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農家生まれの学生がゲーム会社に就職するまでにやったこと

はじめまして!
渋谷のゲーム会社でプログラマーをしている23新卒の醤油と申します!
実家はお米とぶどうの農家で、神社へ稲で作ったお飾りを提供したり、巨峰や高尾、シャインマスカット、クイーンニーナなどを直売をしています^^
サムネはうちのぶどう畑です笑

うちのシャインマスカット!

イベントでよく学生さんから「学生時代に何をしていたか」をご質問いただくことが多いので、振り返りも兼ねてツイートベースでゆるっと記事にしてみました!


就活の仕方は人や時代によっても異なるので、あくまで一例として読んでいただけますと幸いです!
既に何かを取り組んでいる学生さんは、あまりこの内容を気にせず突き進んでいただきたいです🙏

Twitterでも活動していますので、フォローよろしくお願いいたします!^^
https://x.com/shoyu_game2000


なぜゲーム業界を志したか?

元々ゲームのない家庭だったのですが、小学4年生の時に頼み込んで買ってもらったポケモンと25周年スーパーマリオコレクションにのめり込み、マリオの特典の開発資料と開発者コメントを見て憧れたことがゲーム業界に興味を持ったきっかけです。

その後、高校生時代にゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドに感動し、本格的にゲーム業界を目指すことを決めました。

大学1年〜

専門学校に行くかとても悩んだのですが、一般科目の勉強をしつつゲームの研究もできる東京電機大学に入学しました。
毎年ゲームをコミケで頒布しているソフトウェア研究部もあったので、自分にピッタリな大学でした。

とはいえ、

  • 業界人と繋がりが一切ない

  • ゲーム業界について全く知らない

  • プログラミングも未経験

だったので情報収集と技術習得から始めました。

4月:情報収集

まずはTwitterを開設しました。
情報収集という面でも良いですし、進捗をアップすると反応をもらえたのでモチベにもなりました (界隈あったかい)

合わせてゲーム雑誌の定期購読も始め、毎週読み込みました。
そもそもどんなゲーム会社があるかを知らなかったので、とても勉強になりました。
(販売会社と開発会社が違うということもよくある)

今ならこちらのデベロッパーまとめもオススメです

6月:ゲーム開発スタート

C言語の本を一冊勉強した後に、6月頃からUnityを始めました。
Unityは無料でも利用可能なゲーム開発エンジンで、プロの現場でも使われています。

Unityの入門は、ミニゲームを6本作りながら使い方を学べる「Unityの教科書」で勉強しました。

ソフトウェア研究部にも入部し、部室に通ってゲーム開発に励みました。

7月:オリジナルゲーム開発

7月に3週間ほどかけてオリジナルゲームを制作しました。
夜景をバックにビルの上をテレポートダッシュで駆け抜けるランゲームです。
部活の作品集に混ぜてもらい、夏コミで頒布しました。

8月:サマーインターンシップ、チーム開発開始

1年生の夏に、大学にゲーム会社の人事の方が訪問してくださり、
そこでインターンシップの存在を知りました。
一年生でも応募できるとのことだったので「これは行くしかない!」と応募して参加しました。

1Dayで現場の方に作品をレビューいただけるというインターンで初オリジナルゲームを持っていきました。

初めてのオフィスにワクワクしたのを今でも覚えています。

ご許可をいただいて大学の履修相談もさせていただきました。
一人で悩むより人に相談する方が早かったです笑

別の会社さんのインターンシップには落選してしまいました……。

インターンシップについて
一般的に4年制の場合は3年生が対象の物が多いです。
短期のワークショップ型、長期の就業型など様々な形式があります。

「一人では作らないゲームを作ろう!」と、部活の同期4人とホラーゲーム『PREDATOR AND WRECK』(プレデター アンド レック)のチーム開発を始めました。
僕自信はホラーゲームが苦手だったので、あまり驚かないガッチマンさんの動画をたくさん見て勉強しました。だんだんハマりました笑
(この時は半年で完成させる予定でした……)

11月:出展イベントに一般参加

年に1度、秋葉原で開催されているデジゲー博に参加しました。
出展イベントは創作意欲を刺激され勉強にもなるので、ぜひ学生さんには一度は足を運んでいただきたいです。

12月:コミケ出展

チーム開発作品をギリギリで形にし、冬コミで頒布できました。
これにて解散、とはせずにさらなるクオリティアップを目指すことにしました。

2月:グローバルゲームジャム、1Dayインターン

2日間でゲームを作るグローバルゲームジャムに参加しました。
なんと世界同時開催!

