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野菜の残留農薬を落とす「ホタテパウダー」の効果は、水洗いと同じです。
野菜についている農薬を落とす「ホタテパウダー」って、見たことありませんか?
ネット通販大手のアマゾンで検索すると、約300種類の商品が見つかった。
いろんな会社から出ているみたいですね~。この粉をとかした水に野菜を入れると
油膜のようなモノが浮かぶ
水が黄~緑色になる
オリのようなものが沈む
ということで「農薬が落ちている!」と思うそうなんですけど……
農薬が薬と反応すると、かならず「油膜のようなモノ」になるわけではありません。そして「水に色が付く」ぐらい大量に農薬を使うことはないでしょうね~😅
万が一「農薬濃度に応じて着色」するのであれば、分光光度計があれば残留農薬試験ができるってこと?複雑な「前処理」「危険な薬品」「高額な装置」は一切不要では?
……という訳で「こりゃ信用できんな」と思っていたら、日本農業新聞がガチで試験をしてくれました😆
ココでまとめてご紹介しますね~
[農家の特報班]農薬を除去?「ホタテパウダー」怪しい効果(動画あり)
日本農業新聞の記事がコチラ
実験の条件などは、記事に詳しく書いてあります。文章で書かれてもイメージがわかない方は「動画」でどうぞ。
ザックリ説明すると、
普通に農薬を使って育てた(慣行栽培)トマト
有機栽培トマト(もちろん農薬不使用)
トマトを入れない水
を用意して、それぞれに「ホタテパウダー」を入れて、様子を観察したんです。すると……
慣行・有機ともに、1分ほどで容器の底の方から水溶液が薄い黄色に染まり始めた。記者の目には、色は有機の方が濃いように見える。
さらに数分たつと、水面に油膜のようなものが浮かんできた。これが残留農薬なら、膜は慣行の方にだけできるはずだ。しかし、有機の方にも同じように膜ができていた。
10分後にトマトを取り出すと、容器の底に「おり」のようなものがたまっていた。この現象もやはり、慣行・有機に共通していた。
つまり「トマトによる差がない」んですね~😅さらに「トマトを入れずに10分間放置した水溶液にも「おり」が見られた(上記記事より)」とのこと。
「ホタテパウダーの謳い文句、本当かなぁ……」って思いませんか?
ホタテパウダーを溶かした水と水道水でそれぞれ洗い、分析した
「農薬の落ち方」を調べるために、日本農業新聞では「市販の慣行栽培トマト」に濃度を調整した「農薬溶液」を吹きかけ、ホタテパウダーを溶かした水と水道水でそれぞれ洗い、分析しています。
その実験詳細と結果がコチラ
ホタテパウダーの農薬除去効果は「水道水と同じ」ということが分かりました。
上の記事にも書いてありますが、実は「市販の農作物で残留基準値を超える農薬が検出されることはほぼない」というのが実態なんです。
洗浄水から農薬が出なかっただけ
今回の実験で調べたトマト。たまたまネオニコチノイド系農薬が検出されませんでした。
この農薬は可食部に残るので、栽培中の使い方次第では、可食部から検出される可能性があります。
あと、グリホサートみたいに「収穫時・後に散布する農薬」は話が別ですよ。
この手の「素朴な疑問」は……
こんな感じで「これって本当?」と思う事、たくさんありますよね。日本農業新聞では、そんな「素朴な疑問」を本気で調査してくれます。
「なぜだろう」「困った」「これ、おかしくない?」。日々の営農や暮らしの中で、そう感じることはありませんか。「農家の特報班」のLINEアカウントを友だち登録し、調べてほしいことをメッセージでお寄せください。記者が取材し、記事を掲載します。
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