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立命館を蹴って、東大を目指した話⑥(一浪目 後編)




⑤は下のリンクから





現役の時と同じ会場で受験した。

まったく勉強していなかった去年とはまるで違う緊張感。
数II・Bは解けなさすぎて、逆に時間余った。




センター試験成績開示

日本史は、80はとれると思っていたが、残念な結果に。
倫政は、あの時期から勉強した割にはとれたほうだと思う。


国語は、古文でやらかしてしまい、合計で見るとちょうど7割。


英語は、本番でも相変わらず9割の壁を超えられず。


地学基礎は7割近くとれたが、物理基礎が死んだ。


数学は、数II・Bが壊滅。
あくまで第一志望は早稲田だったということもあり、ほとんど手が回らなかった。





結果、合計点は535.2/900
5割9分で、ギリ6割に届かなかったといったところ。
ちなみに、2020年の文系受験者の平均点は547/900




まぁ、想像以上に悪かったとはいえ、せっかく7科目受けたということで国公立も出願することにした。
2次よりセンターの比率が高い大学は真っ先に除外した(当然)。
基本的に、難しい大学になればなるほど、2次試験の点数比率が高くなる。

結果、僕は大阪大学の外国語学部(トルコ語学科)に出願することにした。





!?!?!?!?!?




言いたいことはわかる。
でも、受けようと思った理由を書かせてほしい。



①阪大の中では、入りやすい学部だったから



実は、阪大外国語学部は大阪大学大阪外国語大学が統合されてできた学部。
そのためか、他の学部に比べて難易度が低い。
また、阪大の過去問は何回か解いたことがあるが、決して無理なレベルではない(むしろ、マーク式より記述式のほうが自分は得意だった)と思ったからというのもある。

ちなみに阪大に限らず、基本的に外国語学部はマイナーな言語であればあるほど、倍率が低くて入りやすい。
英語科が一番難しく、花形といわれているが、結局は何を学びたいかなので、そんなのは気にせずに自分の行きたい学科に行けばいいと思う。



②トルコに興味があった



トルコの街には、いたるところに野良猫がいる。
聞くところによると、国民みんなで飼っているような感じらしい。
猫好きの自分からしたら、まさに天国のような国なのだ。

Wikipediaより
猫を愛しすぎて、銅像まで建てるトルコの方好きです
^._.^


また、トルコは親日国としても有名(エルトゥールル号事件など)であり、震災が起こった時にも支援をしてくれたりと、日本との交流も多い。




③センター試験、最後の年だったから


これが地味にデカい。
というのも、共通テストに移行するとなると多くの受験生は浪人を避けたいはずである。
共通テストは未知の世界で、過去問もないので対策が難しいからである。
そこで、今年の受験生はみんな安全志向でくると読み、センター59%しかとれなかったのにもかかわらず、阪大に出願することにしたというわけだ。



ここで、受験した順に振り返っていこうと思う。



立命館大学・映像学部(2月1日)



なぜ映像学部にしたかというと、昔から映画や写真、動画に興味があったからである。
といっても出願したのはギリギリで、過去問も1年分しか解かなかった。
めちゃくちゃ人が多くて緊張した。




早稲田大学・文化構想学部(2月12日)


遠くの大学を受験するとなると、普通はホテルなんかに泊まったりする。
何日も滞在するとなれば、ホテル代もバカにならない。
ところが、ありがたいことに東京に住んでいる友達が試験期間中ずっと泊めてくれた。
しかも、彼は早稲田大学の近くに住んでいたので、試験当日の電車のラッシュにも巻き込まれずに済んだ。


立命館を受験した時もかなりの人だったが、早稲田は桁違いだった。
と同時に、この中のほとんどが落とされるんやなと思うと、無情な現実を突きつけられた気がした。





慶應義塾大学・文学部(2月15日)


試験会場は日吉キャンパス(神奈川)だったので、朝早く家を出なければいけなかった。
ところが、ここでも計画性のなさが露呈し、試験開始30秒前くらいに着いた(予鈴30秒前ではなく、試験開始30秒前なのでかなりヤバい)
めちゃくちゃ焦ったが、試験中は落ち着いて解くことができた。
苦手だった日本史の論述は、なんとか書き切った。


ちなみにここ慶應文学部は日本で唯一、英語の試験時間中に紙の辞書の使用が認められている学部である(電子辞書は不可)。
それだけ、問題文の語彙レベルが高いということだ。
英語の試験時間は2時間とかなり長く、問題形式は京大などの難関国立に近い。





早稲田大学・文学部(2月17日)




