食べ塾72:令和4年3月の飲食業界状況~私の知っている現状はこうです!
昨日筍を買いました。1本15~18cmのミニミニサイズです。
今朝みそ汁に入れて豆腐と一緒にいただきました。
田舎暮らしで良かったなーと感じた春のほろ苦い味わいでした。
アップした写真を見てびっくり!鹿児島さんだったんですね。
大分県産かと思ってました。
本題に入ります。
多くの飲食店さんが共通して抱えている現状をお知らせします。
■飲食店が抱えている解決課題
1,人材の再確保
コロナ禍の2年間で、PAさんたちの半数の雇用を諦め、社員さんも
解雇や給与カットで離反して絶対数減になっています。
飲食業界で生計を立てていた多くの人が、飲食業界に見切りをつけたので、
これからは人材確保は並大抵ではありません。
●以前の雇用数の70%~80%の人数をMAXに考える
これは売上回復基調がコロナ7波の状況がどう飲食業に影響するか見えないので、以前と同じ人数にすると人件費過多になるからです。
●少ない人数で同じ売上や利益を作り出す仕組みに移行する
一概に変えると言っても、個々のお店で仕組みも良さも違いますので
個別に作り出すしかありません。
ただし、「必ず道はある」と決めて方法を探してほしいのです。
お店のあり方だったり、メニュー構成だったり、客席数と客単価の変更だったりすると思います。
●省力化機器を限界点迄入れる
高級店だからできないというわけではありません。
10年後、20年後に入れるなら、今から導入しても同じです。
導入して人件費が下がった分を、お客様や従業員さんに還元できます。
2,食材の値上がりが凄い
原油高やコロナ禍からの回復による需要の増大、さらに拍車をかけて
ロシアのウクライナ侵略による小麦の高騰・原油の高騰でさらに、
食材の高騰が、4月~7月にかけて押し寄せてくる感じです。
津波に例えると高さ30mもしくは50mかもしれません。
飲食店ベースで考えると、令和4年の春と秋の2回はメニュー価格の変更を余儀なくされる状況かと思っています。
2回で少なくとも、10%程度の値上げは必要と予測しています。
●積極的に値上げに取り組む
消極的になり値上げをがまんで押し切っても、夏以降の何度もの
食材の値上がりで、飲食店商売が成り立たなくなり破壊されます。
そういう意味では、
値上げに対する対応力を経営者が試される局面になってきています。
立ち向かう時は、決心するしかありません。何事もです。
●値上げは「成功させてこそ完了」です
値上げメニューに切り替えたらハイ終わり!ではありません。
切替後3か月経って売上が3%でも伸びたら成功です。
横ばいや下がったら、再チャレンジになります。
値上に失敗して客数が減ってしまうと、6か月間は地道に欠点のところを
修正したメニューに少しづつ置き換えて動くしかありません。
何事もチャレンジして経験を積み、失敗を生かすことで強くなります。
3,消費税・社会保険料・コロナ禍融資金の返済
が大きな負担でのしかかっています
コロナ禍の融資金に関しては、
20年度に1年後から返済で組んだお店は、21年度、22年度の2回ほど
支払いをジャンプさせています。公庫さんの手続きもスムーズです。
しかし、もう23年度からは本格的に自力で返済するしかありません。
消費税も社会保険料も、年商が1億5000万円を超えれば、2年間でどちらも
1000万円を超える金額です。合計2000万円以上です。
流石に差押え権利のある納税義務のある対象項目の2つですが、
ここ2年間は支払い計画の提出を繰り返すだけで済んでいますが、これ以降の景気回付以降は、これも自力で支払うことになります。
●もっと儲かる利益率の高い飲食店にする
これからの飲食店は「利益率を10%引上げる」新たな仕組みを
持たないと商売のおもしろ味がないと思えるのです。
★飲食店が売上と利益を増やす「副業」をする時代
★専門店化してプライスリーダーとなれるようにする
競争をしないで済む、比較されない独自の価格で商売する。
4,売上づくり
2月も3月も第6波を受けており、特に2月はコロナ禍24か月の中でも
最悪の売り上げ状況です。
ここで、課題となるのが売上回復に対するお店の対応です。
果たしてコロナ禍直前のメニュー~コロナ禍渦中のメニューで、
売上回復させる力があるのか?
なのです。
私は、こぞってお客様が行きたくなるためには、
●新たなアフターコロナ対応メニューが必要
新たな幕開けの時は、少なくとも「一新されたメニュー」でお客様を
お迎えすべきとお考えます。
●消費に対して「価値観が問われる時代」なので、
決め手は「商品力の確かさ」だと確信しています
一度オーダーいただいた商品が満足していただけなければ、次は
オーダーしてもらえない、または来店してもらえないので、
売上が下がります。
満足していただければ、次回もオーダーしていただけるし、お客様も
増えることにつながります。
新たなメニュー作りを4月~6月の間に完成させるように頑張りましょう!
5,経営者の経営マインドが限界を迎えています
簡単に言うと、もう6波でこれ以上は、我慢できないから勘弁してくれ
という心境で、日々、売上づくりや大変な資金繰りをされています。
資金も根気も体力も出尽くした環境で経営者の方は、最後の力を振り絞って
がんばっています。
おそらく、今年の前半期で飲食店の一番スケールとボリュームの大きな倒産
が多くなると思います。
そういう局面に多くの飲食店さんがいるのです。
機会を見てお気に入りのお店へお食事に出かけてみてください。
よろしくお願いします。
飲食店はまだまだガンバルちからを有しています。
(了)