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#9 『中島ハルコの恋愛相談室』

物事をはっきり宣言する、サバサバした女性はお好きですか?
優柔不断でとろい私からすると、決断力・判断力に優れた女性は尊敬しますし、上司といったお姉さん的立ち位置にいたら、きっと心強いんだろうなと思います。

ということで今日は、忖度なく、言いたいことはズバズバ言う、ちょっとケチで図々しい女社長、「中島ハルコ」というキャラクターが恋に悩める者たちへ、痛快なアドバイスを繰り広げる物語、林真理子作『中島ハルコの恋愛相談室』をご紹介します!

物語は、フードライターとして働く「菊池いづみ」が取材先のパリで「中島ハルコ」という女社長と出会うところから始まります。
いづみ含め、不倫や学歴、仕事を辞めた夫との生活…、恋や夫婦生活に関する悩みを抱いた者たちが中島ハルコに相談しては一刀両断されていきます。
ちなみに、ハルコ自身もバツ2の過去を持ち、自身も不倫している(はずだったような…)弱みがあったりする。
言いたいことははっきり言うんだけど、ハルコさんも完璧な人間じゃなくて、それなりに苦労したところもあるし、いい加減なところもあって人間味あるところが人気なのかもしれません。

個人的に響いたのは、仕事に対してうだつの上がらないいづみが結婚しようかと迷う話があるのですが、そのときのハルコさんの意見です。

「…これから半年、仕事を一心不乱にやるのよ。今までやらなかったことをやる。出来ないと思っていたことをやる。そしてね、仕事に夢中になる。そうすればきっと男は現れるわよ」

p.57

仕事から逃げるために結婚を考えていることに対し、ハルコさんは「中途半端」だと明言します。
そして、中途半場な女に男は寄ってこないと。

人間は弱い生き物だから、うまくいかないことに対して逃げたくなるときはあるし、別のことで寂しさや虚しさを埋めようとしたりする。
結婚適齢期を迎えた女性なら、なおさら仕事でうまくいかないときに逃げのつもりがなくても逃げのように結婚を考えちゃうことがあると思うんですよね。
ただ、そいういった妥協の気持ちで結婚しようとすると自分も幸せにならないし、本当にいい人とは巡り合えないのかも、と思いました。
確かに、後ろ向きの気持ちで結婚を考えている人に対して、魅力感じないですもんね。
幸せになりたいと考えるなら、前向きな活力に満ちた状態で結婚はしたいものです。
だから、ハルコさんは仕事を頑張って、生き生きした状態でいい人と出会いなさいとアドバイスしたのだと解釈しました。
皆さんはどう考えますか??

ちなみに同作は2021年にドラマ化もしています。
中島ハルコ役を大地真央さん、菊池いづみ役を松本まりかさんが演じていて、お二人とも美しくておもしろいです。

余談になりますが、私の知人に中島ハルコ的なキャラのおば様がいます。
それはそれははっきりした性格で、自分の思ったことはストレートに伝えます。(かわしきれない特大ブーメランもやってきます)
後悔のない人生なんだろうな、と思いますが、穏やかには生きてなさそうです。
リアル中島ハルコは強靭な精神力がなければ付き合っていけないと思うと、1番強いキャラは菊池いづみさんになるかも。

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