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銀河フェニックス物語 <番外編>  ご当地グルメ

 出張や旅行先でわたしが食べてきたものをご紹介しましょう。

 まずは、わたしが初めて出張で出かけた永世中立星のラールシータです。
 ここでは、敵のアリオロン料理を生まれて初めて食べました。名物のチャダムを口にしたら、ソラ系のトマトシチューと変わらないことに驚きました。


 次なる出張先のパキ星では、きのこのパキールをおいしくいただきました。この名物がわたしの仕事である宇宙船工場の拡張工事と関わってきて、大変だったんですよね。

 
 出張で豪華客船に乗ったらハイジャックに巻き込まれたこともありました。この時の機内食が随分と贅沢なものだったことは忘れられません。

 
 営業のためにルルの湖展望宇宙ステーションで開かれたゴージャスな立食パーティーに侵入。レイターはおいしそうに食べまくっていましたが、わたしは緊張でほとんど食べられませんでした。

 
 ロン星の屋台で食べたのは、毒を持つグレという魚の切り身が入ったヤキソバ。食べるのには勇気がいったけれど、死んでも食べたい、という先人の気持ちが理解できるほど海の香りが極旨でした。


 デパ星系の有名な朝市ではレイターが見立てた新鮮な魚を買って帰りました。流通の星では欲しいものが何でもそろいます。仕事はうまくいかなかったけれど、楽しかったな。

 
 生まれて初めて銀河連邦の中心である地球で料理を食べました。デザートでいただいたガトーショコラのフルール添えの美しさと言ったら。けど、一緒に行った人が最悪でいい思い出ではありません。


 ルク星の五つ星レストラン「ザブリート」へ出かけました。実はこのお店のシェフはレイターとアーサーさんが乗っていた戦艦の料理長だったんですよ。厨房に入ったレイターがお肉のソテーをつくって出してくれました。


 将軍の就任二十周年祝賀会に誘われて、初めて将軍家の居宅『月の御屋敷』を訪問しました。侍従頭のバブさんが用意した手の込んだパーティ料理は絶品でした。


 ヨマ星では名産のヨマ牛の骨付き肉がお勧めです。柔らかくて味が濃く、塩だけでおいしく食べられました。レイターが作ったので、当然と言えば当然ですが。


 宇宙船ショーが開かれたネル星の人工衛星では推しのエース専務に誘われて高級ホテルの最上階レストランを訪れました。五感を刺激する創作料理。まるでデートのようなシチュエーションにとまどうばかりでした。


 出張先のデューガ星系で国王主催の晩餐会へ出席。いきなりエース専務と一緒にひな壇に座らされて恥ずかしかったです。伝統食のコース料理はおいしかったけれど。

 思い返してみると、結構いいモノ食べてますね、わたし。
 でもやっぱり、一番のお勧めは愛情たっぷり調理師免許を持つレイターの手料理で~す。

 以上、おのろけでした。てへっ。    (おしまい)


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48ノ月(ヨハノツキ)
ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」

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