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みきとも
2022年2月6日 09:30
彼は俯いて商店街を通り抜ける。朝はいつもギリギリに家を出るし、起き抜けで頭が働いていない。でも一番は、まだ始まらないシャッターが降りた商店街があまり好きじゃないから。なんだか勝手に人の家の軒先を歩いているような気がしてしまう。帰り道でちゃんと顔を上げて歩けばいい。けれども、知らないままそれが癖になってしまい自分が下を向いて歩いていることにも気がついていなかった。商店街を突き抜け