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🎬グレート・デイズ!🇫🇷アイアンマンレース🎼挿入歌で感極まる🇮🇸

車いす生活を送る17歳の少年、ジュリアン。失業中の父親ポールは、息子を愛してはいるが、正面から向き合うことができないでいた。
そんな父の態度に不満を募らせるジュリアンは、トライアスロン選手だった若き日のポールをとりあげた新聞記事を見つけ、父と一緒にトライアスロン最難関の“アイアンマンレース”に出場することを決意する。最初は、息子の提案を断るポールだったが、ジュリアンの熱意が彼の心を動かしていく―。
世界一過酷なアイアンマンレースを舞台に、親子の絆再生を瑞々しく描く、奇跡と感動の物語です。
監督は、『エトワール』『オーロラ』のニルス・タヴェルニエ。
父・ポール役をジャック・ガンブラン、息子・ジュリアン役をオーディションで選ばれた自身も車椅子の生活を送るファビアン・エローが演じる。さらに挿入歌としてSigur Rosの楽曲が使用されている。なお同作のトライアスロンのシーンは、フランス・ニースで行われた実際のアイアンマンレース大会の全面協力を得て撮影されたという。

【映画を観た感想】
この映画の製作者がインスピレーションを受けたという実在の親子は、子が小さい頃から父子のコミュニケーションと段階的なトレーニングを積み重ねており、いきなりアイアンマンレースではない!

息子がマラソンに参加したいと意思表示し、父親が子の車椅子を押してレースに参加することを決めたところだけ実在の人物と共通しているのだと思う。

本作では、息子ジュリアンの気持ちの強さが父親や周囲を動かしたという側面が強いと感じた。特にスポーツやトレーニングをしていた訳ではない青年が、父との共同作業や交流のため、また、周囲が反対することを押し切って多くの人が出来ない経験をするためアイアンマンレース出場を選んだと考える設定が自然だと思う。
青年が通うスクールに父親を連れて行き、ジュリアンの友人が「私たちは泳ぐ、自転車をこぐ、走る、これらができない。だから憧れる」ということを毅然とした態度で告げる。その言葉に象徴されるように、ジュリアンは出来ないことはしない。でも、レースに参加する意志は強力だ。

ジュリアンは反抗期ということもあり、なかなか強烈に意思表示をしていた。
私は「ジュリアン、ハートが強いな」「おいおい無茶言うなよ」などの感情で、終盤まであまり応援したい気持ちは芽生えなかった。
今回初めて予告編を観たところ、私が本編を観たときに拾えていなかったのだがたぶん中盤あたりで
「完走できなくてもいいからレースに出たいんだ」
とジュリアンが言い、父親が
「完走できなきゃ駄目だ」
という場面があった。

この映画では、父が一度挫折したことを親子で克服するという側面が描かれていた。

ジュリアンが父親を最強に奮い立たせたシーンで、彼らの日常語であるフランス語ではない曲が流れ、字幕が出た。

シガー・ロスだ!!!🇮🇸アイスランドのバンドで歌詞は英語でもない。

予告編を観ておらず、彼らの楽曲が挿入されることを知らなかった私はとても驚いた。正直、そちらに意識がいってしまった。
でも、非現実的なパワーで物事を為し遂げる場面には適していたようにも思う。
幻想的な音楽による感動的なシーンもあり、最後までジュリアンのキャラクターに好感を持てなかった私も、親子の物語としては観てよかったと思った。
だが、私の中では「実話にインスパイアされた特別な話」ではなく、「気持ちの強さを表現した世界観でつくられた創作」で充分なのではないかと感じた。
不可能を現実的なイメージに完結させるために「実話に基づく」と考えなくてもいいような気がしたのだ。

【実話というのはこちらのホイト親子のことのようです↑】息子は1962年生まれで、チャリティーマラソンをきっかけに父親が子の車椅子を押して走るスタイルでさまざまなマラソンに参加。1989年に親子二人でアイアンマン世界選手権に出場が認められ、完走したそうです。

🎼感動的だったSigur Rosの音楽はこちら↓

シガー・ロスの公式MUSIC VIDEO


こちらは映画の記事↓

#映画感想文

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