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理性vs欲望

買ってから長らく放置している本がたくさんある。読みたいなーと思って買っておくけど、大抵すぐには読まない。

ジキルとハイド、ミュージカルでもやってたし歌も聴くから読んでみたいなって思って購入して、、2年くらい経った今年の7月。テスト期間中に急に読みたくなって開いたら、もう手が止まらなかった。気づいたら全部読み切っていた。短いのに濃厚で、満足度の高い、色々詰まっている作品だなと思う。2つの視点で描かれているのにもドキドキ。

ジキル博士の理性と欲望との葛藤が描写されており、人間の二面性についても強く掘り下げられている。どんどんハイドに飲み込まれていくジキル。ジキルは善として描かれているけど、心の中で悪を求めていた。一方ハイドには善など一つも求めていないのだから、ちょっぴり2つの気持ちのバランスが悪の方に寄っていて、、だから最後ハイドに飲み込まれたのだろう。理性と欲望とのバランスは難しいしどちらか一方に偏ると人間性がなくなる。うまい具合にやっていかなくちゃならないなんて生きるのも難しいな。
そしてもう一つ好きなのが、ジキル、アタソン、ラニヨンの関係。あの絶妙な距離の、友情関係憧れるなと、、、。信用しているから、大切にしたいから故のあの距離感。ラニヨンが1人で抱え込んで死んでいったのを考えるとその気持ちは計り知れない。アタソンがきちんと約束を守って手紙を開けないでいるのもちょっとしたことかもしれないのだけれど好き。
ハイドは死の恐怖に敗北し自殺するけれど、ジキルも精神的に自分を殺しているから、2度死んでいるんだね。2つの死が共存しているところから、あの2人はより違う人格だったんだと強く思う。

ジキルとハイドで強く描写されている二面性については自分の本性を暴かれているようで読むのが少し怖かった。
共感できる小説だったり物語だったりには、今まで知らなかった自分を教えられるようで、核心をつかれているようで興味深い。私が古典作品ばかり読むのはそれが理由なのかもしれない。
なぜだかわからないけど、鋭く核心をつかれて、気付かされる、、、面白さと怖さと興味があるから読みたくなってしまう。


ちなみにテスト中、読んだら勉強時間が減ってしまうのに読んでしまった私は、ハイドの方にやられたようだ。

Wikipedia引用

そして、上の2冊ともまだ未読で家に置いてあるから読もうと思います。笑
この夏の目標は家にある本全部読む。

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