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幾多のものと唯一のものと。

今年になってかんざしを差している夢を見て、数年前の帰国時に買い求めた簪たちを想いました。
それでまた髪を伸ばそう!と、コツコツ伸ばして来たのですが、帰国してみてあまりの暑さに思い切ってバッサリ!
簪は...もしやもう使う機会は無いのかも知れません。切るのは一瞬ですが伸ばすのは根気と時間が必要です。
この歳でまた長い髪が似合うかどうかも怪しいです。けれど先のことなど考えるのは取り越し苦労というもの...今はショートカットを堪能することにしませう。

驚くほどショート専門の美容院ができていた。
街角でショートが似合う若い娘さんが素敵で、誘惑に抗えず。昔からショート女性に憧れていたが「ゴースト」のデミが最強だと思う。

日本の夏...汗かきのため始終汗を拭いていて、汗腺が壊れるくらいでしたが、特に火の前!
よく父が「料理人は早死にが多い」と言っていたのを産後の義妹の家で揚げ物をしながら思い出しました。
鯵の南蛮漬け、実は作ったことがなかったので挑戦したくなりました。暑い夏にサッパリとした酢の味と冷えた中に感じる旨味と...ずっと上級者向けの料理と思ってみましたが、作ってみたら案外簡単、無事に出来上がりました。
鯵はもう捌かれてあったのですが、お魚を捌ける様になりたいなぁと想いながらこの歳まで実現できておりません。
自分で捌けたら魚料理がグッと愉しくなりそうですが...。

鯵の南蛮漬けときんぴらとお味噌汁
こちらは最終日に作った、リクエストの鶏南蛮と茄子の胡麻和え、春雨のうま煮
🇩🇪ではIHで火の扱いに慣れておらず
小鍋の持ち手を焦がしました💦
得意のボロネーゼソース(隠し味は鰯缶)
写真を撮り忘れたましたがカレーもリクエストで作りました(隠し味は牛肉をビールでよく煮るのとトマトソースetc...)
カレーの時の大失敗💦胡椒ぶちまけ事件
焦って完成写真も撮り忘れ...
肉じゃがと高野豆腐と茄子の胡麻和え、なめこのお味噌汁

日本で15歳を迎えた娘は大の漫画好き。
漫画が安くいっぱい売ってる所へ連れてって!とリクエストされました。
苦労して自力で辿り着いたブックオフに漫画がほとんど無かったそうで、調べると確かにそういう傾向にあるそうです。
ネットの質問サイトでやっぱり同じことを尋ねている人がいて、すごく親切な方が「まんだらけは如何でしょうか?」と回答されてました。
ありがとう、回答者さん!速攻2人で行って来ました。

思わず込み上げる笑み
昭和の香りが満ちるスペースにノスタルジー✨
まんだらけを一人で再訪しナルト全巻大人買いした娘(72冊)。一番大きな袋を二重にして貰って色々会計時がめちゃ恥ずかしかった〜と、その後抱えて帰えり翌日腕の筋肉痛に悩まされていました😅

まんだらけ道中、思いがけない出逢いも。

ドイツは生体販売が無いので、ペットショップが有ると思わず入ってしまうのですが、そこに昔探していた私的 “幻の仔猫” が!
キャリコのそれも珍しいダイリュートキャリコの仔猫です。キャリコとは三毛、ダイリュートはパステル調のことで淡い毛色の三毛猫です。
5年前、三毛猫に惹かれてドイツで随分探したのですが見つかりませんでした。
こんな所で会えるとは...嗚呼しかしここは日本、遠いドイツへ連れ帰ることは不可能です。
彼女は(三毛猫はほとんどがメスです、サビ猫も)耳も片方ずつ色が違うという私の理想の毛色をしていました。
ワクチンを済ませるまで数ヶ月私だけ残って..
そんな考えが浮かんだり浮かばなかったり。。

にゃんて可愛いお顔かしら💕
去り難し...
ヴィンランド・サガの22巻がない!という娘のため最終日独り本屋を巡りました。
(足が棒)
こんな漫画だらけなのに
お目当ての漫画は有りません...

“東京”をイメージして真っ先に想い浮かぶ代表スポットの一つが渋谷のスクランブル交差点かも知れません。
1997年から6年間、都内で働いていましたが近くの繁華街で関係者に会いたくなくて、わざわざ遠い渋谷まで遊びに来ていました。
東京のスクランブル交差点でアフリカ人(大陸なんでこの言い方は漠然とし過ぎていますが...多分ケニア人)が、青信号で一斉に同方向に早足で来る日本人を見て、何かからエバキュエイト避難してる!
と思い、踵を返して自分も逃げ出そうとした...という笑い話を思い出します。

あの頃よりもずっとカメラを片手にした外国人を多く見ますが、今はその気持ちがよく分かります。東京って大都会だなぁと思う瞬間です。
そんな人工物だらけの都会で、毎年どんどん風景が変わっていくそんな目まぐるしい世界、それと同じくらい、いえ、もっと心打つものは目を凝らさないと見えないものでもあります。

こんなにも複雑で緻密な図形をこの小さな生き物は、はかりも持たずどうやって作るのだろう...
いや、道具なしでは何も作れないのが我々なのだろうか。
近寄ってみてもジッと動かず
あまり大きくなくまだ若い蜘蛛さん。
緑と黄色の色合いがなんとも美しい
こんなにも美しいものに気づかず遠くばっかり見てるんだろうな...普段。
朽ちかけた野仏さま達
時の流れに晒されてそれでも、
だからか静謐な空間
整然とした中に“意思”を感じる
日本のアイスカフェオレは美味しい。
ガムシロップはドイツに無いのです、だから甘いのが飲みたければジャリジャリするお砂糖を入れないとで、当然入れても溶けはしません...