チームのプロの方とのレベル差を感じて悔しい思いもしましたが、非常に楽しくゲーム開発できました。
一生の思い出です。
(いつかチームの方に直接お礼したい)

GGJで作ったタイヤを交換していくレースゲーム
チーズがタイヤになったりします笑

仕様に沿ったゲームを作って得点を競う1Dayインターンにも参加しました。
高得点を取れず、ここでも悔しい思いをしました。

3月:unity1week、DirectX12でミニゲーム開発、もくもく会

1週間でお題に沿ったゲームを作って相互評価しあうunity1weekに参加しました。
以前に制作したランゲームを踏襲し、鮭で滝を登るゲームを制作しました。
道中の熊にぶつかると後方に吹っ飛ばされます笑。
githubを使ってコード管理の練習もしました。

もっと低レイヤーに触ってみたくなり、DirectX12を始めました。
2Dの簡単な数当てゲームを制作しました。
DirectX12をしっかり触るきっかけをくださった方に直接遊んでいただけて嬉しかったです。

Unityもくもく会(現:インディーゲームもくもく会)に初参加しました。
もくもく会は、都内近郊で参加者が集まって各々のゲームをもくもく制作する会です。
進捗を産みながら、ゲーム会社の方やインディーの方と交流することができました^^
ここの空気が好きで通い詰めています笑
2024年現在も開催されているのでご興味あればぜひ。

大学2年〜

4月:進級、プログラミング班の班長に就任

あっという間に2年生になりました。
大学のソフトウェア研究部では前班長の指名を受け、プログラミング班の班長に就任しました。
部活での講習は班長が自由に決めることができ、UnityとC#の講習を実施しました。

5月:レベル差を感じる

実際に就職された方々と今の自分にレベル差を感じ、プログラミングに手がつかなくなりました。
ZfSilverFoxさんの言葉に励まされ、自分のペースで頑張ろうと思うことができました。ありがとうございます🙇‍♂️
この時の言葉が今も支えになっています。

6月:1Dayインターン

前回と同じ、仕様に沿ったゲームを作って得点を競う1Dayインターンに参加しました。
前回より少し多く点を取ることができ、自分の成長を実感しました。

7月:ゲーム会社の説明会

複数のゲーム会社さんのオンライン説明会に参加しました。
コロナ禍に入ってから就活生以外も参加可能なオンライン開催のイベントが増えた気がします。

8月:unity1week(二度目)

unity1weekに二度目の参加をしました。
隕石から地球を守って人口を増やすゲームを作りました。

9月:ゲームクリエイター甲子園で話題賞を受賞

1年チーム開発を続けた『PREDATOR AND WRECK』が学生コンテスト ゲームクリエイター甲子園で話題賞を受賞しました!
初めての実績だったのでチーム全員で大喜びしました。

11月:デジゲー博出展、1Dayインターン

去年は一般参加したデジゲー博に今度は出展側で参加しました。
試遊プレイとDLカードも制作してゲームの体験版の頒布も行いました。
やはり、会場で直接FBをいただけるのは嬉しかったです。

仕様に沿ったゲームを作るインターンに参加しました。
結果を出せれば次のチーム開発インターンに参加できるという特殊な形式でした。
参考にしていたゲームを開発していた会社さんだったのでより気合が入りました。

12月:ゲームクリエイター甲子園でユーザー大賞、ファーストインパクト賞を受賞、2Daysインターン

ゲームクリエイター甲子園の最終発表で、ユーザー大賞ファーストインパクト賞をW受賞することができました!
直後に4Gamerさんに取り上げていただけていただくこともできました!

