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テレビについて⑬芦田愛菜の“シェー”と、「シン・ウルトラマン」の共通点。

 今でも、普通にテレビを見て、CMも見ている。録画した番組は、CMをとばす機能も使っていて、たまに、うまくできずに番組までとんだりすることもある。

 時々、テレビに、この機能をつけたことは画期的だと思いながらも、実は、「テレビ自体のCM」は、とばないように設定されていて、その誤作動で、うまく機能しない時があるのではないか、と根拠なく疑うこともある。

 その機能によって、以前と比べるとテレビCMそのものを見る機会が減ったと思えるのだけど、それでも、よく見かける一人に芦田愛菜がいる。

 子役の時から、そんなに意識しなくても見続けていることになるから、その成長まで気がついたら見届けている部分もあり、失礼ながら、子役の時にはほぼ関心がなかったが、ここ数年、成長期の自分とうまく折り合いをつけたと感じた頃から、人には経験できないことを通して、とても大人でもあるし、頭もいいのが伝わってくるので、その発言などが気になるようになった。

 そんな偉そうな言い方ができないほど、例えば、こうした言葉↓は、すごいと思う。

芦田愛菜の「シェー」

 最近、目に入るCMの一つに携帯電話で、出演者たちが「シェー」をしている姿がある。当初は、芦田愛菜がセンター的な役割だったのが、その後は、片岡愛之助がワイヤーアクションで登場していて、その派手さに注目が集まっているらしい。

 この「シェー」というのは、赤塚不二夫が生み出したキャラクター「イヤミ」が、驚いた時などに両手両足を使って、とっさにするポーズで、ある年代以上(自分も含む)の人にとっては、写真を撮られるときに、子供時代に、一度は試みた形だと思う。

 それだけ、長い間、親しまれているポピュラーなポーズで、このCMをきっかけとして、再び真似する子供が出てくるかもしれない、などと思ったりもしているのだけど、このCMの「シェー」で、ずっと気になっていたのが、芦田愛菜の姿だった。

 何人かが「シェー」をしているのだけど、芦田愛菜のポーズが際立って、あげた右腕が伸びていて、それは美しくも見えるのだけど、それが過剰なほど真っ直ぐに感じた。

 その動きに違和感があったのは、自分の記憶の中で、自分がしていた「シェー」と違う、といったような印象だったからだけど、今は検索ができるので、元ネタを探すこともできる。

「シェー」の原型

 自分の記憶の方が違っていたことに、何十年ぶりかで気づかされた。

 「シェー」の時の、イヤミのあげた腕は、とてもまっすぐだった。それは、驚いた時なのだから、硬直するような表現で、ピーンという擬音が似合うような動きでもあるべきなのを、改めて知り、そして、赤塚不二夫自身の「シェー」は、芦田愛菜の「シェー」に近かった。

 芦田愛菜の「シェー」は、その腕の上げ方、手首の曲げ方、手足のポーズも含めて、自分の工夫ではなく、あくまでもオリジナルに忠実に演じようとしているのではないか、と思った。

 その上で、現代の体の動きやキレを持って再現していることで、「新しさ」が生まれているのではないだろうか。(個人の感想です)。

シン・ウルトラマン

 昔から存在するキャラクターなどがあって、それを現代に再び表現するときに、新しくしようとして、何かを付け足したり、変更するのではなく、芦田愛菜のように、あくまでもオリジナルを忠実に再現しようとすることで、そこに意図を超えた「新しさ」が生まれる。

 まだ作品は完成していないのだけど、同じような方法論をとろうとしているのが、「シン・ウルトラマン」だったことを思い出した。

 このサイトの中で、庵野秀明氏のコメントがある。

 我々が『ウルトラマン』というエポックな作品を今一度現代で描く際に、ウルトラマン自身の姿をどう描くのか。
 その問題の答えは、自ずと決まっていました。
 それは成田亨氏の目指した本来の姿を描く。現代のCGでしか描けない、成田氏が望んでいたテイストの再現を目指す事です。

 オリジナルに忠実であろうとすることで、初めて「新しさ」が宿る。


 大げさかもしれず、安直な比較みたいなものは、芦田愛菜氏と庵野秀明氏の双方に失礼かも、と思いながらも、現代での表現を考え抜こうとすると、同じような課題に気がつくのかもしれないと、思った。





(他にもいろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでいただければ、うれしいです)。


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おちまこと
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