問題形式は文構とほぼ同じ。
めちゃくちゃ難しかった。
手応えなし。



早稲田大学・社会科学部(2月22日)


こちらは記念受験。
というのも、逆転合格が起きやすい学部だからである。
英語の語彙の問題は英検1級レベルで、他の大学と比べても難易度は高い。
国語は早稲田にしては簡単なのに対し、日本史はかなり難易度が高く、平均点が5割を切る年もあり、悪問・奇問も散見される(これでも昔よりはマシになったらしい)。



つまり、難しすぎるとはいえマーク式がゆえに、運がいいと逆転合格もありえるのだ。

初めて見る受験生は怖気付くかもしれない。




大阪大学・外国語学部(2月25日)


まず、受験で使用した科目から。
阪大外語は英語300点満点国語100点満点文系数学or世界史100点満点計500点満点と、センター900点満点を150点満点に圧縮した、合計650点満点で合否が決められる。


世界史は高2の時授業でやっていたものの、授業中はずっと遊んでて初学と変わらない状態だったので、数学で受験することにした。
実は、ここに狙いがあった。


センター数学47/200のやつが、普通に考えて阪大の数学を解けるはずがない。
普通の年に受けたら、他の受験生と数学で大差がついてしまい、その時点で合格は絶望的になるだろう。
だがもし、数学がめちゃくちゃ難化したとなればどうだろう。



そう、差がつかないのである。


僕はそれに賭けた。



めちゃくちゃ難化したら、英語と国語さえうまくいけば受かるかもしれない!





しかし、そんな淡い幻想は見事に打ち砕かれた。
その年は数学が大幅に易化した。



少ない持ち金から17,000円を握りしめて大きな賭けに挑んだが、儚く散った。




ここからは受験結果を発表していこうと思う。




立命館大学・映像学部(合否)

いや、受かるんかい。
全然対策してなかったのに。
慶應文学部の休憩時間に結果を見たというのもあってか、結構緊張した。
ここで初めて、学費がエグいぐらい高いことを知る。





早稲田大学(合否)

え? 早稲田ムズすぎん?
早慶と、その他私立の間に大きな壁があることは知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。
得点調整のことはネットで調べていたが、思った以上に下げられている。
3教科のうち1つでも受験者平均を割ったら、その時点でサヨナラなのは中々無慈悲。



※早稲田志望の受験生には、こう伝えたい。

「過去問で合格最低点とれてても気抜くなよ! 得点調整で普通に落ちるぞ!」




慶應義塾大学・文学部(合否)

日本史は受験者平均を大きく上回ったが、英語と小論文で落としてしまい、結果不合格。
不合格だったものの、かつて論述なんて一文字も書けなかった自分が、慶應の日本史の論述を書き切っただけでもめちゃくちゃ成長したと思う。
受験した早慶の中で、一番可能性を感じさせた学部だった。





大阪大学・外国語学部(合否)



いや〜、これはひどい。
超絶易化した数学は、まさかの1割
英語は、リスニングが壊滅。
唯一検討したのは国語だけ(それでも5割)。




だが一番怖いのは、これでも40人中37位ということである。
つまり、自分より下が3人もいるのだ。



自分自身と、そいつらに向けて一言。






「なんで受験してん!」





同志社大学について



ここで一つ疑問が。


「立命館受けてんのに、なんで同志社受けてないん?」



「え〜っと、これに関してはですね......」






出願期日、間に合いませんでした!!!




併願校について、全然調べていなかった結果がこれである。
受験生は、必ず事前に併願の大学のことを調べよう!


間違っても、こんな受験生になってはいけない。




結局、受かったのは立命館だけ。
しかし、学費は188万円。
4年通うとなると、752万円。
それプラス、一人暮らしの生活費なども必要になってくると考えると、経済的にかなり厳しかった。


ここで、ある考えが頭を過ったよぎった




もう一年浪人する。



たとえもう一年浪人したとしても、国公立に受かったら立命館に行くより費用が抑えられる。



そして、学費納入期限の3月24日


僕は立命館を蹴った。
迷いはなかった。

1年間浪人してみて、自分ならまだやれると感じた。



「不完全燃焼している部分がたくさん残ってる。二浪して東大に行こう」


親や友達、講師陣の猛烈な反対を押し切り、二浪の道に足を踏み入れた。






2020年4月7日



ニュースを観ていると、画面にテロップが流れた。




「中国・武漢を発生源とする、原因不明のウイルスが日本に上陸し、都内で新たに1032人の感染が確認。感染拡大により、緊急事態宣言発出」





それは、二浪が決まってから、わずか2週間後のことだった。


次回第7話「二浪目 前編」





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