タイムマシーンで観た10年後のサロン業界の姿。
S2C.Labは、将来のトレンドや業界の課題、デジタル情報社会の進化について議論し、美容業界全体の進化やサロン経営の未来について考えています。
私たちが描く10年後の美容サロンは、以下のようになっていました。
未来を少しお話しできればと思います。
美容サロンの未来
・空間とサービスの提供について
S2C.Lab(エスツーシ・ラボ)で学びや気づきを得たスタッフやオーナーさんは、勉強を通じて多くの美容知識と技術を学び、お客様の悩みに真剣に向き合うだけでなく、さらにはアドバイスや相談にも応じることが出来るようになっています。1対1の特別な空間とサービスを提供し、お客様の人生を豊かにするお手伝いをしていました。
時には、お客様が期待するサービスの論理的な根拠をわかりやすく説明することがあります。また、自宅で学んだことを活かして楽しくホームトリートメントを行いたいと思う気持ちを育て、サービスが単なる手段ではなく、豊かな人生を感じるための学びの場として利用される店舗に成長しました。
お客様と向き合いきれず、求める理想を提供出来ず、再来店に繋がらなかった環境を打開し、何でも打ち明けられる関係性を築く事の出来るサロンへ進化していました。
そのため、お客様のご意見や希望と向き合い、受け入れる柔軟さを得たサロンは地域に密着するようになり、サロンのコンセプトやスタッフの趣味嗜好に合わせた衣食住を提供する地域の店舗や企業とのコミュニケーションを大切にし、お客様がサロンに来ていただくことで、街全体を知ることができます。また、異業種との連携や人との繋がりを重視し、街の活性化に貢献しています。
サロンは、地域のメディアとして活動しています。美容を通じてお客様が求めるサービスや情報を集めるため、積極的に傾聴しています。また、お客様に人の温もりを感じてもらえる「おもてなし」を提供しています。さらに、一部の店舗では地域のサイトや新聞を作成して、地域から愛されるサロンへと進化しています。
お客様と向き合う(傾聴)1on1な空間が生まれている
専門外分野の知識習得学習時間を設けている
店舗近隣との共存関係が確立されており地域メディアの中心になっている
・営業手法について
皆さんは、今日まで何店舗のサロンを利用した事があるでしょうか?今まで1店舗しか利用した事がないという人は少ないのではないでしょうか?今の時代、10代、20代だと約3年で別の店舗に移動するという統計データがあります。
様々な要因もあると考えますが、未来では30代、40代になると定着率は90%に留まり、引っ越しや不測の事態がない限り、一つの店舗で生涯お世話になるケースとなっていました。
その理由としては、無理な勧誘や営業がないこと、またシンプルな空間で癒し力が高いことにもあります。エステや美容室に行くと、売り込みやキャンペーン情報が施術場所やトイレなど、よく目につくところに掲示されて営業を促される場面をよく見かけますが、未来のサロンでは、ポスターはほとんどなく、スタッフが愛用している商品のサンプルが程よく置いているくらいで、物の数も少なく、営業される心配がない、安心できる空間になっています。
しかし、サロンでは、お得な情報やスタッフがお勧めする商品を手軽に購入できる方法を紹介しています。店舗に商品陳列されていないにも関わらず、長年の営業経験から、施術の売上よりも商品の売上が安定しています。また、お客様はサロンのコンテンツを通じて、気に入って利用しているメーカーのお話を直接聞くことや、スタッフのオススメの理由を楽しく知ることができます。さらに、ストレスを感じることなくホームトリートメント商品を手に入れたり、サロン周辺の地域サービスを知ることができる満足度の高いサービスが始まっています。
商品は売るのではなく紹介する
購入方法を伝える事が仕事になる
ストレスのない営業コミュニケーションスキルを習得している
ITリテラシーが高くS2Cシステムが当たり前のように使われている
スタッフ一人ひとりがライバー的存在
システムを活用した地域産業の共存が行われている
・ロイヤル顧客になると施術費無料
未来では、今までのようにお金を払ってサービスを受けるのではなく、無料で受けることができるサービスが行われています。長く通っていると、突然「これからも無料で施術しますので、ずっと通ってください」と言われました。
・その理由とは
サロンの売上は、施術による売上と、時々販売される商品の売上で構成されています。しかし、S2Cシステムを活用し、営業時間外や来店しない顧客からも収益を生み出す新しい収入源が確立されました。それにより、ロイヤル顧客向けの割引クーポンやポイント還元率を上げるなど、従来のサービスの枠を超えたプロモーション的なサービスが提供されるようになりました。
S2Cシステムを最大限に利用
スタッフの愛用商品が動画を通じて配信されるようになる
※メーカーが直接、エンドユーザーへ分かり易い商品紹介動画をご用意頂く事が当たり前の世の中になる。収益源が確保され、経済的な不安から解消され、技術や知識習得に時間を割く事が出来るようになった。
・美容従事者の社会性と収入
お客様との関係は、学校で例えると先生と生徒の関係です。ただ悩みを解決するだけでなく、お肌や体のことやライフスタイルのアドバイスも提供しています。お客様はそれを宿題として取り組んでいる関係です。言い方を変えると、エセ美容家はいなくなり、新規参入が難しくなっています。美容従事者の社会的地位も上がっています。
S2Cシステムを使うことで、失客に加えて物販売上も減らすことがなくなります。また、得た知識や情報をWEB上で配信することで、店舗外の収入も増えます。これにより、経済的な不安も解消され、より若く健康でいられることに興味と関心が高まっています。また、若い世代にとって、なりたい職業の上位に位置しています。
美容と健康の幅広い知識と技術を提供出来ている
学ぶ時間を持ち、お客様への提供サービスが増えている
お客様やその売上が積み上がり易い状況となり収入が増えている
組織店舗であれば、退職金や社会保障等の福利厚生が充実している
・未来に存在していた新美容業態の誕生
最近は、美容の知識を学びながら自分で施術を行うことができる「セルフエステ」というサービスが増えています。これはサロンに通うよりも費用を抑えることができるため、需要があります。しかし将来では、サロンに通うことで費用を抑えることができるような「自分自身が自分の肌を守る」という考え方を持つ、美容に関心を持ち、学ぶ意欲の高い人のために、美容を学ぶアカデミーサービスが充実しています。
今の時代に存在していない新業態の為、オンラインサロンと間違われるかも知れませんが、店舗を構えるケースも存在し、美容アドバイザー講師が、お客様に美容の知識や、日々のトリートメント方法を伝授したり、化粧品の選び方を伝えたりもされています。
現代に存在しない新しい形態のため、オンラインサロンと勘違いされるかもしれませんが、実際に店舗を持つ場合もあります。この場合、美容アドバイザー講師がお客様に美容の知識や日常のケア方法を教えたり、化粧品の選び方をアドバイスしたりしています。
以前「過去に成功したことが成長や進化を妨げている」というテーマで、最近はエステや美容クリニックに通う人の中に、信用していない人がいる背景を紹介しましたが、このことが時代の変化と共に積み重なってきたもので、美容関係の仕事に就く人以上に高学識を求めるお客さんが増えてきて、未来では需要が増えていたと考えられます。
その為、美容従事者は、今よりももっと勉学に励む時間が必要とされます。そして、その時間確保を支援するカタチで、施術商材やホームトリートメント用に商品を供給するメーカー各社は、WEB上でより詳しい説明や商品を紹介する動画配信が当たり前になっています。
特に、動画配信における大きな変化は、これまでお客様に難しい成分やメカニズムについて触れず、即購買に繋がるプロモーション的動画しか用意していなかった時代から、より専門性の高い説明動画の提供を必要に求められるようになっていました。
「自分の肌は自分で守る」というお客様への需要に応える事、現場で勉学とお客様への施術対応に時間を費やす美容従事者に代わって、販売や説明を補う役割が必要となっているのです。
お客様の美容への貪欲さは美容従事者を上回っている事を認識している
勉学に励まない美容サロンは淘汰される
メーカーが販売や説明支援がなければ自分達で用意する
まとめ
今からの美容業界は、今までの成功事例は通用しない。然しながら、美容業界に従事する者も、一歩業界の外に出ると、ありとあらゆる場面では一消費者としてお金を払う側になります。消費者体験を通じて、満足に思う事、不満に思う事、それらが非常に本業本職の成長に大きなヒントを与えるに違いありません。
自分達の成功パターンやセオリーは、所詮過去に存在した遺産であり、今や未来に役立つものではなく、懐かしむような思い出に過ぎません。
いち早く過去の成功体験に縛られる事なく、失敗を恐れず、挑戦する事が大切なのです。そして、何より考えに考え、諦める事無く実行する事が、最も重要になります。
S2C.Lab(エスツーシ・ラボ)
主宰 高山大樹