他人と自分と異物と変化 「TITANE/チタン」 最後に「虎に翼」
https://youtu.be/Z8CAKV6BONM?si=1jpAlhyvU6TWXlc2
ABOUT THE MOVIE｜映画『TITANE チタン』公式サイト https://gaga.ne.jp/titane/about/
最近ある人のお陰でチタンを観る事が出来ました。
その人は一瞬で無理のようでしたが
賛美両論が激しいので要注意映画です。
あと、車の事故の後遺症により人格が変わる人がいるようなのでそういう理由もあるのかなと私は思って観ていた。
✳高次脳機能障害を検索して下さい
これはクローネンバーグの真似なのか？
と思いましたが
それだけでは無く「マジカル・ガール」を見終わった時と同じような感覚だったなと思いました。
ふしぎな映画でした。
物語始まり〜
少女アリシアは車に乗せられている。
エンジン音のような、人が聞くとうるさいと思うようなうなり声を発するアリシア。
運転をする父親は耐えられずラジオのボリュームを上げて自分の子供の声をかき消そうする
が、瞬間にアリシアが車から飛び降りようとして（邦画「怪物」か…）父親が慌てて車は激突してしまう。
大怪我をしたのは娘だった。
頭蓋骨が砕け割れたのか、脳をチタン合金で覆う手術をする。
それによって父親には理解出来ない娘は更に人間の感情を捨て、異物になっていく？
と書くと本当にデビッド・クローネンバーグ監督のようですね。
クローネンバーグは「ハエ男の恐怖」をリメークしたり異物との一体化が得意な監督です。
しかしジュリア・デュクルノー監督はそれだけでは無く親子とは？愛情とは？妊娠とは？
というものまで綯い交ぜにした。
女しか書けないんだろうなという…最後ですよ。
観た時は本当に刺激的な映像の連続で、他人の痛感覚を共感しやすい人間にとっては痛さの連続の映画なのですが…
映画の余計な部分を取り除き考えたら
あまりにも出来すぎた神話だった。
全ては消防団隊長のために有りという…
しかし、アリシアの本当の父親
これはアリシアに充分な生活を提供しながら
自分の娘を理解しようとせず、それゆえに全く受け入れず…つまり見かけは親だが
本当は違った。
（口には出さなかったが、子供の頃から普通の子供らしくアリシアを父親は薄気味悪くて近寄りたくない。触りたくもないと思っていたのではないか？）
前半のアリシアはとても美しい女で、車と交わり
車を主体としたイベントの女神のようなダンサーだった。
例えばヌードショーで普通だったら男女が絡む見せ場をやるのだが
アリシアは車と交わり人々を魅力していた。
そんなアリシアに群がる人々。
だが彼らの目当てはアリシアの見かけだ。
後半消防団の隊長と出逢うアリシア
その男ヴァンサンは、息子が行方不明になったと思い込んでいる多少気がおかしくなっている人間だが
どんなに危険な場所にも飛び込み
色々な人間を助けていた。
隊員には多少馬鹿にされつつ
老いという変化に怯えながらも
アリシアを受け入れた。
アリシアの異質を全て受け入れた。
それは本当の父親よりも父親だった。
そしてアリシアも決心をする。
今日の「虎に翼」で道男が出て来たので
急遽この映画を記したくなった。
「虎に翼」の道男も、様々な悪い事はしただろう。
そして、普通の人間は拒絶し警察は捕まえた。
そういう人生だった。
戦災孤児だから
可哀想だから
という生半可な同情だけだと
「情（なさけ）をかけてやったのに！」
と言いそうな人々と同じになるのか…道男は疑っているようだ。
世の中
「助けてくれてありがとう！」
と素直に言える人間ばかりでは無く
絶望の中で生きていた人間は
「だから何なの？感謝して欲しいの？
どうせ自分が良い事をしたと思いたいんだろ。
手に負えなかったら追い出す気だろう！」
となる…
人を信じられなくなるとなる。
他人を愛する
それは異物を受け入れられかどうか。
それをも愛せるか
なんですよね。
家族といえども自分とは違う人間なので他人ではある。
そして妊婦でも胎児を異物と感じ恐怖に思う女性は稀にいるそうだ。そう感じてしまうのでその人に罪は無い。
《異物》というのは形だけでは無く
考えというのも、自分と全く違っていたらそこに入る。
それらを全て受け入れる勇気がなければ
裏切っただの何だのおかしな事だ。
他人は自分では無い。
「虎に翼」の道男が轟達を利用していただけだとしても
それがどうしたと思いますよ。
轟達がそうしたかったんだから。
一応高次脳機能障害の事を少し貼っておきます。
高次脳機能障害とは | 高次脳機能障害支援 | 千葉県千葉リハビリテーションセンター https://www.chiba-reha.jp/koujinou-center/whatis/
↓から
✳加筆修正致しました。