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#魔法
#90 ドレスコーディネーター Luisa(ルイーザ)
「ねぇ、そのマダム…なんとかさんのお店では
どんな準備するの?」
「全部だよ。ドレスも靴もバッグも
メイクもヘアセットも全部。
女の子のドレスコーディネイトで
彼女に勝る人は、僕の知る限りはいないよ。」
「そんなにすごい人なんだ…。
でも、ドレスとかって結構高いよね?
私、そんな持って来てないんだけど。」
「そのことなら心配しないで。
僕が無理に誘ったんだ。僕に任せて。」
Gerardがサ
#86 時を歪める蝶の雫
「どっちにしても、私が学校に一緒に行くのは
ちょっと良くないんじゃない?」
「そんなことないよ。みんな自由に来るもん。」
「そうなんだ。じゃぁ、今度お邪魔してみようかな。」
Sophiaは
それを聞いて嬉しそうにニッコリと笑顔になった。
「そういえば、今までに
森の女神様の棲む場所に行った人はいるの?」
「いるよ!
真っ白の樹や蔦が絡んんでいる建物があって、
建物の中は朝も夜もずっと明る
#83 フクロウ便専用の扉
「あぁ、おかえり。
氷の王国は楽しかったかい?」
Gregoryがテーブルの食器を片付けながら
私達に声をかけた。
「うん!ただいま!
私、食器洗うね。M.ちゃんはそこに座って。」
Oliviaはカウンターの中に入り
シンクの目の前にある席を指して言った。
シンクでは
洗剤の付いたスポンジとグラスやお皿が
そこに見えない誰かがいるかのように
宙で洗われていた。
スポンジで擦られた泡だらけ
#82 Oliviaの同級生Gerard(ジェラルド)
しばらく王冠を眺めた後、
私達は大広間から広間に出た。
屋外の風はとても冷たく、
徐々に体が冷えていくのがわかった。
「随分寒くなってきたわね…
そろそろ帰りましょうか。」
Oliviaのかけてくれた
空気の膜を作る魔法だけでは
耐えられない寒さになりつつあった。
私達は、また氷の王国の祝祭の街を眺めながら
早足で扉へ向かい、Oliviaの街に戻った。
すっかり暗くなった街で
カフェに向
#79 氷の王国の王子生誕祭
いくつか綺麗な状態で落ちた
ファータの実を拾ったとき
陽がかなり傾いていることに気付いた。
「そろそろ街へ戻らなきゃ。」
「えぇ?もう帰っちゃうの?」
「うん…。でも、また絶対来るよ。
Sophiaに会いに。」
Sophiaの寂しそうな顔が嬉しそうな笑顔に変わった。
「さっきお花摘んでたとこまで一緒に行こ。」
私達は出会った場所まで戻った。
扉のある、精霊の宿る樹までの道は
かなり薄暗
#74 精霊の宿る樹への扉の鍵
落ち込んだ気分で自分の部屋に帰ってから
2ヶ月ほどが経った。
Oliviaからはフクロウが届いたりなどの
音沙汰も何もなかった。
きっと、気軽に連絡を取ることも
禁止されたのだろうと思っていた。
この2ヶ月、あまり積極的に
あちらの世界へ行きたい気持ちにならず
自分の生活に忙しく過ごすようにしていた。
しかし、あちらの世界には
ずっと気になっている場所があった。
それは「妖精の森」。
2
#73 Gregoryのトンボ
「よかったー!無事ね?」
Oliviaにはまだ半透明のトンボが付きまとっていた。
扉の近くにいることで
再びOliviaの顔に向かって激しく羽ばたき、
おかげで私の頭にも何度かぶつかってきた。
「私、パパに見つかって…
あーもう!しつこいわねっ!」
Oliviaはまだ警告するように付きまとっているトンボを
手で振り払いながら話した。
「それで私、慌てて…
海底都市へ行く鍵の話しかしてなか