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洗濯機のフタが、急に開かなくなった。

 湯沸かし器が、急に壊れた。

 それで修理をお願いし、無理だとわかって、買い替えを決めた。

 以前、今度買い換えるときは、かなりの金額がかかると聞いていて、見積もりをしてもらったら、そこまでの金額ではなくて、買い替えと、ガス配管を延長をお願いした。

 それから1週間ほどで、ガス会社が来てくれて、湯沸かし器を新しくし、ガス管をもとより長くして、また湯沸かし器が使える生活にもどった。

 安心もした。それから支払いがあるから、憂うつは残っているけれど、でも、うれしかった。

 その工事をしてもらっているとき、その日、2回目の洗濯をしていた。

 1度目はいつのように普通に洗濯機を回して、止まって、干していた。

 まだ洗濯物が残っていたので、また洗濯物を入れて、洗剤を加えて、スイッチを押して、回り始めていた。

 その間に湯沸かし器の工事が終わった。


洗濯機のフタが、急に開かなくなった

 今年は、洗濯ハンガーが急に壊れた。

 だから、新しくハンガーを購入して、新しいものが干場にある。

 ガス工事の人たちを門の外まで送って、帰ってから、もう洗濯が終わっているはずだから、洗濯機のフタを開けて、中のものを干そうとした。

 開かない。

 もう一度、引っ張る。

 持ち上がって、ちょっとフタが曲がるような感じになるけれど、強く踏ん張っているように、開かない。

 何度かそれをして、もっと本当に思い切り引っ張ると開くかもしれない、という感触はあったが、それをすると壊れてしまうので、踏みとどまる。

 電気製品なので、コンセントを抜いて、少し待って、また差し込む。

 洗濯機のスイッチを入れる。

 むーん。みたいな重めの音がして、期待が高まり、止まる。もう少し待って、いつも終わるときに“カチッ”と音がして、それでフタが開くのだけど、いつまで待っても、音がしない。

 それで、フタを引っ張る。

 開かない。かなり強めに止まっている。同じようにフタが少しだけ持ち上がって、だけど、踏ん張るように開かない。

 何度か同じことを繰り返す。

 コンセントを抜いて、もっと長い時間たってから差し込んで、スイッチを入れる。低い音がして、しばらくたって、ただ止まる。

 開かない。

 もう無理だとわかった。

 この街で、いつもお世話になっている電気屋さんに電話をする。

 今の状況を説明し、相談したら、いろいろとエアコンの工事などがあって、それが終わってから寄れると思います、と言ってくれた。

 ありがたい。

専門家の対応

 暗くなった頃、家の外の道路に小さいバンが止まる。

 電気屋さんが現れる。

 もう20年ほどの付き合いになると思うのだけど、エアコンやテレビなど、もちろん洗濯機なども含めて、このお店の方に随分とお世話になった。

 いつものように丁寧に対応してもらって、そして、ほとんど外に置いてある洗濯機を見てもらった。やはりフタを開けようとしたり、コンセントを抜いて差し込んだり、あとは、洗濯機を少し持ち上げて、斜めにして、少し振って、中身を動かして様子を見ている。

 軽々と持っているように見え、それは、やっぱり力があるように見えて、なんだかすごいと思う。

 その作業をしながら洗濯機の本体に耳を寄せて、その音を聞きながら、さらにいろいろと試してみてくれた。

 そのあと説明をしてくれる。

 最後の脱水が終わってから、回転の調整がおこなわれて、そのことでスイッチが切れて、フタが開く、という構造になっていて、それは、モーターなどの機械的な部分というよりは、洗濯機の動きをコントロールする部分の故障です。それを担当する部分はあるが、この洗濯機はすでに10年以上経って、その部品はすでになくなっているので、そこを交換することはできません。だから、買い替えをしてもらうことになります。

 そうした話を丁寧にしてもらったので、確かに、ここのところ、少し調子が悪い時もあったし、何しろもう10年以上は使い続けて、毎日のように洗濯をしているので、もう仕方がないかな、と思ったけれど、でも、湯沸し器も壊れ、10万円以上かけて修理して、新しい湯沸かし器を設置した日に、洗濯機が壊れるなんて、なんだかやっぱり不運なようで、ちょっと気持ちが暗くなった。

