短歌のようなもの27
九月に家族が一人亡くなり、葬儀とその後の様々な手続きから四十九日まで何かと多忙な日々を過ごしました。気がつけば炎暑の夏から長過ぎる残暑を経て、朝晩ひんやりする時季が到来。昨日はストーブを出しました。一年は風のように過ぎていきます。この「短歌のようなもの」も随分久しぶりになりますが、下手くそだけど、不定期になっても、続けていきたいと思っています。
故人が我が家の台所にたたなくなってから5年くらいにはなるでしょうか。テーブルについてあたりを見回すとそこここに故人の名残りがあります。今回はそんな事を考えながら作ってみました。
お題:台所
手の届くところにフック残されたお玉が二つピーラーひとつ
吊り棚に置かれた鍋の大小にまつわる会話ふと思い出す
椅子の背に細かな傷が多数あり曲がった腰のあたる辺りか
客用の急須湯呑みを取り出して法事の席の茶を支度する
米を研ぎ味噌を溶かした台所亡き人の影今も残れり
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。