テレビについて(63)『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです』------- 「はじめて〝同志〟を見つけた」
毎週、夜中に『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです』---通称「おどぜひ」を放送しているけれど、それは、もともと中京テレビの番組だったので、自分が住んでいる都内では見ることができなかったのだけど、いつの頃からか、東京でも放送をするようになった。
他にはないようなバラエティで、その番組を見られるようになったのは、ちょっとうれしかった。
「オドぜひ」の出演者
いわゆる「一般の人」が応募をして、番組に出演する。
この番組のタイトルにあるように、おそらく最初は「他薦」のはずだったのだろうけれど、私が見るようになってからは、ほぼ「自薦」の人たちばかりだった。
そして、ある特技があるから、オードリーさんたちに見て欲しいんです、というようなパターンが多いようだけど、この出演者の「特徴」として、その特技のようなものを、誰にも見せていない。という前提で出てきて、そして、番組で、その特技を失敗したり、もしくはオードリーの二人と対決をして負けたり、といった場面を見ることが多かった。
ただ、そうした他のテレビでは見られないような、ちょっと変わった身近な人、を見られるのは、ここだけだったし、そうした人たちが出演して、それを番組として、独特の面白さに広げることができるのは、オードリーだから、と思って見ている。
特技
首都圏では、2024年4月11日深夜に放送された回は、他に見たい番組を「裏」で放送していたので、約半分しか見られなかった。そして、その録画した番組をいつものように、リラックスして見ていた。
ラムネを飲んだことがない、という、いわゆる「お嬢様」の姉妹が出演して、その本当に慣れていない姿を見て、違う世界に生きている人がいるんだ、という姿を数分だけ見て、次の出演者が出てきた。
この番組は、こうした振りかぶった姿勢から失敗したり、もしくは、そのクオリティにスタジオが微妙な空気になったりすることが多いので、勝手にそんな場面を想像していた。
そして、その出演者が繰り出そうとしている特技が、実際に実行する前に予測できた。
それは、「手のおなら」だったからだ。
手のおなら
両手を使って、「おなら」のような音を出す。
それは、私も昔からやっていた。
「お子様」にはもれなくウケることが多いので、よくやっていて、だけど、何度も「手のおなら」を出していると、特に「お母様」方には、微妙に評判が悪く、家で練習をしているときなどは、妻は表情をかなり曇らせていた。
それでも、時々、人に見せて興味を持たれて、その方法を教えてくれと言われることもあった。そのときに、一応伝える。
両手の手のひらを合わせる。それも、2つの手をクロスさせるような形にして、ピッタリと吸い付くような感覚になるように位置を調節する。その後に、そのくっつけたすきまをふくらませるようにして空気を入れる。そのあと、たまった空気を一気に出す。すると、合わせた両手の間から「おなら」のような音が出る。
そのすきまの穴の大きさを調節すると、いろいろな種類の「おならの音」が出る。それは、練習によって変えることができる。
そんなことを、自分で両手を見せて、組み合わせて、「おなら」の音を出すことを繰り返す。
ただ、それを人に伝えて、私よりもはるかに器用な人たちが、できない、という姿も見てきた。私自身は、人が普通にできることが、いつもできなかったから、そういうことは珍しかった。だけど、これが出来るからと言って、誰もほめてくれるわけでもなかった。
「オドぜひ」でも、「手のおなら」を出す若い男性は、同じように、オードリーに対して、両手を合わせて、ということを、自分も両手を使って教えていた。だけど、やはり教わった側は、そのピッタリと吸い付くように合わせる、ということが難しいようだった。
それも、自分が見てきた光景とダブった。
これができれば、手のひらのくっつけ方は変えずに、両手の指を違い違いに組み合わせる握り方に変えて、お風呂などで、空気の代わりにお湯を入れれば、両手を持ち上げて、かなり精度の高い「水鉄砲」も出来るようになる。
それも何度も練習してきたけれど、やっぱり、妻には評判が悪かった。
技術の高さ
だから、その番組を見て「手のおなら」が出来る人は、狭い経験だけど、初めて見たことになった。少し驚く気持ちと、大げさかもしれないけれど、初めて「同志」を見つけたよう気持ちになって、やっぱりうれしかった。
さらに、それにプラスして、嫉妬のような思いもあった。
その若い男性は、小学校3年生から始めて、20代後半の現在まで、かなり練習を積んできたようだ。だから、その音の種類と、音の精度が高く、始めて自分よりも上手い人を見つけた気持ちにもなった。
これまで、「手のおなら」については、個人的に狭い範囲で行なってきて、子どもにはウケたけれど、大人、特に女性には評判が悪く、家でも妻の表情は曇ることもあるし、他に出来る人にも会ったことがなかったので、そこまで練習を積んできたといえなかった。
初めて、「同志」を見つけたうれしさと、その「同志」はきちんと練習を積んで、その技術の精度を上げてきたことに、敬意と嫉妬の両方を感じていた。
トレーニング
年齢を重ねると、だんだん向上心のようなものは減ってくるのも事実だけど、この番組を見て、妻には迷惑をかけない範囲で、時々でも練習しようと思った。
普段は全くトレーニングしていないけれど、体への負担があるわけでもないから、技術なら、もしかしたら、かなり歳を取っても上がるかもしれないと思ってしまった。
同じことを、しかも、何十倍も真剣に取り組んでいる人を見て、最終的には、やっぱりうれしい気持ちの方が強かった。テレビ番組を見ていて、こういう人の存在を知ることができて、よかった。
妻には嫌がられない範囲で、少しは練習しようと思ったのだった。
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