 ただ、開かないフタの洗濯機の中には、まだ洗濯物が残っている。

 電気屋さんは、フタのすき間から手を入れて、その中にある洗濯物を出してくれて、それを受け取って、洗濯カゴに入れた。

 いつもよりも水に濡れていて、重い。

 おそらくは、最後の脱水ではなく、すすぎの途中で止まったのかもしれない。

 それから、電気屋さんは帰っていった。

 去り際に、「明日、一応、コンセントをさしてみてください」という言葉を残していった。

 それから、洗濯機から出してもらった洗濯物を干した。

 やっぱり、いつもより重かった。

翌日のチャレンジ

 洗濯機はずっと閉まったままだ。

 夜見ても、当たり前だけど、そのままフタは開かない。

 まるで沈黙しているようだ。

 翌日、それほど期待をしていなかったのだけど、言われた通りに、コンセントを入れた。

 スイッチを入れる。

 むーん。と音がする。

 そのあと、“カチッ”と音がした。

 フタを引っ張ったら開いた。

 あ、直ったかも。そうしたら、電気屋さんに電話をして、昨日、新しい洗濯機を頼んだのだけど、いったんは断れないといけないかも。

 そんなことを短い時間に思って、ちょっと気持ちは明るくなった。

 洗濯物を洗濯機を入れて、スイッチを入れて、洗剤を入れる。

 水が入って、洗濯機が回り始める。

 よかった。

 それでも、もちろんそれほど油断したわけではなかったのだけど、何十分か経って見に行ったら、またフタが開かなかくなっていた。

 フタを引っ張ったり、コンセントを抜いたり差し込んだり、昨日の電気屋さんの真似をして洗濯機を傾けてみたり、いろいろしてみた。

 フタが開かない。

 また電気屋さんを呼ぶわけにもいかないし、などと思って、何度かフタを引っ張ってみる。

 何度目かに、それほど強く力を入れたわけではなかったのだけど、フタは開いた。

 何かが折れた、というか、壊れた、といった感じで、あきらめたような感じだった。

 ただ、これで本当に洗濯機が壊れた、と思った。

 洗濯物は干せた。やはり、脱水まで終了していなかったようで、水に濡れて、重かった。

 しばらく洗濯は家ではできない。

 近所のコインランドリーに行くしかない。また、お金がかかると思って、また気持ちがちょっと重くなった。

新しい洗濯機

 それから2日後、雨が降っているし、洗濯物がたまってきたし、洗濯機は壊れたままなので、近所のコインランドリーまで行くことにした。

 妻が、洗濯物を入れる袋などを準備してくれたのだけど、2つの大きい袋いっぱいになって、コインランドリーまでの、100メートルくらいの距離がとても長く感じた。

 カサをさすかささないかの雨の程度だったので、それは有り難かったのだけど、久しぶりにいくコインランドリーは、どうやって使うのかを少し忘れていた。

 家で使っているのと同じようなタイプは安かったけれど、すでに誰かが使っていた。乾燥までできるドラム式にしようかと一瞬思ったのだけど、その値段が自分にとってはかなり高く感じ、これだったら洗濯と乾燥を別にしたほうがいいのではないか、などとケチな発想にもなり、ちょっと迷って、ドラム式の洗濯機に洗濯物を入れた。

 10キロ入るはずだから、持ってきた2袋は十分入るはずだ。

 誰も使っていないマシンは何台もあったので、その中から出し入れがしやすい高さの上段のものを選び、リフレッシュボタンを押して、少し待ってから、洗濯物を入れて、両替をした400円を入れて、スイッチを入れる。

 回り始める。残り時間が表示されているから、その時間を、持っていったタイマーにセットして家に帰る。

 その頃、電話が来た。

 洗濯機が入荷したという電気屋さんからだった。

 今日は、これから雨が激しくなるかも、という天気予報だったので、そのことを伝え、無理をしなくても、と言ったことを話したが、おそらくこれからの方がもっと雨が激しくなりそうなので、といったことで来てくれることになった。

 ただ、今もコインランドリーで洗濯をしていて、洗濯が終わったら、乾燥機に移して、また家に戻ってきて、を繰り返さなくてはいけないから、ちょっとどうしようとも思っていたのだけど、そんなことを思っている間に、家の前にバンが止まった。

 全身をカッパで覆った電気屋さんがきてくれて、新しい洗濯機を持ってきてくれた。古い洗濯機は回収してくれる約束でもあったのだけど、作業の途中で、すみません、コインランドリーへ行ってきます、と出かけて、乾燥機に移し、また戻ってきたら、すでに古い洗濯機はなくなっていて、そこに新しい洗濯機が設置されていた。

 そして、まだ作業は続き、今度はアースがされていない、という話になった。

 今までも、洗濯機からコードが伸びていたので、アースが設置されていると思っていたが、それは、ただかたちだけでつけられていたらしい。それは初めて知って、ここまでよく漏電のような事故がなくてよかったと思うのと同時に、ちょっと怖かった。

 だから、アース設置もお願いをして、さらに時間がかかりそうだったのだけど、作業は進み、それが終わりそうな時に、コインラインドリーの乾燥が終わる時間になったので、すみません、またコインランドリーに行ってきます、と声をかけて、小走りで小雨の中を走って、あわてて袋に詰めて、戻ってきた。

 そうしたら、すでに後片付けに入っていたので、簡単に説明を受けて、そして、雨が降っているときは、ほぼ外に設置してあるので、カバーをかけるのであれば、本体の下の部分までかけてください。雨のはね上がりを防ぎたいので。といったことを初めて言われた。

 雨の中、作業を終えて、電気屋さんは帰っていった。

 買い替えをお願いしてから、3日後にすでに新しい洗濯機がきた。

 これで明日からまた家で洗濯ができる。

 ただ、湯沸かし器が壊れて、やっと新しく取り付けた日に、洗濯機が壊れて、買い替えた。

 ここ最近、かなりのお金がまた出費することになった。

 どんな商品でも年数が経つと壊れてしまうのだけど、こんなにいっぺんに壊れるとは思わなかった。だから、これからの支払いを考えると気持ちが重くもなる。

 それでも、湯沸かし器も、洗濯機も新しくなった。

 それは有り難かった。




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おちまこと
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