コロナウイルス感染もやや収まってきたのか、最近看護学生の実習が始まった。 看護学生は20歳前後のピチピチのナースの卵たちだ。学生の同行見学を許可してくれるお宅へ(なかなかない)一緒に訪問する。 そこで学生は患者さんの熱や血圧、脈を測定したり(血圧計を腕に巻くのとか、もたもたしていてかわいい)病院とは一味ちがう「家で生きていくための看護」をみてもらうのだ。最近の在宅看護の実習は、一人の患者さんを追って経過をみるのではなく、毎日いろんなお宅へ行き、ひたすらその家の訪問看護をみ
金曜日の教授は、リビング以外に部屋が4つある最上階のマンションに一人で生活している80代の男性。10年ほど前、脳梗塞を起こし「病院に自分ではって行って助かった」というのが自慢。右足がほんの少しだけ言う事をきいてくれないそうだ。 教授は、昔どこかの大学で何かのデザイン?の教鞭をとっていたそうだ。教授は、だいたい元気だが年齢と、病気の既往と独居であることから、介護保険の要支援1。健康管理のために週に一回、理学療法士(リハビリ)と看護師が隔週で訪問している。時間は60分だ。 今
火曜日のマダムさんはリュウマチ。80代の女性。 きれいな白髪で髪型はボブ。耳の下できっちり整えられている。シワのせいでまぶたが垂れているけれど、瞳が大きく白目が見えないせいか?身のこなし方か?老人だけど女を感じる・・・何かが妖艶な感じの人だ。 私はマダムさんの全身の観察と入浴介助のため訪問している。訪問時間は60分。 訪問すると、マダムさんは椅子に座って足を組み、肘かけに頬杖をついて「ああ、あんた・・・よく来てくれたわね」と言って迎えてくれる。 マダムさんの椅子は、美
根性ババちゃんはそろそろ100歳。大豪邸に住んでいる。 全身の観察、お風呂の介助と一週間分の薬のセットのため訪問看護に行っている。 根性ババちゃんは、いつも「困ったねえ」とぶつぶつ言いながら、90度近く曲った腰でゆっくりと杖で歩く。動くことに時間がかかるため、訪問時間は90分だ。 高齢なことと、歯がないこと、腰が曲っていること以外に病気はない。強いて言えば「いろんなことが思いどおりにならないのがイヤなのよ病」かもしれない。 根っからのお嬢様で自ら働いたことがないらしい
おいとまさんはちょっと認知症。80代の小さい女性で生まれは武士のお家柄。大きい家に夫と二人で住んでいる。くりくりの白髪と白内障できれいな色の目の品の良い人だ。 家族から”薬を飲むことを忘れてしまうし、認知症が進むかもしれないからちょっと来てみてよ”というご依頼で、体調の管理と、薬が飲めているかを確認するために訪問が始まった。訪問時間は30分。 まず、薬を飲み忘れることへの対応として、プチプチシートで何種類か出ていた薬を一包化(薬局で全てを一つの袋に入れてもらう。薬局で有料
木曜日ののじーには「介護予防」で訪問している。のじーは独身で一人暮らしの男性だ。 「介護予防」とは、地域支援型の予防サービス・・・地域において要介護認定されていない健康な高齢者または要支援認定1〜2の高齢者を対象として訪問するサービスだ。 要は、健康そうだけど、ちょっといろいろ気になる存在だから、今のうちから社会とつながってもらっておこうかな〜という感じのサービスだ。 のじーが、なぜ介護予防に目をつけられているかというと、まず年齢。一人暮らし。親戚はいるようだが長ーい間
金曜日の男は、肺を病んでいて在宅酸素療法中。90歳。 鼻のチューブから1.5リットルの酸素を吸って生きている。 身体の向きを変えるにも息が上がってしまうためベッドでの生活だ。 睡眠はもちろん食事も排泄もベッドの上。私は彼のところへ全身の観察、清拭、排泄調整(浣腸をかけお通じを出す)、おむつ交換のケアをしに訪問している。 訪問時間は60分。 金曜日の男のケアに入ると、いつもいつも、いーっも「僕ねー、この歳になって思うのよ。たたなくなるのは淋しいなあって・・・」という言葉か
私は、7年くらいやっている。 その前は15年近く病院で働いていた。 病院のナースは部屋の担当があって数人から十数人を看護する。所属する科によって違うが、1日の流れがあり、それをこなす。 当たり前のことだが、医療スタッフも、患者も、掃除のおばちゃんも、相手は人間。本当にいろんなことが起こる。それに頑張って対応する。対応しきれない時はチームでなんとか頑張る。それも気持ちがいい。 ちょー頑張った後にはみんなで飲みに行ったりして1日の頑張りに祝杯をあげた日もたくさんあった。ど