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子どもが中学をやめた。それを認めた②(全3話)

心の声は聞こえているか?

僕の娘は、
中学に行かないことにした。

実はこの後、

僕も、妻も、学校も、
驚く展開が用意されていた。

ともかく学校に行かないことを
僕は認めたんだ。

唯一の絶対的理解者だと思う。

周りは心配ばかりする。

それは当然だと思うけど、

僕は密かに大したものだと
思っていたんだ。

僕の望みは、
彼女が彼女らしくいることなんだ。

先生に言われても、
友達に言われても、
母親に言われても、

頑として、
彼女は聞かない。

みんな理由を聞きたがるけど、
彼女は説明をしない。

説明できないからだ。

それは、
彼女が感じていることなんだ。

彼女は心の声に従っている。

中学に行くのを辞めて、
何をしていたかというと、、、、

彼女は毎日、
スマホを見ていた、、、

さすがに
妻も毎日怒っていた。

学校に行かないので、
昼ごはんがない。

妻も怒っているので、
作らない。

僕はこっそり
彼女の昼ごはんを用意した。

いくら妻が怒りまくっても、
彼女は全く態度を
改めることはなかった。

彼女はやりたいこと、
やりたくないこと、

付き合いたいこと、
付き合いたくないこと、

がはっきりしている。

どういうわけか、
決して流されないんだ。

それで、
スマホを見ていた彼女が、

ある能力を
開花させていたことに
気づかされる。

彼女は
韓流ドラマやアイドルが好きで、

それにはまっていた。

周りの友達よりも、

自分の好きな世界の友達と
スマホで出会い、

韓国語で理解したいことから、
韓国語を自然に勉強していた。

後に、
韓国の留学生を
ホームステイで迎えることがあって、

通訳をしてくれた時には
驚いた。

読める、書ける、
話せるようになっていた。

彼女が努力したところを
見たことがない。

僕がいう努力というのは、

体育会系のスポ根が
根底にある。

彼女は努力はしないが、
やりたいことに夢中になれる。

これは才能だと思う。

それを開花させた。

中学に行くのを辞めて、
好きなことに
夢中になっていたんだ。

僕たちは
いつもの間にか、

というか
生まれてしばらくして、

「こうあるべき」に縛られる。

心の声を聞くことが、

甘いことだと、
弱いことだと、
逃げていることだと、

教えられる。

心の声が聞こえなくなる。

彼女は
心の声に従うことができる。

自分で自分の道を
創ることができる。

自分の創りたい世界を
創ることができる。

僕は彼女から
学んでいる。

そして、
心の声に従う才能の芽を
決して誰にも摘ませない。

僕は、「僕は嫌だ」ということに
随分遠回りしたけど、

しかし、
彼女は最初から言っている。

「僕は嫌だ」と。

心の声を聞いている。

追伸:

中学生の息子が、
体育座りをさせられることに対して、

「かつてマッカーサーが、
日本人の胆力を奪うため、
奴隷の座り方をさせた。

それが体育すわりだ。

だから、
僕は体育座りが嫌だ」

と先生に言ったら、

「屁理屈を言うな」

と叱られたそうだ。

息子も大したものかもしれない。

第3話はこちら。


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