11月のインターンの決勝としてチーム開発を行いました。
無事にゲームを完成させることができ、たくさんの学びがありました!
当時2年生だったにも関わらず参加させていただき本当にありがとうございました!(届くと信じて)🙇‍♂️

1月:進路に悩む

プランナーを目指すかプログラマーを目指すかで悩みました。
周りの方やSNSでたくさん相談し、自分のプログラミング経験と諸々を鑑みてプログラマー志望で行くことを決めました。

3月:3Daysインターン

ゲームクライアント志望とバックエンド志望の学生でチームを組んでゲーム開発をする3Daysインターンに参加しました。
年上の方も多かったのですが、チーム開発経験があったので自らリーダーを名乗り出て、3Dゲームを開発しました。

3年生〜

4月:逆求人に参加

3年生になった!ということで本気で就活に挑みました!
4月は1日で複数のゲーム会社さんと面談ができる逆求人に参加しました。

6月:ホラーゲームのコンシューマリリース発表

チーム開発タイトルのコンシューマPC向けのリリースを発表しました。
なんと、配信者のサンキュームービーさんからFBをいただきながら開発を行うことができました。
ありがとうございます!🙇‍♂️

年内リリースへ向けて奔走しつつ、就活を進めました。

7月:PhotonとThree.jsでゲーム開発

大学のネットワークの講義の自由課題で、Photonで通信対戦ゲームを開発しました。通信ゲームを開発したことがなかったのでとても学びになりました。

大学のCGの講義の自由課題で、Three.jsで迷路探索ゲームを制作しました。
この頃は授業の専門性が上がってウキウキでした。

8月:インターン(3社)

平日の昼は就業型インターンシップ、土日の昼は短期インターン、夜はチーム開発のリリースへ向けた作業と、人生で一番の忙しさで完全にキャパオーバーでした……。インターンでもパフォーマンスを発揮しきれず……。
1年生の時には落ちてしまったインターンにも参加できたのは本当に嬉しかったです。

9月:コンシューマリリース、出展決定、インターン2社、

2年以上かけて開発した『PREDATOR AND WRECK 捕食者と崩壊』をコンシューマ向けにリリースすることができました。
いつも見ていた複数のゲームメディアさんに取り上げていただくことができました。
アップデートとPC版リリースへ向けた開発も続けました。

前年度も参加したデジゲー博にも当選しました。
(ツイートだけでゲームの進化を感じる笑)

別の会社さんで1ヶ月間の就業型と課題解決型の短期開発インターンを行いました。

10月:就業型インターン

3社目の就業型インターンに参加しました。
複数の会社さんでの就業を通して会社ごとの特色の違いを肌で感じることができました。

11月:デジゲー博出展、早期選考

二度目のデジゲー博の出展を行いました。
前より少し大きなブースで出展できてとても嬉しかったです。

出展周りのノウハウもだいぶ身につき、
ポスター、チラシ、DLカード、ディスプレイ、試遊機、名刺、下に敷くシートは毎回持っていくようになりました。

早期選考にもエントリーを始めました。
※会社さんによって募集時期は大きく異なります。

12月:内々定、研究室配属、コミケ出展、

複数のゲーム会社さんから内定をいただくことができました!
努力が報われて本当に本当に嬉しかったです!
ツイッターでもたくさんの方がお祝いしてくださいました。大大大感謝です。
(最も多い会社さんで内々定までに面接が6回ありました笑)

紆余曲折ありとても悩みましたが、最終的に年内に内定をいただいた会社を承諾しました。

感性工学の観点からゲームのUI/ UXデザインについて研究ができるメディア応用研究室に入りました。
研究でもUnityを使うので、練習がてら研究室の同期とゲーム制作を行いました。

