食べ塾:セルフサービスのメリットとデメリット&食べ飲み放題の関係を、私なりに現場目線でご説明します!
セルフサービスについて私の知っている知識と考えを説明します。
現状の飲食店でのセルフサービスには、いくつかの形があります。
1、バイキングレストランタイプ
(ビュッフェスタイル)~代表的セルフ業態
メイン料理なしに、肉料理・魚料理・サラダ・パスタ・ドリンク
デザートなどすべての料理とドリンクが食べ飲み放題のお店。
すべての料理とドリンク→セルフサービスでの提供 になります。
(飲食店のメリット)
①オーダー受け&料理提供の人件費がかからない<人件費の節減>
従来の計算で1テーブルに平均5回伺う(ご案内・ファーストサービ
ス・オーダー受け・料理提供・中間バッシングなど)のが、
テーブルの方向を示すだけになり、
テーブルに行くのは、食器の片づけの1回のみに簡略化されることに
より、人件費の削減が行えることになります。
(*例えば5人必要なホールスタッフが、3人~2人になる形です)
②セルフサービス利用ですが、「食べ放題できます!」という魅力の
発信での集客効果が期待できます。
よって、店舗規模に比べて売上高が大きい状態になります。
(飲食店のデメリット)
①お客様にセルフサービスをしていただく交換条件が「好きなだけ
食べて飲んでください」というバイキング方式の提供です。
しかし、オーダー調理でなく、事前の予測調理であるために、
問題点があります。
<鮮度劣化・売れ残り・食べ残しなどの廃棄ロスで原価率を圧迫>
②バイキングタイプのレストランは、総額表示による価格感の変化で
今後閉店する店舗が多くなると予測しています。<価格の割高感>
(例)ランチバイキング 1,480円+税 → 1,628円(税込)
ランチ需要の一般店の価格ボーダーラインは1,500円です。
これを超えると急速にオーダー率が下がります。
(*今後は価格の引き下げと食材費の高騰、人件費の高負担で
バイキング業態は一層危機に立たされると判断しています)
*私は今後は「フードロス発生業態は利益が出ない」時代となると
判断しています。
③格安食材探しの限界がある
破格の食材がいつもあるわけではありません。
店舗数が多ければ多いほど、絶対量の確保が難しくなります。
いわゆるネット上の訳あり品も数多く利用されています。
④競合店との「キャンペーンのメイン食材のバッティング」
「価格の競合」が常に起こり、優位な差別化が難しい
通常優位なブランド店に対して、知名度、価格、食材の調達力が劣る
中小規模店は、調整に多くの労力を使います。
⑤食材原価コントロールが難しく安定しない
食材調達コストの変動、多品目仕入れの煩雑さ、料理の季節変化を
演出するための新食材捜しなどにより、半数以上は仕入れの年間契約
等ができない食材も多いのが現状です。
(お客様のメリット)
①好きな料理とドリンクとデザートなどが食べ放題で利用できます。
<セルフサービスで利用するかわりに定額で食べ放題できる>
(お客様のデメリット)
①「食べ放題で定額制」という仕組みの中で、お店側としては、
お客様に喜んでいただける食材で、なおかつ店にとって利益が
出やすい食材として、料理、一品、デザート、サラダ、ドリンクを
調達することになります。
<一般飲食店に比べて比較的国産品よりも海外産品が多い>
●質の悪いお店の一例
ドリンクの濃度が薄くて水っぽい
料理が美味しくない(アルバイト単独調理)
国産でなく半額以下の中国産や海外産の食材を多用している
腐った料理、傷んだ料理の管理ができていない
アルバイトスタッフ(高校生など)が多く接客態度に不満
等があります。
②飲み放題をつけると割高になる
ソフトドリンクも別料金というお店と、ソフトドリンクは通常は
利用料金に込みというお店があります。
アルコールの飲み放題をつけると、別途に1500円~2000円かかり、
おてがる感は減衰します。
最近は、ハンドルキーパーやアルコール飲み放題をしない方、
ソフトドリンク飲み放題の方たちと、アルコール飲み放題の方の
1組内での混合利用も可能になったお店も増えてきました。
(*不正利用が皆無ではなく、悪用する一部のお客もいます)
(解決方法)→利用客単価を200円上げると客質がアップして
そういうお客様は来なくなくなります。
③ファミリーなどの一般客5人以上の多人数で利用すると、
結構、高額料金の支払いになる場合がある
会合での利用ならまだしも、1名で全員の支払いをするとなると
美味しさの満足感よりも、金額のインパクトの方が大きいお店が
増えている気がします。
”アンケートでは”
思ったより高いと思う度合いが高いほど、次回の来店までの
期間が長い傾向にあります。
*これからは、少し価格を下げた仕組みに変えて、
リピートサイクルを高める方法の方が売上づくりがしやすい
ことにつながると予測しています。
2、メイン料理をオーダーすると、サラダなどの
サイドメニューが食べ放題のセルフサービス
のタイプ
メイン料理がステーキやハンバーグでオーダー方式で、
スープ・サラダ・一品料理・デザートなどがセルフ方式での食べ放題
になります。
メイン料理の食材原価に、食べ放題料理の平均原価を加えた食材原価率で、
料理原価の個別の管理をします。
(飲食店のメリット)
①メイン料理で自店の料理の良さとオリジナリティーを発揮できる
ステーキの品質、ハンバーグの品質や種類を作り出しやすい
②食べ放題部分が限られた範囲なので、バイキング業態よりは
負担も少なく、原価率管理がしやすい
高原価の食材でないものが多いため
③ドリンクは別料金を設定できる
平均2.5杯×45円=112.5円 というあたりの原価ですので、
税込380円以上を頂ければ通常は十分かと思います。
④1テーブルに2回分程度の省略がセルフなので行えます
サイドメニューやドリンクの提供は、お客様が自ら行っていただけます。
(飲食店のデメリット)
①食材の鮮度維持、廃棄食材の低減が難しい
スタッフの人数が限られており、なおかつ管理能力のあるスタッフは
ごく少数の為、腐ったものや傷んだものの選別判断がされにくく、
鮮度管理や衛生管理の抜け落ちが出やすいのが現状です。
管理不十分になったり、予測ミスによる仕込み過ぎなどからの
廃棄ロスが発生します。
②フードバー・サラダバーに蓋をすると見にくくなり見た目が良くなく
蓋をしなければ、衛生的に不潔に見えることになります
実際蓋がなければ、歩くたび、エアコンが作動するたびに、
店内の空気は攪拌されていますので、不衛生的になりやすくなります。
3、ドリンクバーのみセルフサービスのタイプ
ひとつのサービス部門的な設定です。
350円で「ドリンクバーご利用できます」などのお店です。
(チェックポイント)
●グラス(又はプラのカップ)の大きさ
●ジュース類の濃度
●コーヒーの美味しさ(粉末・液体でもA/B/Cランクあり)
●アイテム数 (アイテム数が多いほど品質が劣る傾向あり)
セルフサービスそのものは、
時代の要請も踏まえてより多く増えてきて、引き換えに、
利用料金を抑える役目を果たすことにつながり、
いろいろなお店がセルフを組み込むことになると予測しています
<お客様自らが従業員役を果たすことで他のメリットを付与してもらう>
●その分料金が安くなる
●他の料理(又はドリンク)が無料や割引で提供される
●大きなポイントが付与される
等ありますね。
(了)
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