![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/24762615/87f0e921870e3c373207f08ac06cb699.jpg?width=800)
- 運営しているクリエイター
#3Cおはなし
#86 時を歪める蝶の雫
「どっちにしても、私が学校に一緒に行くのは
ちょっと良くないんじゃない?」
「そんなことないよ。みんな自由に来るもん。」
「そうなんだ。じゃぁ、今度お邪魔してみようかな。」
Sophiaは
それを聞いて嬉しそうにニッコリと笑顔になった。
「そういえば、今までに
森の女神様の棲む場所に行った人はいるの?」
「いるよ!
真っ白の樹や蔦が絡んんでいる建物があって、
建物の中は朝も夜もずっと明る
#83 フクロウ便専用の扉
「あぁ、おかえり。
氷の王国は楽しかったかい?」
Gregoryがテーブルの食器を片付けながら
私達に声をかけた。
「うん!ただいま!
私、食器洗うね。M.ちゃんはそこに座って。」
Oliviaはカウンターの中に入り
シンクの目の前にある席を指して言った。
シンクでは
洗剤の付いたスポンジとグラスやお皿が
そこに見えない誰かがいるかのように
宙で洗われていた。
スポンジで擦られた泡だらけ
#82 Oliviaの同級生Gerard(ジェラルド)
しばらく王冠を眺めた後、
私達は大広間から広間に出た。
屋外の風はとても冷たく、
徐々に体が冷えていくのがわかった。
「随分寒くなってきたわね…
そろそろ帰りましょうか。」
Oliviaのかけてくれた
空気の膜を作る魔法だけでは
耐えられない寒さになりつつあった。
私達は、また氷の王国の祝祭の街を眺めながら
早足で扉へ向かい、Oliviaの街に戻った。
すっかり暗くなった街で
カフェに向
#79 氷の王国の王子生誕祭
いくつか綺麗な状態で落ちた
ファータの実を拾ったとき
陽がかなり傾いていることに気付いた。
「そろそろ街へ戻らなきゃ。」
「えぇ?もう帰っちゃうの?」
「うん…。でも、また絶対来るよ。
Sophiaに会いに。」
Sophiaの寂しそうな顔が嬉しそうな笑顔に変わった。
「さっきお花摘んでたとこまで一緒に行こ。」
私達は出会った場所まで戻った。
扉のある、精霊の宿る樹までの道は
かなり薄暗
#75 精霊の宿る石
鍵を手に取った私は
前回深海都市への扉の鍵を買ったときのことを
思い出した。
深海へ行く準備を全くしていない状態で
何も考えずに扉へ向かおうとしていた。
鍵屋に声をかけられ、
薬のことを教えられなかったら
扉をくぐった瞬間、どうなっていただろう。
「あの…精霊の宿る樹の辺りは
何か行く前に準備するものとかありますか?」
「あぁ、前回は
深海にそのまま行くとこでしたもんね。
でも、大丈夫。
#74 精霊の宿る樹への扉の鍵
落ち込んだ気分で自分の部屋に帰ってから
2ヶ月ほどが経った。
Oliviaからはフクロウが届いたりなどの
音沙汰も何もなかった。
きっと、気軽に連絡を取ることも
禁止されたのだろうと思っていた。
この2ヶ月、あまり積極的に
あちらの世界へ行きたい気持ちにならず
自分の生活に忙しく過ごすようにしていた。
しかし、あちらの世界には
ずっと気になっている場所があった。
それは「妖精の森」。
2