霊山への弾丸登山が問題視されているとよくニュースで目にしました。
娘は2年前の夏に富士登山キャンプに参加し、本七合目まで行けました。残念ながらそこからは悪天候で引き返したのですが、一生の思い出になった様です。
「ワタシは登ったことあるんやでぇ〜」と自慢して来ます。
いつか登ってみたいと思うのは富士山とキリマンジャロです。

河口湖からの朝の富士山
1時間半後には再びお隠れになりました。
ほんのちょっとが...
あっという間にモクモクと...

元箱根から遊覧船に乗って箱根駒ヶ岳ロープウェイで山頂に行きました。
箱根神社の元宮が山頂にあって、お参りしてまたロープウェイで下ろうとしたら雷が通過するからと、乗り込んだロープウェイから降ろされました。
待つこと1時間半ちょっと。雨は降っていないのに強い風と頭上では雷様がずっとゴロゴロ鳴っていました。
去年の9月には🇩🇪の自宅に雷が落ちましたし、よく雷に遭います。辰女だからなぁと龍が会いに来てくれたのだと思っています。
そういえば自宅からそう遠くない山に伝説のジークフリートの龍を退治したと言われる城跡があります。

上りは景色も見えていました
霧のなかの箱根元宮
足元の可憐な下野草(シモツケソウ)
花言葉は、たおやかな風景
整然とした愛・努力・余裕・遊び
1時間半後、皆で無事下山

涼しいドイツ夏から猛暑酷暑の日本は辛いものがあり、毎年腰が引ける思いもありますが、日本の夏はドイツにはないものがいっぱい。
その代表がお祭りでしょうか...。
お囃子や盆踊りの音を聴くと子供の頃の懐かしい祖父母の顔が浮かびます。

花火や屋台の食べ物、浴衣...。
子供達は今のところあまりお祭りに興味はなく、母の方が騒いでいる感じでしたが、いつか彼等が大人になって懐かしく想い出す日もあるのかなぁと思えば感慨深い。記憶や文化というのはその様に伝えられるものなのかも知れません。

3人の中で唯一次男だけはこういう感じで自然に手を合わせます。日本に暮らしていたら当たり前の様に行う所作も、異国育ちの子にとっては少し抵抗があるのです。
影も一緒に踊っていた


日本語補習校の夏休みの宿題は容赦がありません。🇩🇪は長期休暇に宿題は無いのですが。。

小5の次男の国語の宿題の一つに「本を読んで紹介する」というのがありました。
本屋さんで彼が読めそうな本を探しました。
なにせ一番日本語が苦手な次男は本を全く読みません。
長い児童書は無理だし、面白いものはないか...と探して結局は、封をされて中が見れないこの本にしました。散々探して疲れていたというのもありましたし、何となく勘でこれが良い気がしました。

どんな本と“そのとき”出遭えるかは、人との出逢い巡り合わせと同じなのだと感じます。
この本に出逢えて本当に良かった、と読んでみて泣きそうになって思いました。

「キャッチコピーとは?」「あらすじとは?」
言葉を知らない子に改めて説明するのは難しいです。日本語教育をしていると自分が当たり前に使っていた言葉を見直すことが度々あります。そんな風にしているうちに言葉に敏感になり、noteでも書く様になりました。
最後にどうしても食べたくなった鰻重
もうすぐ日本語補習校の運動会があります。
パン食い競争で使用する駄菓子を買うのもミッションのうちの一つでした。以前は日本のパン屋さんで1€で買えたメロンパンなども物価高騰で倍の値段になり財政難の補習校では買えなくなりました...代替え案として帰国者数名で手分けして駄菓子を買って帰ることに。
潰さずに持って帰るのが大変でした。
こちらも苦労して持ち帰った炊飯器✨
15年くらい使い壊れた先代の象印もとても優秀でしたが、最新の炊飯器の進歩は凄い!
変圧器を使っていますが、巨大なやつでメイドイン🇨🇳
「発火する恐れがあるから炊いたらすぐ消す」という教えを守っているので保温機能は使えません...。


「日本がいいなぁ、レストランで水はタダだし、ご飯おいしいし...」

そう子供が言うのを横目に、長年ドイツに帰ってくるのが嫌でしんどかった事を思い出します。
帰国して2週間くらいピークに辛いものがありました。
東京に着いて1週間くらいの時に“何処に居ても自分だな”と感じたことが、今夏の実感です。
唯一、猫達に会えないことが辛かった。
彼らが穏やかで此処にいてくれること、自分の現実を愛せることに感謝しています。

もう一匹はお散歩中🐈


長い記事に最後までお付き合いくださり有難うございました!
まだまだ残暑が厳しいと思いますが、どうぞご自愛ください🍀




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