季節の境目。
2022年の梅雨明けは早く、夏は暑く長かった。
気温が35度を超えることが多く、東京では新記録だったらしい。
いつまで暑いんだろうと思っていたけれど、それでも少し涼しくなってきた。地球が回っている限り、季節は変わっていくけれど、どうやら9月に入ったあたりの今が、夏が強めであるけれど、秋が確実に混じってきて、境目になっているのかもしれない。
秋の虫
いつも少し不思議なのだけど、8月の中旬を過ぎるある日を境にして、秋の虫が鳴き始める。個人的な感覚に過ぎないのかもしれないけれど、その前の日までは、その気配もないのに、急にある夜に秋の虫の声が聞こえ始め、それからはずっと続く。
そして、夜だけだったのが、昼間の草むらでも聞こえ始めると、秋が強くなり始めるような気がするけれど、それでも、気温はまだ高い。
ひまわり
夏の花のイメージ、1位は、たぶん「ひまわり」だと思う。
そして、あの黄色い花が、太陽を追いかけて、動いているような印象もある。
道を歩いて、ひまわりが咲いていると、「あ、ひまわりだ」と思い、少しでも上の方を向いていると、それほど確認もせずに、太陽を向いていると思い込んでいたのだろう。それでも、このことを知識としては知ったとしても、来年には、また「ひまわりは太陽を追いかける」と思っていそうな気がする。
だから、まだ日差しが強く、夏の太陽に近い時に、ひまわりがうなだれるように下を向いていると、夏の終わりを感じる。
それは、そのひまわりが次の段階を迎えているだけのはずなのに、ひまわりが太陽を追わなくなったから、もう夏も本当に終わってしまう、などと勝手なことを思っている。
イチョウ
最近は、紅葉の時期が遅くなり、木々の葉っぱが、目を奪うほど赤くなったり、黄色くなるのは、年によっては12月になることもある。
だから、イチョウも、かなり秋が深まってから黄色くなるのでは、と勝手に思っていたけれど、9月に入ったばかりの並木では、一部だけど、もう黄色くなりかかっているように見えた。
もしかすると、イチョウは早めに黄色くなる木と、ゆっくり黄色くなる葉っぱが違うのだろうか。それとも、黄色くなり始めてから、何ヶ月もかけて色を変えていくのだろうか。
だから、まだ夏が残っている頃から黄色が混じり始めているのかもしれない。
セミの声
今年は、暑くなる方が早くて、セミの声が聞こえないままだった。だから、夏の気配にならず、セミが鳴き始めたら、とたんに夏になったので、すごく重要なのが分かった。
それで、ものすごく暑い時もセミは鳴き続け、夜に気温が下がらない日も多かったので、その時は夜も鳴き続け、だけど、いつもよりも早く鳴き終わるわけでもなく、8月いっぱいはずっとセミの声が聞こえていた。
それが9月になってから、気のせいもあるのだろうし、気温が少し下がったからかもしれないのだけど、セミの声の強さが少し減って、微妙に弱々しくなったように思えた。
明らかに数も減ってきているようで、そういえば、いつまで鳴き続けているのか、といった記憶がないことにも気づく。
今年は、9月のどれくらいまでセミは鳴くのだろうか。
それをできたら覚えておきたいとも思っているが、それ自体を、また忘れてしまうかもしれない。
庭の草花
出かけて家に戻ったら、玄関のそばに草花が飾られていた。
妻は最初は人にあげるつもりで、庭に生えている雑草を中心に集めたらしいが、それは、やっぱり秋の気配が強く思えた。
こうして、毎年のように季節が変わっていって、それを毎回、比較的新鮮に思え、少し経つとその感じを忘れることを繰り返すのは、不思議な気もする。
(去年も同じようなことを書いていました↓)。