「裸電球、さようなら」に、ならなかった。
少し前、裸電球のコードが燃えて切れたことがあった。
夜中の出来事なので、やっぱり怖かったけれど、その翌日に、近所の電気屋さんに電話をしたら、素早く工事をしてくれた。
そのときに、同じ1階の別の部屋で、裸電球がぶら下がっている場所があるので、できたら、もう少し安全な照明にしてほしいのですが、といったお願いをしていて、同時に、いろいろな工事などで忙しそうだったから、それほど急がないので、何ヶ月か先の来年でも大丈夫です、といったことも伝えていた。
それでも、1ヶ月くらい経ったあとに、電気屋さんから電話があり、照明をつけてくれることになった。
思ったよりも、安い値段になることも知った。
ありがたかった。
工事
約束の時刻ぴったりにチャイムが鳴って、電気屋さんが現れた。
おそらくここ20年ほど、家の家電のほとんどを購入してきたのは、その後の修理や調整もしてくれていたからで、義母が存命中は、耳も聞こえないので、これまで通りにリモコンを使っても、テレビに字幕が映るように調整してくれたりしたことは、とてもありがたかったし、この前は、古くなったエアコンも買い替えた。
今日は、天井からぶら下がっている裸電球式の照明を、このまま電線が布で覆われている状態だと、この前のように何かのおりにショートを起こして、燃えたりしたら怖いので、もう少し安全な方式にしてほしい、とお願いしていた。
もしかしたらブレーカーを落とすかもしれません。その時は声をかけます。
工事を始める前、そう言ってくれたので、そのままお任せをして、時々、見にいく程度で時間が過ぎたら、30分ほどで「終わりました」と声をかけてくれた。
今まで、布で巻かれたコードでぶら下がっていた裸電球は、天井に新たに備えつけられたソケットに設置され、そこから鉄線が伸び、一度、天井で中継地点を作るように、下へ向けて直角にその線が下がっている。
つまり、その線がスイッチで、引っ張ると、天井にある裸電球が灯って、明るくなる。
裸電球
実は、工事前は、この裸電球ではなく、何かしらのカバーのかかった照明器具のようなものが天井に備え付けられて、だから、古い木造家屋にはフィットしていたのだけど、この裸電球の方式は終わりだと思っていた。
だけど、裸電球は、場所が高くなったけれど、そこで光っていた。
考えたら、工事費用を聞いたときに、かなり安く、それは、うちは貧乏なため、さまざまな修理や工事を頼むときに、できたら安くできませんか? と、お願いすることが多く、そういえば、この照明を頼むときにも、そんな話をしていたことを、自分自身が忘れていた。
だから、裸電球はそのままで、そこから天井と平行に線が引かれ、途中で方向が変えられる場所があり、その線を垂直に引っ張ると電球が灯る。
新しく設置してもらったのだけど、昔からあるシンプルな方式が今もあったことに、ちょっと驚いたのだけど、すごく基本的で全くムダがない事に改めて気がつく。
そういえば、提示された金額で、電球にカバーをかけるような形の照明を新たに設置するのは、どう考えても無理で、そんな自分のあさましさは、微妙に恥ずかしくなった。
ただ、あまり照明を使わないとはいえ、この部屋が明るくなることは、妻も喜んでくれた。
この木造家屋には、あと一か所、今は物置のようになっている3畳の部屋に、布で覆われたコードの先に、今は何年も使っていない裸電球がぶら下がっている。
これまでは気にならなかったけど、今はちょっと怖くなったので、そのうち何とかしたいと思うようになった。
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