彩雲を見た日
仕事帰りに空を見上げると、変わった空だった。黒い雲の後ろが虹色に輝いていたのだ。ぼんやり眺めながら歩いていると、散歩中のおじいさんも同じ場所をぼんやり眺めていた。なんかいいなと思い、珍しく空の写真を撮った。
わたしは、人生で【後悔】というものを基本してこなかった。失敗してちょっと反省することはあっても、『やらなきゃよかった』と思う事はなく、自分自身に降りかかることは、どんな苦痛なことも大抵のことは良い経験だったと思えた。ただひとつを除いて。
それは、身近な人が居なくなってしまった後だ。
『もっと会えばよかった』
『なんであの時声をかけなかったのだろう』
『あの時もっとできることがあったんじゃないか』
と、【後悔】の気持ちが消える事はない。時々思い出しては涙が溢れてくる。そんな時はだいたい疲れている時だし、結局は自分勝手だ。
わたしは、自分が死ぬことに対して、小さい頃から怖いと思ったことがない。死にたい訳でもない。むしろ生きたいが、いつかは死ぬしなとどこかで思っている。
ただ、誰かがいなくなるかもしれないという事は、小さな頃から怖くて仕方がない。優しいのでは無い。ただただ怖いのだ。
中学生くらいの頃、母の癌が見つかり夜中に偶然それを聞いてしまった時には、誰にも言わずにひたすら神様にお願いをした。信仰心なんて皆無なのに、この時だけは自分はどうなっても良いから、母を助けて欲しいと毎晩のように祈っていた。ちなみに母は今も元気に生きている。
わたしの大切な人たちには、どうかわたしより長生きして欲しい。そして、会える時には会っておかなければいけない。日々の忙しさに、こんな当たり前のことをすぐ忘れてしまうことを反省する。
そして、彩雲を見て、天国を連想しこの文章を書いたわたしは、けっこうロマンチストなのかもしれない(照)
たまにはこんな風に、恥ずかしげもなく色々なことを考えて文章にしてみるのも良いなと思う。noteは自由だ。