【Vol. 2】 肩関節の正常運動(屈曲と外転)
このノートでは、正常運動のパートとして、肩関節屈曲と外転の正常運動について学んでいただきます。
正常な動きを知っていることで、異常な動きを察知することが可能となります。
日頃の臨床現場では異常な運動をみることが多く、なかなか正常を学ぶ機会が少ないと考えます。
患側の反対側は、健側なのだから正常な運動も知っている!と思うかもしれませんが、人間は片側だけに異常が出るのではなく、全身を使って(左右でバランスを取っている)調整しているので、全身のどこに問題があってもおかしくないはずです。
まずは、教科書的な肩関節の正常な屈曲と外転について知りましょう!
※ Vol. 3のノートでは、結帯動作と投球動作の正常運動について取り上げます。
< 目 次 >
1. 上肢挙上:肩峰と大結節の関係性
1-1. 前方路
1-2. 後外側路
2. 上肢挙上:臼蓋骨頭リズム
3. 肩関節屈曲:3つのフェーズ理解
3-1. 上腕骨運動としての肩関節屈曲
3-2. 上腕骨+肩甲骨運動としての肩関節屈曲
3-3. 全身運動としての肩関節屈曲
4. 肩関節屈曲:臼蓋骨頭リズム
5. 肩関節屈曲:肩甲上腕リズム
5-1. 肩甲上腕リズム:第1フェーズ
5-2. 肩甲上腕リズム:第2フェーズ
5-3. 肩甲上腕リズム:第3フェーズ
6. 肩関節屈曲:胸郭の動き
6-1. 鎖骨の動き:第1フェーズ
6-2. 鎖骨の動き:第2フェーズ
6-3. 鎖骨の動き:第3フェーズ
6-4. 胸郭の動き:第1フェーズ
6-5. 胸郭の動き:第2フェーズ
6-6. 胸郭の動き:第3フェーズ
7. 肩関節外転:3つのフェーズ理解
8. 肩関節外転:臼蓋骨頭リズム
9. 肩関節外転:肩甲上腕リズム
9-1. 肩甲上腕リズム:第1フェーズ
9-2. 肩甲上腕リズム:第2フェーズ
9-3. 肩甲上腕リズム:第3フェーズ
10. 肩関節外転:胸郭の動き
10-1. 鎖骨の動き:第1フェーズ
10-2. 鎖骨の動き:第2フェーズ
10-3. 鎖骨の動き:第3フェーズ
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まずは、肩関節屈曲と外転の両方に共通する内容を、「上肢挙上」ということで説明していきます。
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1. 上肢挙上:肩峰と大結節の関係性
上肢挙上で理解しておきたい内容として、肩峰と大結節の関係性があります。
下記のスライドをご覧ください。
A→Dに進むにしたがって、上肢の挙上角度が上がっています。このA〜Dすべてにおいて、「肩峰と大結節がぶつからない。」ということが重要です。
正常な肩関節では、肩峰の下と大結節はぶつかることも擦れることもありません。いちいち挙げるごとに衝突していては、あっという間に炎症を起こしてしまいますよね。。。そうならないようにデザインされています。
Vol. 1のノートで紹介した肩の安定化機構(静的)が破綻した場合、肩峰と大結節の関係が崩れ、衝突してしまいます。
一般的に、この衝突のことをインピンジメント(Impingement:挟まる、衝突する)と言います。
肩関節では、「インピンジメント症候群」として、投球動作などで頻回する症状です。
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