカーから友人知人に流れるネタを作ってしまった。
そうだ、家族だ!
俺には守らなければならない家族がいるから、道中の危険を絶対に回避して無事に旅から帰ってくる義務がある。
だから、これほど緊張しているのだ。
そして緊張を招く原因はもちろん自分で蒔いている種の数々である。
①自転車でのツーリングは札幌~小樽間往復約70㎞を1度しか経験してい
ない。
②車道走行の経験がない。
③下調べをしていないので、予定ルートの道路は北海道より道幅が広いか狭
いか、歩道があるのかないのか分からない。
④自転車のブレーキを調整もしたことがないし、方法が分からない。
⑤パンク修理の道具は購入したが、修理の経験がない。
⑥後に半月板損傷の手術をすることになるのだが、膝の痛みの原因が分かっ
ていない。
テレビで見たしまなみ海道に憧れ、即決断したが、やっぱり自転車の旅が無謀に思えてきた。
頭の中は緊張の二文字のみ。
それにしても家族はいいものだ。
まだ長女は小さいく、しかもこの様な無謀な旅にもかかわらず奥さんが快く旅を後押ししてくれた。 奥さんと結婚して本当によかった。 出会ったとき「この人と結婚したら絶対に前向きに生きていける。絶対に俺は幸せになれる。」と思ったが、大正解。 素晴らしい奥さんだ。
ということは、その様に感じた俺は、もっと素晴らしいのかもしれない。
いや、素晴らしい。
徳島空港でバスを待っていると年輩の男性から声をかけられた。
栗山出身で室戸在住32年。
子供もこちらで結婚して孫もいて、もう北海道に戻ることはない。
しかし冬の寒さは厳しくとも、やっぱり北海道が良いそうだ。
先にバスを降りて俺を待ち「気をつけて旅をしてください。」の言葉をかけてくれた。
徳島駅にバスが着いて即バッグのヒモが切れた。イヤな予感がした。
宿を探そうとしたが駅案内所は締まり、関係ないとは分かっていたが、JRみどりの窓口に行ってみた。
無駄だった。
バッグを抱えて駅構内を右に左にウロウロ、自転車を入れた輪行バッグを肩にフラフラ、汗がジワジワタラタラ。キオスクのオバチャンから駅前に総合案内所があることを聞いて向かった。
宿はすぐ決まり、話題は居酒屋へとすすんだが、どうもこの案内所のオジサンの案内も要領を得ない。繁華街に行けば、居酒屋はあるだのどうたらこうたら…。「オッチャン、繁華街に小学校も図書館も火葬場もあるわけないっしょ!」と突っ込みたくなった。
ビジネスホテルにチェックイン。
近くのお土産屋さんに入って???の大安売りが始まった。
我が家御用達スーパー(たまにキュウリ1本7円、生鰊一尾19円)並の???大安売りが始まった。
奥様へのお土産に「カトちゃんの携帯ストラップありますか?」と聞いたが、「ご免なさいね。置いてないのよ~。」と丁寧な返事。
ところが、「札幌から初めて徳島に来て、飲みに行きたいんですけど、どこか知りませんか?」と聞いたら、様相一変。先ほどとは打ってかわって冷たく、客じゃないなら早く行けといった雰囲気で「知らないわ!」の一言。
当時はスマホやケータイもなく聞いてみたが、オバチャンに居酒屋聞くのも無理はあるが、俺は旅気分満載だし、オバチャンに聞いてもいいじゃないっすか。
近くの土産物屋のオヤジも以下同文。
もし俺が店の上客の親戚だったら、また手のひらを返してヘラヘラするのか?そんなに手のひら返してばかりいたら、捻れて3ヶ月の複雑骨折入院だべや。
通りすがりのオッサンならまだしも、なんで観光客相手の土産物屋に、こんなものの言い方をされなければならないのか?
なんだ? なんだ?と思いながら、店構えの落ち着いた焼鳥屋に入ったが、またまた???
生ビール、砂肝、トリ、漬け物を頼み、生ビールを「ウッメー!!!」とやってから焼き鳥が出てくるまで30分は掛かった。
知り合いならば「短気なお前が、暴れずに30分もビールだけで待てるわけがない。イライラしてたから長く感じただけで、実際はもっと短かったのではないか?」と思うかも知れませんが、ウッソでない!ホントだべさ!。
なぜなら、釣り銭渡すときにオバチャンは、「ごめんなさい。」と謝った。早く焼けないなら最初に客に言っておくべきだよ。
謝るなら客の目を見て謝るべきだよ。
口直しに店を代えたが、似たり寄ったり。
ホテルに戻ってベッドにもぐり込んだがエアコンは故障中。蚊の恐怖におびえつつ窓を開けたが、暑さで寝ることできず。シーツにベトベト毛むくじゃらの脚を絡ませベッドでゴロリ、ゴロリしながら結局朝を迎えた。
この時点では二度と徳島で人に尋ねず、飲みに行かずと固く心に誓う俺だった。な?ん?だ?徳?島?は?
(でもこのあと優しい徳島の人に出会いました)