「麹」ってなんだろう?
前回の「お味噌の作られ方について」の記事で、原料による分類が出てきました。
「麹(こうじ)」の種類によって、出来上がるお味噌の種類も変わってきますね。
この「麹(こうじ)」について、ぽんこつスタッフなりに、まとめていきたいと思います😃
「麹」と「糀」 字の違い
お味噌の原料の “コウジ”の文字表記 。
「麹」と「糀」の二種類あるのですね。
■「麹」の語源
「麹(こうじ)」の字は、中国から伝わった漢字ですね。
「語源由来」さんのHPによると。。。
麹は、平安時代の漢和辞書『類聚名義抄』に
「麹 カムタチ カムダチ」とある。
このことから、「カビダチ(黴立)」→「カムダチ」→「カウダチ」→
「カウヂ」と音変化したものといわれ、有力な説とされている。
ただし、中世の古辞書では「カウジ」しか見られず、「ヂ」の仮名遣いが
異なる点に疑問の声もある。
その他、「かもす(醸す)」の連用形「かもし」が変化したとする説もあるが未詳。
「One Fase テンペはつくろう!」さんのHPによると。。。
麦偏に菊と書く「麹」という漢字は、こうじ作りが盛んだった中国から
日本に伝わってきた漢字です。
カビの一種であるクモノスカビを用いて、麦の粉を水で練って団子にした
餅麹が作られたことから始まりました。
現代は日本のあらゆるところで「麹」が使われ、公的機関でも
「米麹・麦麹・豆麹」など、この漢字が主に用いられています。
■〈糀の語源〉
「糀(こうじ)」の字は、明治時代に、日本で作られた和製漢字、
国字ですね。
「One Fase テンペはつくろう!」さんのHPによると。。。
「糀(こうじ)」は、米こうじに対して使う、という事だそうです。
国字が作られた理由は、蒸し米の表面を白色の菌糸が
ふわふわと覆いつくしている様子が花のようであることから、
「糀」の漢字が用いられるようになりました。
現代「糀」を使っているお店は、米こうじの専門店だけといわれています。そのため「こうじ」を「糀」と書いてしまうと、人によっては伝わらない
可能性もあります。
菌糸がフワフワした様子というのは、こういうイメージですね。
↓
麹(糀)とは?
引用元:Wikipedia
麹、糀(こうじ)は、米、麦、大豆などの穀物に
※コウジカビ などの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を
繁殖させたものである。
「コウジカビ(麹黴)」は、麹を作るために必要な、糸状菌(カビの一種)の総称で、日本の麹菌(きくきん)です。
カビの一種、と聞くと、お風呂場に生えるカビ😨と連想してしまいますが、雨が多く、湿気の高いアジア地方では、カビは切っても切れない存在。
人に害のあるカビもあれば、有益なカビもある中で、古来から人に有益なカビ(麹菌)と共存し、『発酵食品』を生み出した先人達の叡智には感服です✨
★麹菌の動画はこちら
SCIENCE CHANNEL(JST)さんYouTube
『微生物はすごい! (5)微生物が食べ物をつくる』より
お味噌のつくる時の麹菌は、下記のような、発酵食品の発酵には欠かせない酵素を生成します。
★麹屋さんの動画を見てみましょう。
SCIENCE CHANNEL(JST)さんYouTube
『おいしさの扉 (4)食材加工の科学【中編】発酵の科学』より
〈麹菌が生成する主な酵素〉
■デンプン質を糖分(甘味)に分解する力のある酵素(アミラーゼ)
■脂質を分解する酵素(リパーゼ)
■タンパク質をアミノ酸(旨み)に分解する酵素(プロテアーゼ)
その他、多くの酵素がはたらいて、発酵食品特有の甘味や旨みを引き出し、
素材をやわらかくしています。
コウジカビ(麹黴)の種類
黄(き)麹菌、白麹菌、黒麹菌、紅麹菌、カツオブシ菌があります。
麹(糀)の種類
米麹・麦麹・豆麹 があります。
培地にした食材が変わる事で、培養され、繁殖した菌が、
出来上がる麹の種類を変えます。
つくる発酵食品の用途に応じて、使い分けられています。
米麹(糀)ができるまで
「小泉麹屋」さんのHPで、多くの味噌メーカーが導入している、機械で麹をつくる「機械こうじ」ではなく、昔ながらの手作りの麹つくりを紹介されていました。
お写真もお借りしております。
■1■ お米を蒸かす
洗米し、一晩水に浸けた米を蒸し釜に入れて蒸す。
■2■ 麴菌の植え付け
蒸したお米を広げた所に、麹菌を全体に振るっていく。
麹菌が付着するよう、手を使って、混ぜ合わせる。
■3■ こうじ室(むろ)で寝かせる
麹菌を付けたお米を、布に包んで、こうじ室へ運ぶ。
こうじ室は、温度38℃、湿度80%に保たれている。
■4■ 切り返し
麹菌が繁殖して、熱を持って固まっていくのを、ほぐして、麹が自己消化をしてしまうのを防ぐ。
■5■ こうじ蓋へ盛る
井桁に積み上げて寝かす。
二昼夜寝かすと、やがて、菌糸が出てくる。
■6■ 麹の完成
表面がうっすら雪が降ったように見える。
米麹の完成。
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麹菌が育つ適正温度が、36~38℃だそうです。
真冬でも真夏でも、この温度と麹菌の最良の状態を維持しながら作業しなければならず、熟練の職人さんの叡智には頭がさがるばかりです。
最後まで、お付き合いくださり、ありがとうございました✨