食べ塾:これからはテイクアウトと宅配で「焼鳥」がもっと売れます!
かって全盛時代を誇ったファミリーレストランが衰退の一途をたどり、
次期飲食業態へ模索と転換をしたように、
コロナ禍の時代を経て、都市部の専門居酒屋への転換でない、ローカル
エリアの総合居酒屋業態は、今後ますます衰退して、消費者の望む新たな
次期飲食業態に転換してゆくと思います。
居酒屋業態の調理メニューで、これからもっとニーズが拡大するのは、
「焼鳥」です。
日本国中を調べたわけでありませんのですが、
関東エリアの焼鳥メニューは、関東なりの嗜好による豚肉の内臓やツラミ・頭肉、豚足などのメニューに、関西などから進出した本来の焼鳥メニューが
加わって、お店により複合化して「串焼き」店になったと、私なりに
理解しています。
一方で九州の焼鳥は、鶏のパーツを単品ごとに串に刺した物を中心ですが、ネギ(店により価格安い店は玉ねぎ)を挟んだねぎまや、豚バラ
(4mm厚位が美味しい)があることです。
私の世代よりもっと昔の人の時代の焼鳥店では、本来の野鳥のスズメや
うずらなどを焼いて食べさせていたと記憶しています。
よって、焼き「鳥」という字になっていると解釈しています。
今どきでいうと「焼き鶏」が普通と思いますが。
↓ 本題に入ります。
■庶民派料理「焼鳥」は1本70円から商品化
できる商品です!
アフターコロナの時代を考えると、
「数多く売れる」という「経営テーマのひとつの克服」
が、一番繁盛店になる最短のコンセプトでは!と思っています。
1、鶏肉や豚の内臓肉・派生肉はローコスト食材です
とり皮や砂ずり、鶏レバー・鶏ハツ・豚の内臓肉(*関東で高く九州
では安い)などは1kg当たり数百円台で購入出来ます。
串1本当たりの刺す手間賃を10円~15円ほど払えば、
パートさんが串うちをしてくれます。
(時給計算の作業にすると、半分しか打てない慣れない人が得をします)
1時間当たり60本~150本が今まで聞いた範囲の本数です。
2、売価が安くても、食材原価率が低いので利益が出やすい
例えば、とり皮1kg/400円だった場合は、1本分のとり皮の量は
50gとすると、20円です。竹串1本2円としても合計22円です。
たれが16円、塩が6円としても、平均で11円です。
概算原価33円で、売価は120円だと原価率27.5%になります。
*1本70円で売る場合は、18cmの竹串でなく、
12cm~13cmの小さい串を使うか、15cmの串を使って、
グラム数を30g~40gに落とした串で売ることになります。
■居酒屋に行けなくても「焼鳥」は食べたいという
需要を強く感じる!
1、焼鳥メニュー製造の3つのパターン
①焼鳥のたれ入り完成品の冷凍パックをレンジアップで出す店
・焼鳥オーダーが少ないが置いておく必要があるお店
・焼く技術がない、焼く設備がないアルバイト中心のお店
(例:カラオケ店、簡易型の居酒屋など)
*全体的にべちゃッとした食感で、たれもすごく既製品ポイ
②串うちした冷凍串を自店で焼いて出すお店
見分け方とすれば、
鶏皮がきれいに打てている、豚バラが1cm厚で肉繊維の方向に
直角であるかどうか関係なく串うちしているなどでわかります。
(*串うちは大変なので「業務用串打機」が開発されています)
*機械打ちの豚バラ串では5mm以下は打てないとのことでしたが、
最近は高性能機も開発されたかもしれません。
手ごろな価格の居酒屋の焼鳥の半数以上は、1箱20~30本入りの
既製品串の商品です。
一番多いのは中国産でした。最近は東南アジア産もあるかと
思います。
佐賀のみつせ鶏などは国産で串商品もありますし、ハサップの認定を
受けたレバー刺し、すなずり刺しもあります。
塩、胡椒、タレを自家製にするだけでも、大きく食味は変わります。
③国産鶏を使用して、串うちも、タレや塩も自店で行う店
こういうこだわりのお店が大きな人気があると思います。
毎日何百本と串うちするのはすごく大変ですが、例えば、6種類を
各50本打つだけで、もう300本になります。
■味わいは「火の種類」で決まる
<焼鳥は、素材の鮮度、串うち、焼き加減、塩加減で美味しさが違う>
そしてもう一つは、
焼く「火の種類」で大きく違います。
●炭火・・・・強い<乾いた火>です
火力の強い炭を使った焼鳥が美味しいと思います。
(*遠赤外線の効果でふっくら焼きあがります)
●ヒゴグリラー(電気グリラー)の火・・・強い<乾いた火>です
炭火と違い、スイッチ一つでON・OFFができます。
三相電源ですので、動力の引込が必要です。
炭と同じく、遠赤外線がある程度出ます。
ふっくら焼けます。
●ガス式焼鳥器・・・・機器代も安く手入れしやすく小型が多い
基本的には、<湿った火>です
*もし美味しくないと感じたら、ガス火の臭いが
焼鳥についています。
*ガラスのドームは割れやすく、ステンのドームの方が
耐久性に優れています。
■焼鳥商品群
1、焼鳥単品 少ない場合は5~6種類、多くて15~20種類
客層により好みがあるので、均等に売れません。
2、焼鳥セット 2本セット(スーパー・弁当店に多い)
5本セット・8本セット・10本セット(業務店)
3、焼鳥オードブル・居酒屋オードブル
焼鳥5本~30本くらいを配置する(各1本~各3本)
4、焼鳥丼 丼ぶりメニュー(ランチ・ディナーとも)
*温玉、とろろ、刻みネギたっぷりなど工夫する。
■今こそ検討して利益部門に育てよう!
単品の少額商品は今後もニーズが高くなってきています。
また、総額表示が当たり前の時代に変わることで、
販売価格の上昇傾向もみられます。
この傾向はますます強まると思っています。
→少し売価が上がっても、商品力でカバーする!という想いが必要です。
唐揚1個250円というのがそうです。
(了)
焼鳥に関するご質問等は下記へ
audrey7.juku@gmail.com オードリー7まで
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします