直感と論理のはざまのメシ作り
育休中、だいたい週6以上でメシを作る。
特にパスタは好きだ。
食感や舌触り、味、その時系列的な変化などを考慮しながら、食べてるときに感じる気持ちを設計し、そこに向かって仕上げてくのがとても楽しい。
満足感を得たい、さらっと食べたい、元気を出したい、ほっとしたい、目を覚ましたい、リラックスしたい…。
子育てを頑張ってる妻が、ご飯を食べることでどんな気持ちになりたいかを考えながら、その気持ちを叶えるために、仕上げまで持っていく。
もちろん材料(レシピ)で表現しやすい味は変わる。しかし、使う材料が仕上がった料理の中でどのような役割を持ち、どんな気持ちをもたらすのか、ということの方が、僕は食べたときの気持ちの変化につながると思う。
例えば、シンプルなペペロンチーノ1つ取っても、どんな仕上げ方にするかに向けて、無数の変数がある。
にんにくをどのようにカットするか
唐辛子は種をとるか取らないか
にんにくと唐辛子をどの程度入れるか
イタパセは茎を使うか、葉を使うか、使わないか
パスタを茹でるお湯の塩分濃度はどの程度にするか
ミネラル分のある塩を使うか、精製塩を使うか、あるいはそのバランスはどうするか
パスタはどんな太さでどんな香り・味・仕上げのものを使うか
にんにくと唐辛子はどんな香りや味の出し方にするか
油の量はどの程度にするか
ソースの質感や量はどの程度にするか
茹で汁をどの程度足すか
パスタはどの硬さで上げるか
ソースをどの程度パスタに含ませるか
ソースを麺の表面にどの程度絡ませるか
どの程度ソースを乳化させるか
パスタはどの硬さで盛り付けるか
1口目の温度はどの程度にするか
食べ進めた時の温度はどうするか
列挙してみたけど、これも考えてることの一部な気がする。
全ての問いになぜ、を持ちながら。
仕上げた料理が、確かに気持ちを動かすものになってほしいと思いながら。
だから料理はやめられない。
もっとも頭を使い、もっとも感性に寄り添う営みだと思っている。
味覚だけではなく五感全て、そして五感だけでなく心まで動かす。
子どもの成長を見守ると同時に、時間があるからこその楽しみを味わっている。