コミケにも出展しました。
コミケは二次創作のイメージがあると思いますが、一次創作のエリアもありそこで頒布を行いました。

1月:ゲーム開発

研究室で制作した『オフィスをバットで破壊するゲーム』をGamePit Tokyo2022へ出展しました。
ランキング機能も導入しました。
(Unity1weekの経験が生きた気がします)

大学4年〜

5月:PC版リリース

『PREDATOR AND WRECK 捕食者と崩壊』のSteam版をリリースしました。
プログラマーとして実装だけでなく、外部とのやりとりや宣伝も頑張りました。

いつもホラゲ克服&勉強のために視聴していたガッチマンさんに動画投稿していただけたのが何よりも嬉しかったです。
チーム全員でどんちゃん騒ぎしました笑
(高難易度モード含め2週もプレイしてくださりました🙌)

様々なFBからゲームの至らなかった点も見つかったので、今後のゲーム開発に活かしていきたいです。
プレイしてくださったみなさん、本当にありがとうございます🙇‍♂️

↓ストアはこちら

6月:IGC2022出展

まだチーム開発は終わりません。
コンシューマ、PC版の宣伝と、英語版開発へ向けて動き出し
銀座で開催されたIndie Games Connectに出展しました。

8月:関東・関西で同時出展+コミケ

東京の東京ゲームダンジョン、京都のBitSummitが同日開催だったのでチームで二手に分かれて出展を行いました。
開発だけでなく宣伝にも全力を尽くしました。

コミケにも参加しました。
初めてのDLカードの完売で、シリアルコードを追加印刷しての頒布でした。(嬉しい悲鳴 🙌)
前回の5倍以上の頒布数になりました。

9月:東京ゲームショウに出展しました。

ゲームショウですよ!ゲームショウ!
IGDA日本さんのスカラーシップ生に採択いただき、永遠の憧れだった東京ゲームショウに出展することが叶いました。
企業ブースを見たりゲームを体験して僕はやっぱりゲームを遊ぶのと作るのとお客さんに届けるのが大好きなんだと感じました。

10月:英語版リリース、登壇

『PREDATOR AND WRECK 捕食者と崩壊』の英語版をリリースしました。(Steam版のアップデートとして言語追加)
大学1年から4年まで1本のゲームを制作し、コンシューマ、PC、英語版をリリースすることができました。


Unityのオンラインカンファレンス、SYNCに学生枠で登壇しました。
『PREDATOR AND WRECK 捕食者と崩壊』のチーム結成からコンシューマ&PC向けにリリースするまでをお話しました。

12月:チーム開発締め

チームみんなでゲームの売上で打ち上げを行いました。
誰一人抜けることなく、むしろ増えて無事に走り切ることができたことは一生の誇りです。
ここまで丸3年でした。

3月:学会発表

アクションゲームのヒットストップについての研究をまとめ、沖縄で学会発表しました。
ゲームを学術的に研究した経験は今後の開発でも活かしていきたいです。

3月:大学卒業

4年間通った大学を卒業しました!
非常に充実した4年間を過ごすことができました 🙌

最後に

いかがでしたか?(言ってみたかったやつ)
学生時代にやったことをツイートベースでゆるっと記事にしてみました。

重ねてになりますが、
就活の仕方は人や時代によっても異なるので、あくまで一例として読んでいただけますと幸いです!
既に何かを取り組んでいる学生さんは、あまりこの内容を気にせず突き進んでいただきたいです🙏

まとめ

・情報収集
・技術習得
・個人開発、チーム開発
・インターン参加
・各地で出展
・ゲームの研究
・Twitterやってると振り返りが楽。

入社後は面白いゲームを作れるディレクターを目指して、まずは自分の武器、プログラマーとしての腕を磨いていきます 💪
仕組みを理解した上で開発の推進ができるディレクターになりたい!

最後までお読みくださりありがとうございました!


追記

7/12(金)にnote公式の『今日の注目記事』に選出されました!🎉
ツイートも5万を超えるインプレッション数で驚いています!
ありがとうございます!!🙇‍♂️🙇‍♂️


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