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食べ塾:売上目標は、達成見込額×105%にするとやる気が出て達成できます!

  人生において目標って本来は、他人の為でも、会社の為でもなく、
自分の為にあります。

自分の人生の為、自分の仕事の為、自分の想いを相手に伝えるため
目標の設定は大切と思います。

そして、
期限や区切りのついた時に振り返ってみて、達成と未達成が決まる
と思います。仕事評価では達成率を出すことも非常に大切です。

一生を通じての目標を持った方は、
人生の中ほどまでは「未達成状態」ということもありますが、
自分で自分の目標を捨てないで生きていることが大切と思います。
やり遂げるために継続することこそ「宝」なのです。
(*その時点での未達成は決して「失敗」ではありません)

想いを持続させて、
いつかは実現させるぞ!という意思があればよいのです。

■飲食店経営者の方の多くの目標とは?

◎「儲ける」
 赤字の店を黒字にする、お金の残らない経営をお金が残るようにする
 何よりも飲食店は、「儲けてなんぼ」の金銭的に幸福になるための
 目標設定が必要です。

◎「売上高を増やす」
 店舗を増やす、店舗の売上を50%アップ、100%アップさせる。
 異業種の新規事業を実行する。

◎「利益を増やす」

 給与のアップ・定期昇給・賞与の支給・労働環境改善・週休完全2日制
 長期休暇制度・8時間労働の実施など。

   そしてこれからは、
   ●意見採用の平等性(社員・パート・アルバイト・ヘルプ)
   ●同一労働同一賃金の導入(社員時給換算とパート時給の格差是正)
   ●男女の性別格差評価の是正(労働時間は女性は最大10時間以内)
    なども必要かと思います。

◎経営者自身の人生の目標
 年商を「○○千万円」にするとか、チェーン店を○店舗持つとか、
 自宅を持つ、高級車に乗る、お金を貯める、60歳で引退する
 など何でも希望があると思います。


目標を持つことで、自分が強くなり、
未来へ向けて
チカラ強く前進できます!


■「儲けるための目標」を細分化しました

1<飲食店経費ナンバーワンコスト>
  「フードコスト比率(食材費比率)」を下げる

       一番注意してほしいことは、
  「食材の品質を落とす」ことではありません。これは禁じ手です!
  (*固定客の信頼を失い、離反客を作ってしまうことになります)

●メイン食材の品質を変えずに、分量を10%減らす
●使用する器を別のものに変える、少し小さい器に変える、形を変える
盛付けを変える工夫をして少なく見えないようにする
●器の中に別の器を入れて二重に食器を重ねる 

●仕入れ先を2~3社以上取引して、メインとサブで仕入価格の
 相見積もりをとる
●同一商品は、一番安い仕入れ先から購入する(発注が細かくなる)
着払い商品、鮮度の短い商品の仕入比率を落とす
等の対策があります。 



2<飲食店コストナンバーツーコスト>
  「人件費比率(レイバーコスト比率)」を下げる

   ここでも一番注意してほしいことは、
  「従業員の絶対数を減らす」ことではありません。
   料理提供力やホールサービス力が低下して満足度が下がります。

①適正社員数より、多くの従業員雇用・シフト組みをしていませんか?
 

 ローカルの飲食店でも、月商150万円に1名の社員雇用ができる
のが赤字にならない一つのスケールです。
(*他には200万円・250万円/社員1名 雇用説もあり)

   ◎月商100万円~200万円(経営者1名と固定給パート)
   ◎ 〃250万円~350万円( 〃 と社員1名・パート)
   ◎ 〃450万円~550万円( 〃 と社員2名・パート)

多くの小規模飲食店がこの基準よりも多くの人を抱える傾向があります。

   *社員・契約社員・嘱託社員・固定給常勤パート・常勤パート
    非常勤パート(平日限定・週末限定)・常勤アルバイト
    非常勤アルバイト 
の方々の組み合わせが飲食店の「総戦力」です
   

②きめ細かいシフト管理をする
 1時間単位の勤務シフト組み→30分単位に変える→15分単位に変える
 ことにより、
 「経費の節減と効果的な人件費投資」になります。

*1時間単位のシフトの場合は、繰り上げで1時間早く上がると
 すごく損したことになります。
 また、1時間残業すると、遅くまで働かされるということになります。

 勤怠管理システムを導入して、15分刻みの勤務シフトを組み、
 ほぼ全時間で賃金に反映させるのが「令和流」と思います。


③店内作業の単純化・シンプル化
  
人件費の過多なお店の試算表や決算書を見ると、人件費が35%とかに
なっており、調理作業や接客作業のほとんどが「人力」に依存した
昭和型の飲食の仕組みのままになっている例があります。
*人間の集中力は2時間以内が限度とされ、それ以上は効率が落ちます。

◎調理作業の単純化・シンプル化を行う為に「メニューを選別する」
 「省力化機器の導入」を行う

   ・「ひと手間」で出せる料理を多くする。
   ・「ふた手間以上」かかる料理は、価格を高くする、平日限定にする
   ・メニュー数を少なくする~フライヤーの能力に合わせた揚げ物数
   ・調理機器の導入~スチームコンベクションなど
   ・バキュームシーラー(真空パック機)と急速冷凍庫の導入

◎ホール作業の単純化・シンプル化を行う
   ・わかり易いメニュー全体構成と個々のメニューの説明文
   ・店舗規模、売上規模に必要な最低限のメニュー数に圧縮
    (*多ければ多いほど新人の習熟に時間がかかります)
   ・オーダーエントリーシステム
   ・セルフレジシステム


3<家賃と並ぶ水光費>
 何といっても、半分は電気代、次にガス代、
 水道代の順で貴重なお金がかかります!

