大河ドラマ「光る君へ」第42話「川辺の誓い」

・顕信を出世させなかった原因で出家してしまった事に怒りを露わにして道長にぶつける明子、そのまま倒れて寝込んでしまったが兄である俊賢の前でも道長に対する怒りをぶつけるかと思っていたんだけどそこには息子を心配し暖かい衣を届けるように涙ながらに伝える母の姿が。

・道長が権力を持ち始めると同時に自分の息子にも・・・と少しずつ変貌していった明子であったが道長自身もそうであるのだけれど力を得ると同時に人が変わっていってしまうのはこのドラマに限らずではあるけれど切ないな・・・。

・道長は妍子(倉沢杏菜さん)を中宮にしたけれど、三条天皇は娍子(朝倉あきさん)を皇后にと道長を揺さぶってくる、この点一条天皇と違って強かな部分があるなと。このドラマが始まり、兼家から始まった権力闘争だけれどどんな妨害や画策があろうとも道長まで権力を維持しているところはある。

・道長にとっては本質的には向いていないところであると思うけど泥をかぶる覚悟は持っているからどうしても兼家のような印象を持ってしまう、ただ道長自身は結構淡々とした態度なんだよな、いつも。まひろといる時はそれでも感情の揺れは感じるけれど。

・娘である千古を可愛がる実資、後で調べると史実的には50歳過ぎて出来た子のようで実際溺愛していたようだ。笑わせている演技は実資というよりロバート秋山さんのように見えた(笑)

・ただ実資という人物が史実通り描かれている通りで三条天皇にも道長にも偏る事は無いのが一貫しているのは良いなと思った。道綱とコンビのような関わりもあってコメディタッチの場面もあるけれど、こういう真面目な場面で締まった表情を見せるのはグッとくる。

・三条天皇が妍子の元へ渡らない為まひろに相談する道長、「源氏物語」が一条天皇と彰子のために書いた物語・・・というところでハッとしてしまった、確かに目的がそうだったなと。

・そう考えれば三条天皇と妍子を繋ぐ物語というのは自然だけど史実的には分からないがドラマ的には「無いな」と思ってしまった。三条天皇は道長を牽制するような言動であるし妍子は宴好きで両者とも物語に興味は無さそうだしそこは一条天皇と彰子との違いであったし道長の都合で御しやすい人間かどうかの違いも明確だし・・・

・賢子と双寿丸の仲が進展しているようで安心。まひろのところに来るのはいとが作る料理が旨いというところなんてみると「人たらし」だなぁと思った。純粋で良い人間なんだろうと思うけど残り少ない話数の中で賢子を裏切るような展開にはしないでほしい。

・そん中、道長が病に倒れる中で内裏には怪文書が流れて慌てて否定する道綱が彼らしくて面白かった、流石に実資は冷静に「放っておけ」で済ますのは流石だけど、現実の政治でもそういう事が起きると聞くし権力の中に居れば今も昔も大差がないなぁと思った。

・まひろは物語を書く事もなく家に居たが百舌彦の願いで道長を見舞いに、川辺で語らう二人、「道長が生きれば私も生きられる」の言葉に涙する道長、先に淡々としている道長の事を書いたのだけれどまひろの前では違うというのがハッキリ分かる。

・権力の中心にいて淡々と泥を被る事も厭わずまひろとの約束通り民のためを思って色んな出来事に対峙してきた中で病になり弱気にもなり本当は辛かったのかもしれない、いや絶対に辛いのだけれどまひろとの約束を成し遂げるために自分の信じる道を進んでいた。

・その中で「生涯のソウルメイト」であるまひろにこれからも一緒に生きようと言われれば道長にとっては心から解放されたのではないかと思った、自分の生きていく道にはちゃんとまひろが居てくれる、幼少の頃からの二人の約束が明確に思い出されたのではないかと思った。

・後、道長が病で弱っている時に真っ先にまひろの元へ駆けつけた百舌彦が素晴らしいとも思った、乙丸もそうなんだけど幼少の頃の二人に色々と巻き込まれながらも実直に付き従っていた乙丸と百舌彦も今でも一緒にいるというのも心強いと思う。

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