心の中の記憶13 マヨール広場をながめながら考えた
スペイン、マドリッドを旅行中。
コルドバからiryoでアトーチャ駅。
タクシーでマヨール広場。
外国にいけば子どもたちの気分転換になると考えた軽率な私の目論見は外れ、娘はどこでもいつでも怖くなる。処方薬を持ってきてはいるが、旅行に出てから、毎日1度は怖さに耐えられなくなって、泣いている。動けなくなってその場に固まる。
なんとも、2次元の推しに対する恋心で、吐いてしまうほど苦しんでいる。
スマホネイティブ世代、どこまでいっても囚われの身。手元にいつもある携帯。「お母さん、喋り続けないと怖くなるよ」と言いながら泣く。
どう声をかけるのが良いのだろう。
窓の外を見てごらん、ほら、フェリペ3世がいるんだよ、、そんなことばは、まったく届かない。
少し落ち着いた娘はテレビでYouTube、息子はSwitchで、たった今オンライン購入したマリオワンダーに夢中。学校に行かないことを選んでいる息子の場合、夏休みは気持ちが楽だそうだ。旅行は好きじゃないという。それでも、旅行に出てからは、たくさんの話しをきかせてくれている。家では部屋にこもって寡黙な息子が、同じ空間で笑っているのはとても嬉しい。
民泊に着いてから子どもたちを説得し、徒歩3分、サンミゲル市場だけを覗き、チュロスとオルチャタとサーモンの持ち帰りをした。
Airbnbの部屋は、探す段階から楽しい。
部屋のソファから、太陽に照らされたマヨール広場を眺めながらの贅沢な時間。
広場ではマリオやミッキーの着ぐるみを着た人が、頭を外しているのがみえる。暑いはず。誰一人、一緒に写真を撮る様子もない。
サイレンを鳴らしながら、マヨール広場を救急車が突っ切っていくのも見える。
コロナ禍前、マヨルカ島はレンタカーで巡った。
バルセロナは、部屋からサグラダファミリアがみえるGaudi's Nestに泊まった。小さかった子どもたちが、処方薬もなく、Switchもなく、無邪気に喜んでいたのを懐かしく思う。
夏休みのせいか、長距離バスの予約ができず、今回のアンダルシア移動は電車。
renfe、AVE、iryoに乗ってみた。席はベーシック。iryoが過ごしやすかった。
電車のホーム番号が掲示されるまでの待機時間が厳しかった。機会があれば、次は一等車にしたい。詳細はわからないけれど、長距離の場合は食事がでたりもするようだ。マドリッドのアトーチャ駅には一等車のラウンジ案内があった。子連れならではの心配が減る。
ポルトガル、ポルトの空港ではカフェで過ごしたが、あまりの混雑ぶりに間がもたず、プライオリティパスで同伴者分の支払いをしてラウンジに移動。明後日のマドリッドのバラバス国際空港も、ローマのフィウミチーノ空港も、Trip.comの会員特典を使ってラウンジを利用予定。
ラウンジなんて、調子にのってる。そんな気持ちにもなるけれど、すでにこの旅行は、ただ日程をこなしている段階。娘が泣きだすこと、息子が帰りたいと悲しがることで、母親のエゴを突きつけられることが、毎日、苦しい。
私自身のやるせない気持ちをぶつけるために計画し始めたこの旅行。
子どもたちの気分転換のため、娘の押し活動のため、息子の見聞を広げるためとか、いくらでも言い訳は思いつき、親の体裁を保つには事欠かない。
結局は、私のエゴの押し付けだったか。動いてわかることもある。
さぁ、次はローマとパリが待っている。
ありがとう、子どもたち。
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