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時を超えて。【ショートショート】

其方そなた、いったい何者だ」

私は…。


あれは桜が満開に咲いた頃。
田舎の神社に在る一本の枝垂れ桜。

私は一人、その場所に居た。

なぜだか不意にこの桜を見たくなった。
樹齢何百年ともなるであろう立派な太い幹に美しい桜が豪快に枝垂れる。
私は思わずその幹にそっと触れた。

「きれい…」

トクンと鼓動が鳴り、風が髪をなびかせる。まるで何かと繋がった気がした。私を覆う枝垂れ桜はサラサラと揺れ、花弁はなびらは宙へ舞った。

私の中へどこからともなく声が聞こえる。

「其方、いったい何者だ」

私は驚きのあまり咄嗟に振り返るが、そこには誰もいない。
「桜…?」

疑念を抱きつつ、もう一度その幹に触れた。
「誰…?」私は恐る恐る問いかける。

「其方こそ、誰だ」
やっぱり、今度ははっきりと感じた。
「私は…ハルカ。あなたは誰。いったいどこにいるの」
「我は桜木の下にいる。名は義元。其方はいったいどこで話しているのだ」
「私も今、あなたと同じ場所にいる」


私達は今、桜回線で繋がっている。



【410字】


《今回のお題》

たらはかにさん(毎週ショートショートnote)
▶︎【桜回線】のお題で、通信技術を盛り込んだ【魅力的な台詞ではじまる】ショートショート


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【デザート】はもう少ししてから書きます!
とりあえず本編投稿しときます!
ひとまず夕飯を食べます!😵‍💫
noteハマりすぎ問題(笑)

《追記》
【デザート】書きました!

メインの小説はどうでしたか。

この後にデザートでもいかがですか。

ということで、私がこれを書くに至った経緯や意図、その時の思いや感情などを知りたいと思った方はぜひ以下リンク先の『夕飯そっちのけ。【デザート】』を読んでみてください。

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蒔倉 みのむし
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