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『レインツリーの国』感想:人間関係の美しさと難しさに向き合う物語

他人を本当に理解するのは、不可能に近い。

それでも、理解しようと努める姿勢にこそ美しさがある――
『レインツリーの国』を読んで、改めてそう感じました。

はじめに

私には2歳年上の兄がいます。同じ親から生まれ、同じ家で育ち、幼稚園、小学校、中学校と同じ環境で過ごしてきました。

毎日同じものを食べ、同じ景色を見てきたにもかかわらず、兄の考え方や価値観を完全に理解することはできません。

では、血の繋がりもなく、生まれ育ちや見てきたもの、さらには価値観や経験が全く異なる他人を理解することはどうでしょうか?
それは、不可能と言えるでしょう。

この「理解できない」という事実を前提にしながら、それでも関わり合いを避けられない人間関係。その難しさの中にこそ、人間関係の本当の価値がある。

『レインツリーの国』はそんな問いを私たちに投げかける物語です。
一見ロマンチックな恋愛小説ですが、その奥には人間関係の難しさや、
多様性の中で生きる私たちに必要なメッセージが込められているように思います。

※本記事には一部批判的な感想が入っております。
気分を害されてしまう可能性がございますので、ご承知おきの上で読んでいただけますと幸いです。


あらすじ(ネタバレなしでご紹介)

物語は、とある一冊の小説をきっかけに始まります。

主人公の伸(しん)は、その小説について語られているブログ「レインツリーの国」を偶然見つけます。
ブログ管理人のひとみが語る感想に共感し、伸はひとみにメールを送ることで物語が動き出します。

二人はメールを通じて次第に親しくなり、直接会いたいと考えるようになります。しかし、ひとみは「会えない」と告げます。

その理由に触れられないまま、二人の関係は一筋縄ではいかない展開を見せていきます。。。


率直な感想:ロマンチックモラハラブストーリー?

読了後、この物語を一言で表すなら「ロマンチックモラハラブストーリー」だと感じました。

主人公の伸の言動には、正直イライラする場面も多かったです。。。

直情的で軽率、相手の気持ちを深く考えずに行動してしまうことが何度もありました。
達観しているよう(少なくとも伸は認識していそう)で実は非常に浅く、
理解しようとしているつもりでも、その方向性がいつもズレているように感じました。

それでも不思議なことに、物語の面白さに引き込まれ、
どんどん読み進めてしまいました。
(有川浩さんのストーリーテリングがすごすぎました。。。)


多様性と人間関係の美しさを考える

この物語を読みながら、改めて「相手を完全に理解することは不可能だ」という現実を考えさせられました。

多様性が尊重されるべき今の社会において、相手の違いや背景を理解する努力は重要です。

しかし、理解することが完全にできないのだと割り切った上で、
それでも理解しようと努めることこそが、人間関係において最も大切なことではないでしょうか。

『レインツリーの国』は、この矛盾を真正面から描いた物語です。

特に印象的だったのは、登場人物たちの「もがき」です。
相手を知りたい、理解したいと思う一方で、どうしても分かり合えない現実に直面します。

彼らの葛藤や失敗は決して綺麗なものではありませんが、その不完全さにこそ人間の美しさが宿っていると感じました。

この物語を通じて、「相手を完全に理解することはできない」という前提を持ちながらも、相手に向き合い続ける姿勢の重要性を教えられました。


おしまい

お疲れ様です。

個人的に苦手な部分があり、手放しでお勧めできない作品だな。。と思っていたのでこの場を借りてしれっと紹介といたしました。

いやー。。。本当に伸さんが好きになれない笑
なのに面白いので悔しい。。。笑笑

以上です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございましたm(_ _)m


この記事を書いた人

ミニマリストになりたくも永遠になれないIT系テレワーカー。 ガジェットと洋服が好き、マヨネーズが世界で一番きらい。
生活やお仕事で役に立つような情報を発信しているかと思いきや、 私の好きなものを好きなように発信しているチャンネルです。


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