「対話のキホン」を学べる場所。
地元の行政区では、「生涯学習入門」という企画があることを、図書館のチラシで知った。
その中で、今回、「対話のキホン」という講座があったので、妻と相談して、一緒に申し込むことにした。
普段、聞くことは多くなっているのだけど、自分が話すことがうまくいかない、という意識もあったからだった。定員20名、を見て、微妙に焦って申し込みをした。
返信
しばらくして、「受講決定通知」というメールが来た。区役所が委託(?)している企業らしく、知らない会社名からだったから、最初は迷惑メールかと思ってしまった。
ただ、それから講座当日まで3週間くらいある。
かなり遠くに感じていた。
古い建物
それでも、当日はやってきた。
コロナ禍で、本当に外出が減っていたので、妻と一緒に出かけるのも久しぶりだけど、この2年間は、出かけるたびに、そんなことばかりを思っている。
電車に乗る。
降りて、少し歩く。
この古い鉄筋コンクリートの建物は、昔、資格を取るための授業でも来たし、何年か前の「区民大学」という講座でも来たことがあった。
古い記憶は20年以上前のものだから、この建物はずっと(補修などはしているだろうけど)変わらずに、ここにあると思うと、その建物の内部の変わらなさも含めて、時間の流れのようなことを、ちょっとだけ感じる。
受付
2階に上がって、部屋に入ろうとしたら、名前を言われた。
どうしてわかるのだろう、と思ったが、夫婦で申し込んでいる人間は、おそらくは一組だけだったからだ、とわかる。
最初に受付の人に、グループに分かれて、対話をするのですが、ご夫婦一緒でいいですか、と聞かれたのだけど、それで大丈夫ですと返事をしたのは、やっぱり久しぶりのこうした企画への参加で、心細いせいもあったのかもしれない。
まだ時間があったので、ここに来るまで気温の高さや、ここ何日かの気温の上下を怖れ、念のために上着を着て出かけてしまったせいもあって、汗をかいたので、講座の前にTシャツを着替えようと思った。
トイレの個室に入ったら、その壁にいわゆる「便所の落書き」があった。手書きで、下ネタを書いていて、それは、とてもなつかしい感じまでした。
それから、買ったばかりのTシャツに着替えたのは、話題に困ったときにきっかけになるかも、と思ったりもしたからだった。
「対話」のキホン
午後2時から、予定通りに始まる。
「対話」とはどういうものか?という話から始まる。講師の方の口調も落ち着いていて、質問にも丁寧に答えてくれた。
3人1組での、ウオーミングアップや「問いかける練習①」。さらに6人1組での「問いかける練習②」にも進み、グループは妻と一緒だったけれど、それでも、初対面の方と話す経験は久しぶりで、新鮮だった。
妻も、同じような印象だったようだ。
2時間は、比較的早くすぎ、そして「対話」は、最初は「聞くこと」から始まるのも確認できて、これからにも生かせるような気がした。
こうした機会を区民だから無料で参加できるのはありがたいし、この2時間をなるべく有意義に、という気遣いをしてもらった講師にも有難い気持ちになった。
何かもう少し具体的に言おうと思ったのだけど、帰り際に「ありがとうございました」と声をかけることしかできなかった。
生涯学習
今は、コロナ禍のために休止しているが、哲学カフェを見つけたのも図書館だった。
今回の講座のように、実際に色々な人と会って、会話や対話をしながら学んでいくことには、独特の楽しさがある。
本当にいつも「意外さ」に出会えるからだと思う。
自分としては「生涯学習」という言葉はあまり意識したことがなく、中年から本を読み始めたので、現代の人類の「必要最低限の読書量」にまだ達していない気もするので、ずっと読み続けるはずだけど、それだけでなく、人に会うことも、コロナ禍の、こんな状況であっても、なんとか続けていきたいと改めて思えた日だった。
(この本↓は、今回の講師の方の著書ではないのですが、現代の社会状況と「対話」のあり方を考えるには適していると思います)。
(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。