古い10年以上経過した冷蔵庫・冷凍庫・エアコン類
 古い機器の消費電力と最近の機器の消費電力の差は、

 電気の使用量が10年前と今では、30%台、20%台になっています。
 
 買い替えてもいいし、リース扱いで設置してもいいと思います。
リースで設置した場合は、電気代が下がる金額の差額で、リース代金が
ほぼ払える状況になります。

LED照明の導入では、5年間で償却されMすので、6年目からは
実質のダウンになります。器具費用を別扱いにすれば、
照明用の電気代は激減できます。

ラーメン店はスープを焚く、麺を茹でるので、ガス代が月商の
 12%~15%かかる仕組みを見直す必要があります


 でもこれも、スープの種類を醤油や味噌に変えると豚骨スープのように
 12時間~24時間炊く必要はなく、別の美味しさを表現できます。

流水解凍は水道代を引上げます
 
冷凍品の「流水解凍」のやり方もそろそろコストのかからない新たな方法
 に置き換わっても良いかと思います。

 焼き肉店などは「急速解凍庫」なども設置してドリップの出ない解凍を
 行っています。


4<知り合いの顔をたてる無駄経費>
 飲食店の「義理立ておつきあい経費」は見直そう!

営業年数の長いお店ほど「保険料」の無駄が多い
 ある会社では70万円/月会ったものを50%の35万円/月迄削減でき
 ました。

何でもかんでも「リース」にしてしまうのはやめましょう!
 
厨房機器も、空調機器も、ユニフォームも、卓上機器類も、ホールの
 省人化機器もリースで揃えると大変です。
 銀行金利よりも数倍高いリース金利と知っておきましょう。

   実務的には、
少々売上高が良くても、
   ○銀行返済額が多い
   ○リースの月額金額が多い
   ○家賃が月商の10%超える
が多いお店では黒字店は1店舗もありません



■「売上を増やす戦略」の具体策!

将来にわたって売上を上げるための根本的なところは、

①同業態の新店舗を複数店舗出店する(同一規模・同一業態)

 5年先、10年先に向かって今の自分の持つ飲食業態の消費者ニーズと
 お店としてのあり方がどう変わるか?という考察が必要です。
 新規出店を行ったときから「店舗の劣化は始まる」わけですから、

 同業態でロングランで黒字を維持するためには、「魅力の持続」を
 念頭に置いた対策が常に必要です。

 新規出店して、少なくとも2年~3年は投資額の回収に時間がかかり、
 資金の蓄積はそのあとになります。

 同業態の出店はリスクも低く、店舗に必要なスタッフの育成も既存店で
 行えますから、ハードルは低いのですが、
 飲食業界内の潮目が変われば、全店まるごとジリ貧になる可能性を
 含んでいます。


②新業態を出店する(客層が違うとリスクが重ならない安心感がある)

 ◎1期だけフランチャイズに加盟する~ノウハウとれば後は不要!
  
安直である分だけ資金も倍近くかかりますが、計画的に安全に出店
  できます。
  内装費も指定業者の指定見積、厨房機器も85%~100%掛け率
  での購入になります。
  ほかに設計料、本部費や取引き保証料などの金銭がかかります。

  脱退後に営業する場合は「全く同じ業態」は契約違反になり相当な
  金銭を裁判後に払うことになります。

 
 ◎自社(自店)で出店する
  
 これが一番納得ゆく方法と思いますし、FCチェーン加盟よりも
  50%~60%の初期投資額で済みます。
  但し、新業態開発を成功させるためには、

  事業計画、初期投資額の経費バランス、食材ノウハウ、調理ノウハウ
  飲食業態ごとの独特のコツ、メニュー作り、人材教育、採算のとり方、
  適正経費の立て方などの細かい知識と判断が必要です。

 

   過去30年間で、本業で成功された飲食企業が、新たな活路を求めて
  新業態開発をされた半分 は不採算店で閉店しています。

  飲食店経営者でも、「飲食業態が違えば素人」と思ってください。
  半分はわかっていても、あとの半分の違いは自覚されていません。


③1店舗(個店)の売上を50%~100%引き上げる
  実際に同じ店舗で、料理を変更して、メニューイメージを大きく変えた
  場合で、既存実績の20%アップができればよいくらいと思います。

  実際に50%~100%を同じ店舗位置で実現できた経験があります
  が、以下のような条件が必要でした。

 ●店舗を30%広くした、合わせて新たに駐車場も確保した

 ●同じ飲食業態ですが、「中級店」を「中高級店」にリニューアルした
  
皆さんご存じのQSCすべてをハイレベルに引上げると「平均客単価」
  が50%ほど増え、客数も倍増した例があります。
  (*料理も価格も、接遇も店舗内装も引き上げました)

 ●1年~3年間社員教育を特に重点教育して、レベルアップを行い
  周辺のお店より「良い評価」を頂けるようになった

 ●肉料理系の単一業態のハンバーグやとんかつの専門店に変更して
  客単価1000円以上、客席回転率アップを行った


以上のようなことを参考に
自分の人生の為に自分が納得できる形で
真摯に飲食の業務に取り組まれることを願っております。

(了)





   



飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします