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自由律

14
定型の音数や季語にこだわらず自分のリズムで詠む俳句。毎週火曜日更新。
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記事一覧

自由律 #14

自由律 #14

児童館なら一週間持たない

振り返って走れたら

いつだって心を動かすのは雨

終わりかけのグラドルが如く多趣味

裸で無線イヤホン

賭けが外れ手にはリンス

トンネルに入り「夜になっちゃった」
トンネルを抜け「朝になった おはよー」

ぬいぐるみのクマ
クマのぬいぐるみ

自由律 #13

自由律 #13

犬も驚いていた

コンビニまでは行けるかっこう

女性に大人気のメニュー

道路の落書きを一応踏まない

スゴイ年になるから

二〇二三年。
一月一日。
明けましておめでとうございます。

元日は正月の新年を迎える年初の日。元旦と元日の違いであるが、本来「旦」は「朝・夜明け」の意であるから「元旦」は「元日の朝」(初日の出)を指すらしい。
ひたすらお笑い番組がやっている。年末年始だからなのだろう。や

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自由律 #12

自由律 #12

小さい大は小なのか

褒めていいるが名前を間違えている

死闘の決着を検索して知る

序文で篩にかけてきている

変わらないための必要な変化

十二月三十一日。

大晦日。

昨日から今朝にかけて地元の忘年会に参加。中学校の同級生十人余りと呑んだ。この一年の出来事をつまみに、ひたすらに。

この歳にもなると同級生の中で社会人として働いている人も多い。彼らは割り勘のタイミングで発生する端数を進んで負

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自由律 #11

自由律 #11

道路の落書きを一応踏まない

小さい大は小なのか

褒めてはいるが名前を間違えている

死闘の決着を検索で知る

レディースセットを注文できた

行きつけの中華料理屋がある。だけど流石に飽きてきた。行きつけという枠組みに囚われ「行きつけの店がある自分かっこいい」と自己陶酔に陥っていたのだが、冷静に考えてみると、うん、しっかり飽きていた。美味しいことに変わりはないのだが、飽きてしまったら仕方がない。

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自由律 #10

自由律 #10

ドリアは好きだがサイズがわからない

童貞をキャラに昇華する22歳

ピンクの光が漏れている

横のままの毛布で妥協

ハンバーガーカフェは長居していいのか

基本一日一食生活。昼にご飯を食べる。よし外食にしようとなったらなるべく行ったことのない店に行くようにしている。特に予定のない日は一日中家にいるため、そんな時には近所にある店を開拓してみる。最寄りのコンビニで買って食べても良いのだが、外食をす

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自由律 #09

自由律 #09

肝心の時に内カメラ

右隣の右端の席が空いたもう一駅

くしゃみをするためにカップを置く

靴を入れてた箱と暮らす

心なしか海老も小さい

先日久しぶりに実家に帰り、両親と一緒に回転寿司に行った。その日は父の誕生日だった。
都合により上の兄弟二人は帰ってこれなかったため、私だけが一緒に行くことになった。両親の誕生日に何か良いものをご馳走する、ということができればいいのだが、まだ父は退職していない

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自由律 #08

自由律 #08

音が鳴り皆が向く

PCの排熱が暖房

トイレで自撮りしてる

小分けにしたLINEが来た

フライドポテトが美味しそうと感動する声

階段で声が響いている

家にいる。お腹が空いたので夕食を食べようと思うが、調理するのが面倒だ。
だからコンビニに行こうと思う。コンビニに行って帰って来る時間で食糧庫からパスタを取り出し茹でるところまでできそうなものだが、その面倒よりはコンビニ行くことの面倒の方を取

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自由律 #07

自由律 #07

カメラ売り場で覗き見られている

冷たい手で腫れた目を冷やす

100年経てば私も君もいない

資格の本がたくさん捨てられている

大盛りにして一人自爆

最近は一日一食生活をしている。

お金がないと言うのもあるし、時間がないと言うのもあるし、食欲がないと言うのもある。ないことに溢れている。ないと言うことばかりがある生活だ。

社会に当たり前に受け入れられている朝昼晩と三食取る習慣。日本で広まり

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自由律 #06

自由律 #06

夜の下り坂立ち漕ぎで風を浴びる

ちょっとだけ写り込むパソコン

散らかった出窓が見える

カウントダウンがずれている

多分この車両で一番年収が低い

画面上部に並ぶ丸いアイコン。その中の一つをタップすると15秒以内の映像「ストーリー」が表示される。それは次々と自動的に移り変わって行き、知り合いからアーティストへ、はたまたアーティストから知り合いへと言った具合にユーザーが同レベルで扱われる。有名

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自由律 #05

自由律 #05

新しい靴でガム踏んだ

まだ眠れる可能性を探している朝

温厚な人だがタイピングが激しい

縄跳びが耳に当たったことを隠した

怖そうな人も月食を見上げている

今日は「皆既月食」らしかった。
さらに月食中の赤銅色の月に天王星が隠れる「天王星食」も同時に楽しむことができるらしかった。

「らしかった」と言うように、特に意識はしていなかった。意識していたところで、取り立てて仰々しい望遠鏡や望遠レンズ

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自由律 #04

自由律 #04

キャンセルされたノイズの気持ち

母校の偏差値を調べる

新聞紙で折られた兜に書かれている事件

全ての信号に引っ掛かりながら早く会いたい

気持ち上げ目に立ち読みする雑誌

積極的に雑誌を読むように日頃から心がけている。
特に好んで読むのは映画、音楽、漫画、ファッションなど、メインカルチャーやサブカルチャーを取り扱ういわゆるカルチャー誌である。

雑誌は今の時代を表した「歴史書」だ。後世に残すべ

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自由律 #03

自由律 #03

やったことないゲームの実況を観る

鍋掴みを鍋敷きに

思いの外仰々しい抹茶ラテが来た

やはりこの質問が来た

厨房から煙が出過ぎている

古着を求めて高円寺駅に到着した。
都内で古着散策といえばこの街、高円寺。個性的な店の数々は来訪者を飽きさせることはなく、ついつい奮発させられてしまう。

比較的リーズナブルなものから高価な年代物までを幅広く取り扱う店にはよく掘り出し物がある。そこで一目惚れを

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自由律 #02

自由律 #02

気を遣わせてることを分かってはいる

速く動くと寒い

難しいことを難しいままで

曖昧な気候が呼んだ蕎麦という選択

店員じゃないがテーブルをそっと拭く

見よう見まねのコイントスをしたばかりに

吉本興業所属のピース・又吉直樹さんを敬愛している。

YouTubeチャンネル「渦」をきっかけにして「カキフライが無いなら来なかった」(幻冬舎) (2009年)を知り、注文。Amazon Primeで

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自由律 #01

自由律 #01

手羽先をそこまでしか食べないのか

自意識の万国博覧会だ東京の夜

自分だけに可愛がられていると信じていた野良猫が近隣住人に撫でられている現場を目撃

幼い子供に敬語を使う

よく知らない人だけど髪切ったのは一目瞭然

なんかワクワクさせる寒さ

袖に潜る高級腕時計

この雨で一番濡れてる人登場

家族構成を小出しにしてくるのは脈なし

二階席も満席なら持ち帰りにすべきだった

自販機を同時に押し

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