「衝動的なんて言葉で片さないでください。これは僕らの同意の上の完成形なんですから。寧ろ僕の意思よりも相手の意思が強かったんですから、これは相手の望みを叶えた結果なんですから。ねえ、そうなんですよ。君が、君が、『あなたになら、この人生を終わらせられてもいい』って言ったから。」

「だから、それに適うような人間になりたくて、人生を止める方法として思いついたのがこれだったんです。でもこれは相手が望んでいたことなんです。それを叶えられずに愛を語れるはずがない。そうだ。これは最大限の愛なんですよ、わかりますか?」

「わからないなら、もうこの話は終わりです。せめてわかろうとしてください、その気がないなら早く僕らの前からいなくなってくれ、未だ僕らの愛はそこに、ここに、あの身体の中に、あるんだから。汚させたくないんですよ。ほら、どうなんですか。」

「なんですか、その意味のわからない生き物を見るような目は。これだから、愛を知らない人には話したくなかった。どうせわかってもらえない。今までだってそうだ。僕らは何回だって否定されてきた、聞きたいっていうから話したのに。だからこれらはふたりだけのものにしようと、心に決めていたのに。」

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