「テレビについて」㊼「Mr.マリックに語って欲しいこと」
フジテレビでは、金曜日の夜10時、ダウンタウンの番組が始まり、さまざまにスタイルを変えながら、今は、松本人志だけが司会をするようになっている。
アルコール
正確には、午後9時58分に番組が始まっていて、この中途半端な時刻には、さまざまなマーケティング的な理由があるのかもしれないが、出演者が、アルコールを飲みながら、話をする。
それは、コロナ禍によって、飲食店でのアルコールを摂取する機会が激減した背景で登場したスタイルで、今だから許容されているのだと思うし、自分が集まって飲めないのだけど、テレビ画面とはいえ、こうした酒席が映されていることが、もしかしたら、少しでもストレスが軽減されている、という面はあるのだろうか。
ところで、飲酒によって、本音が出る、といったことは、昔から語られていて、だけど、それは、ある種の幻想でもあるのではないか、とも思うのだけど、この番組も、そのことで、より面白くなるかもしれない、といったイメージに支えられている部分もあるはずだ。
Mr.マリック
この番組には、さまざまなゲストが出演して、時々、その組み合わせによって、意外な展開になることもあるが、Mr.マリックが登場した時にも、そうした作用があったように見えた。
Mr.マリックが話し始めたのは「マジックの歴史」といってもいい内容だった。
淡々と色々な話題に触れていたが、たとえば、種明かしのこと。
昔は、それはタブーだった。だけど、一時期は、そのことが流行っていたし、そして、今も動画では、種明かしが当たり前になっている。ただ、今までは、マジックの種明かしが流行っていると、そのあとに、ブームになる。
それは、みんなが結果としてマジックのことを話題にして、興味を持ってくれるからだと思う。
そのMr.マリックの話に関して、松本人志が、笑いもそういうところがある。よく、笑いについて、何か論じるのは野暮みたいな言い方もあるけれど、それがあってこそ、より人気が出るのではないか、と呼応したのも興味深く、それについては、さらに考えるべきことも多そうだけど、それよりも、今回は、Mr.マリックの話が、とても重要だと思えた。
たとえば、テレビにマジシャンが出るようになって、マジックの技法が変わったこと。
以前は、見る角度によっては、タネが見えてしまうけれど、それは、一種の常識でもあったのが、テレビに出ることによって、360度、どこから見られても、タネがわからないようなマジックになっていったこと。
デビッド・パッカーフィールドという、本人が劇場で空を飛ぶといった大がかりがマジシャンがいるのだけど、そのマジックに関して、デビッドは特許をとった。だけど、特許を取ることによって内容が公開に義務になるので、その後に、他のマジシャンにパクられた、といった話……。
それらは、一時期は、マジックか、超能力か、といった演出も含めて、かなりハードな世界を生き抜いてきた人だから知っていること、見えること、そして初めて語れる感触があったのだけど、今回は、ごく一部に過ぎず、まだ膨大な話題があるように感じた。
マジックの歴史
この何十年で、誰もが知っているというレベルで有名になったことがあるマジシャンといえば、Mr.マリックだと思う。
しかも、最初のテレビでの登場では、「マジックです」と断言をせず、「ハンドパワー」といった単語を連発し、「超能力」とも言わないけれど「超魔術」という名前がつけられ、1980年代後半では、「あれは、本当に超能力ではないか」と真顔で語る視聴者も存在したくらいだったから、マジシャンとシンプルに呼べるようになったのは、ごく最近という、複雑な背景を持った人でもあるはずだ。
繰り返しになるけれど、そういう人だからこそ語れるマジックに関すること。ただ、技術的なことだけではなくて、それが、どのように社会に受けいれられていったのか。また、その評価の変化なども含めて、もちろん、Mr.マリック、という個人の視点から、といった限界はあるにしても、これだけ知っている/見ている人はいないので、できたら、まとめて、その歴史を語って欲しいし、それを聞きたいと思った。
以前は、Mr.マリックが、マジックをタネ明かしも含めて紹介する番組があって、それも、「超魔術」の頃を知っている視聴者としては、衝撃だったのだけど、次は、「マジックの歴史」を放送して欲しい。
そう思っている視聴者は、思ったよりも多いような気がする。
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