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食べ塾50:必ず成功する値上げのコツは常連客心理をちゃんと考えることです!

コンサル経験30年以上の中で、新規開業店のメニューや既存店のメニュー
変更を数百回繰り返してきていると思います。
そして、その中にコツがわからずに失敗した例や、コツを認識して
上手にお客様を減らさずに値上げを成功させてきています。
私の考えとコツをお知らせします。

自店を利用していただいている常連客の心理を
ちゃんと考慮することが最大のコツ

  いつも利用してくれるお客様が値上げを知ったときに、
「どう感じるか」を前もって予測して対策を練ることがとても大切です。

<やってはいけない禁じ手の数々>を知ることがコツ

●説得力のない大雑把な理由付けを値上げ理由にする

  諸物価の高騰によりとか、食材の高騰によりとかの実に大雑把な値上げの理由は、常連客に対しての丁寧な説明理由にはなりません。
焼肉店であれば肉の値上がり、うどん店であれば小麦粉や揚げ油の値上がりなど「具体例」を示して、できれば何十%値上がりしたためとか、詳しく
説明することが、誠意のある説明になります。

●店目線の理由で一度に15%を超える値上げをする

  いきなりステーキの値上げ当日値上げなどは洒落にもなりません。
また30%の値上げも、利用者無視と言わざるを得ません。
すでに令和3年7月には食肉は高騰し始めており、世界的にウィズコロナで
大きな需要喚起が起こっていました。

値上りの兆候→自店メニューの収益性の劣化→収益性の限界時点を予測

大きな組織であれば、本当はここまで考えておくべきだったと思います。
一度に30%も上がると、このお店の良さを自ら否定した形になると
思います。

     一度の値上げは15%未満にする

  常連客のお客さにとっては、値上げはしてほしくない「痛み」です。

仕方がないと理解して受け入れてくれる上げ幅にする。
今までの経験では、5%~7%の値上げ幅の場合は、客数減にはまず
なりませんでした。
(*ただし900円台が1000円台に変る場合は減少がみられます)*対策あり

●売れる料理のメイン食材の商品力を落とす

・売れる料理の食材の品質を落とす
・売れる料理の食材の分量を10%以上少なくする

この2つも、お店の首が締まる「反常連客対策」です。

●価格には、
 安く見える高い価格と、高く見える安い価格がある

  値上げする価格をどのようにするかは、非常に料理人泣かせの
問題になります。

原価の合計を基にお店が決めた原価率で割った電卓売価を
そのまま売価にすると確実に失敗する!

血の通っていない「電卓売価」をそのまま四捨五入して売価にすると
間違いなく失敗します。売れなくなります。

料理の商品力から→イメージ売価を出す

イメージ売価×店が決めた原価率=料理予算が出る

次に、料理予算内で、料理に使う食材と分量を決める

これが、現在の料理開発の基本中の基本です。
調理場の意押しに基づく価格設定でなく、お客様目線の価格設定です。
だから、売れるのです。

こういく厳しい時代だからこそ、
お店の誠意とお客様のお店に対する信頼感が問われる時代
だとご理解ください


令和3年12月31日予約投稿

良いお年をお迎えください。
そして令和4年度が、
日本の飲食業にとって良き年になりますように願っています。  

(了)

一度に30%もの値上げが必要ならば、
資金補てんをしてでも、複数回の値上げでしのぐ
しぶとさが必要です!


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします