見出し画像

〇〇と僕『き』~キレートレモンと僕~

肩こり、腰痛、目のかすみ。
背中の鈍痛、風邪、痛風。

毎日のように酒の飲み散らかし、ラーメンの替え玉を5玉食べても平気だった僕はもういない。

しかし、体調を崩して仕事に穴を空ける訳にはいかねぇ。
そんで、今のところ体調を崩して休んだことがねぇ。

身体のあらゆるパーツがズタボロの僕が、なぜ人間としての活動を続けられているのか。
人造人間に改造してもらった訳でもなければ、火の鳥の血を飲んだ訳でもない。
そう、僕は、バカ以外なら瞬く間に治ってしまう、奇跡の万能薬を見付けてしまったのだ!


ファイト一発なアレではない。
コンビニの棚にズラリと並ぶ、アルミ缶のエナジードリンクでもない。
そもそも、毎日のようにアレを飲んでいるやつが、何かに一生懸命取り組む姿を見たことがない。
もちろんだが、覚醒する違法なやつでもない。

まさに奇跡の万能薬。神が作りだした最高のドリンク。
そう、それは『キレートレモン』である。

肩がこればキレートレモン。
腰が痛けりゃキレートレモン。
足の指が疼いたらキレートレモン。
風邪の前兆が現れたらキレートレモン。

もちろん風邪をひいて熱が出てしまってからでも大丈夫。
キレートレモンを飲んでたっぷり寝れば、あっという間に治ってしまう。

そんな訳ねぇだろ、バカ。
って思うでしょ?
でも治っちゃう。
飲めば次の日には治っちゃう。
もちろん科学的根拠はない。
でも治っちゃう。

昔から『病は気から』なんてよく言う。
ってことはだよ、『治療も気から』なのだよ。
『これを飲んだら治る!』って脳みそに、身体に信じこませることで本当に治っちゃう。
なんて単純な脳みそと身体。
オッパッピー。

しかし、僕は最近、キレートレモンでも治らないものを見つけてしまった。
『猫背』である。

子どもの頃から猫背気味ではあったが、それが加速したのは中学生。
この世のけがれ、しがらみから逃れるため、僕はギターと文学にのめり込んだ。
あぐらをかき、ギターを抱え、床に置いた楽譜を凝視。
日が暮れたことにも気付かずに、薄暗い部屋で文庫本の小さい文字を凝視。
そうして日に日に首は前にひね曲がり、気付けば取り返しのつかない状態になっていた。

治る治ると何度も自分に言い聞かせ、キレートレモンをグビっと煽ってはみた。
しかし、いくら奇跡の万能薬といえど、僕の猫背はその力を上回ってしまっているのだ。
もはや手遅れ。
キレートレモンもお手上げ。
オッパッピー。

このまま猫背は悪化し続け、人生の最期、僕は地面に頭から突き刺さって死ぬのだろう。

もし猫背にも効く万能薬を知っている方がいたなら、ご一報を。

では今日はこの辺で。

『King Crimson / 21st Century Schizoid Man』を聞きながら
FJALLRAVEN by 3NITY TOKYO  池守


『〇〇と僕』←過去の記事はこちらからお読みいただけます!是非!    

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?