冷蔵庫がたとえ紫色だったとしても。
引っ越してきて間もない街って、新しい匂いがする。
新しいというよりは、まだよそよそしい匂い。
誰も知る人がいないことが、風通しよくて楽だと
想っていたけれど。
風通しは,場合によっては孤独をつれてくるから
ちょっと厄介だ。
街を歩く。
繁華街とかは苦手なので路地を歩く。
雑踏を行く人たちの過ちが、そこにはあふれかえって
いて、もしそれが<桜の花びらのように>目視できた
としたら<空を覆い>つくしてしまうだろう。
そして、<わずかばかりの後悔とともに>路地に散り