食べ塾45:必殺の値上げ方法を詳しく紹介!メニューごとに4つの方法を使って値上げ価格を成功させよう!
近頃の経済状況、コロナの状況、消費者心理、来年の景気動向を
考えてみると、飲食店は少なくとも10%~20%の値上げを実行
しないと、事業を継続する利益が取れないと判断しています。
●勇気を出して値上げを決心をする
まず決心ありきです。
経営者の方がよく言われるのが、
「もっと早めに値上げの決心をして実行していたら良かった」という
言葉です。
過去に何度も複数の人から聞きました。
●失敗しない値上げの方法を選ぶ
これは、「自店の客層のお客様心理」を知っているかどうか?
に関わることです。
お店の経営者の考えによる選択よりも、
お客様が一番抵抗がない方法を選ぶことが値上げの成功につながります。
●4つの解決手段から多くのメニューに適用する方法を
ひとつ選ぶ
ご紹介する4つの方法の中から、基本の考え方をひとつ選んで、
全体のメニューをどう変えるか検討してメニューと売価を資料化します。
●基本の解決方法が合わないメニューが出てきます
その時は他の3つからメニューごとに最適な解決方法を
選ぶようにします
そして
基本のメニュー価格設定では、どうしても不都合な売価が出てきて、
メニューと売価がしっくりゆかないメニューについては、
個別のメニューごとに他の3つの方法から最適な解決手段を選んで
利用すると良いと思います。
■第一の方法:
食材が上がった分だけ同じ原価率計算で
出した売価に値上げする
これは一見強気なメニューの売価変更に受け取られると思いますが、
本当は「一番正直な隠しやアレンジのないストレート」な方法です。
しかし、
価格アップがしやすい条件があります。
①オリジナルメニュー
近隣の競合店にないオリジナルメニューで価格の比較ができない時
②付加価値が高いメニュー
下処理などに人手と時間がかかり、希少価値など付加価値が高いメニュー
③希少部位を使ったメニュー
生産量が少なく価格に関係なくその商品のファンがいる時
④専門店営業で常連客比率が80%を超えるお店の場合
店主や責任者と大半のお客様が人間関係が安定しているお店。
無難なのは12%アップ以内という感じでしょうか?
数字を安く見せる売価のつくり方も学んでみましょう。
お客様から仕方がないな、と思っていただける乗り切り方です。
■第2の方法:
メニュー食材の種類を減らす、分量を減らして
同じ原価率にする「ステルス値上げ」をする
商品売価が500円未満、1000円未満の商品に多い対策方法であり、
価格のアップを敬遠しやすい若者やランチ常連客の多いお店に
お勧めの方法です。
ステルス戦闘機はレーダーに発見されない素材を使っており、
それを例えて「隠れ値上げ」のポテトチップスなど
→1袋の中の分量減らして同じ価格で売る(実質値上げ)
を言います。
ここでは、弁当で例えると、メインのおかずとご飯の量は現状維持ですが、
付け合わせの副菜の種類を1品減らしたり、副菜の種類は変えなくても
原価の安いものに置き変えて、
商品全体の食材原価率を「値上がり分と同額だけ引き下げる」方法です。
この方法は、商品ごとの食材原価計算を事前にしておくと
どう変えればよいかがすぐに見えてきます。
ステルス値上げの注意点と方法は、
①メインはできるだけ現状維持か許容限度内の減量にする
例えば、120gのとんかつ定食があれば、最高20g減らして
100gにはできますが、90g、80gと下げると、
オーダーの離反客が出てくることになります。
②副菜は種類を1品減らす
食材原価が10円減らすことができれば、原価率35%の時に、
10円÷35%=28.6円の売価引き下げ効果が出ます。(≒30円)
③副菜は分量を減らす
同じく食材原価を10円減らすことができれば、売価のアップを
≒30円分圧縮できる計算になります。
④同じ食器に盛らずに違う食器に違う盛り付けをする
お客様は食べるプロであり、料理を作るプロではありません。
食器と盛り付けが変われば、また違った視点で料理を見てくれます。
■第3の方法:
原価の引き下げと売価の引き上げのMIXで
値上げ感を緩和する
一見手の込んだ面倒くさいような方法ですが、この方法が一番
お店もお客様から見ても、リスキーに感じない方法と思います。
メニュー変更までに時間をたっぷりとって検討することが、
値上げの成功につながります。
手順
①使用食材の納品価格見積りを集める
②メニューの商品別に詳細な原価率計算表を作成する
③商品ごとに省く食材を決める
④原価率の仮計算をする
⑤仮の盛り付けをして「売価と現品」にそん色ないか確認する
⑥確認したら、実行プランに確定する
ご提案
メインのメニュー価格変更をこの第3の方法で行い、
小幅な値上げになるように調整したうえで、
同時に食材原価の圧縮も行う方法をメインにします
あと
特殊なメニューについては第一の方法を取ります
ランチなど価格に敏感な客層が多いお店は、第2の方法や第4の方法を
メニューに合わせてチョイスすると、
メニューコンサルのプロ顔負けのメニュー変更ができます。
■第4の方法:
値上がりした食材で売価を作ると、
自店で売れる限界を超える場合は、
メインの食材と価格をワンランク下に設定
するとうまくゆく場合があります
・銘柄豚のとんかつを白豚に変える
・国産牛バラを輸入牛に変える
・銘柄鶏のモモを国産鶏に変える
・牛の部位を豚の部位に変える
・豚のとんかつを鶏のチキンカツに変える
いろいろな方法があります。
食材をワンランク下に設定した時の売れるコツ
①人気のデミソースは、変えずに一層美味しく仕上げる
肉の原価よりソースの原価の方が安いときは、ソースの美味しさを
同じか引き上げると、ある程度カバーできます。
②安い素材に変ればポーションを少し大きくする
とんかつが120gなら、切り替えてチキンカツ150g~200g
に変えてみる。
(*同じg数だと、食材が変わると大きく見劣りします)
③皿提供を鉄板提供にアップさせる
提供サービスをグレードアップさせることで、満足度の低下を
半減以下にできます。
来る令和4年4月1日に向かって
メニュー変更と値上げをご検討ください!
ミッションの成功を心から願っています!
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします