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「病棟」の6類型(一般病棟・地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟・療養病棟・緩和ケア病棟・結核病棟)

written by 病院建築note(医療機器出身のゼネコン社員)

病院は 病床<病棟<病院から構成されます。
前回は病院の種類について書きました。

今回は病棟の種類について書こうと思います。

■病棟の種類


1病床は原則60床以下で構成されます。

①一般病棟②療養病棟③地域包括ケア病棟④回復期リハビリテーション病棟⑤緩和ケア病棟➅結核病棟の6つに分かれます。1病棟当たり原則として60床以下が標準です。

別の記事にする「病床」は医療法によって①精神病床 ②感染症病床 ③結核病床 ④療養病床 ⑤一般病床に分かれています。ここがすごくややこしいです。

病床は医療法によって名称が決まっていますが、病棟については入院基本料の名称で呼ばれているようです。

それぞれの入院基本料金には患者1人あたりの医師や看護師の数、保有設備などの基準が設定されています。どの基準を満たすかによって、請求できる入院基本料金が変わってきます。

①一般病棟

「(急性期)一般病棟入院基本料」を算定する病棟。(988点~1,650点/日)

よく耳にする「急性期病棟」とは一般病棟をメインにする病院を指します。消化器外科、整形外科、内科など複数の診療科の患者がいます。急性期や回復期、慢性期など様々な患者が入院しています。

上記とは別に入院期間に応じて、4日以内の期間 450円、15日以上30日以内の期間 192点が加点される仕組みです。

つまり早期の退院を実現した方が収益は高くなる構造になっています。これは一般病棟入院基本料だけではなく、ほかの入院基本料にも当てはまります。
※今回は詳細を割愛します。

②地域包括ケア病棟

厚生労働省HP


「地域包括ケア入院料」を算定する病棟。(2,060~2,809点/日)

一般病棟での治療が終了したものの、退院後の生活に不安がある患者、または在宅や介護施設での療養中に症状が悪化して治療を受けた患者様が対象になります。

自宅や介護施設に帰って療養生活をおくるため患者毎に組まれたプログラムをもとにリハビリを実施します。

最長60日間と入院日数に上限があるものの、治療後すぐに退院するよりも安心して過ごせます。退院後に関わる訪問看護師やケアマネジャーとも連携が必要です。(だから包括ケアという)

近年では介護者の休息をはかる「レスパイト入院」も増加しているようです。

③回復期リハビリテーション病棟

「回復期リハビリテーション入院料」が算定される病棟。(1,678~2,129点/日)

地域包括ケア病棟との違いは①対象となる疾病があること②疾病毎に入院日数の上限が定められていることです。たとえば重症脳血管障害180日、脊椎の神経損傷は60日が上限です。

また地域包括ケア病棟では、主に患者様の在宅復帰に向けたリハビリと介護サービスの提案など生活全般におけるサポートをおこなう一方、回復期リハビリテーション病棟ではリハビリが主なサポート内容になっています。

上記②地域包括ケア病棟③回復期リハビリテーション病棟は「回復期」と呼ばれ、手術後に一般病棟に入院した患者様の受け皿になります。

④療養病棟 

「療養病棟入院基本料」を算定する病棟。(751~1,758点/日)

「慢性期」とも言われるため、この病棟を保有している病院を「慢性期病院」と言われています。

療養病棟届出医療機関においては、入院患者の心身の状態を医療区分内容1~37の状態観察とADL(active daily living)評価区分によって医療区分1、2、3を算定し医療請求することが定められています。

要介護の方や胃瘻を造設している患者も多くいます。

⑤緩和ケア病棟

「緩和ケア病棟入院料」を算定する病棟。(3,298~5,107点/日)

通称ホスピスとも呼ばれます。たとえば末期がんなどで積極的な治療を終了、もしくは一時停止している方が対象になります。身体的・精神的な苦痛に対して、入院での緩和ケアをおこないます。

➅結核病棟

「結核病棟入院基本料」を算定する病棟(806~1,654点/日)
医療や生活水準の向上により結核患者数は減少してきましたが、今でも全国で1日に約50人の新しい患者が発生しています。

■まとめ

医師や看護師の配置人数や、設備によって入院基本料金が変わってくるため、同じ目的の病床は病棟単位で一括りにしっかり管理されていることが分かりました。

病棟として入院基本料の基準をクリアすることで、より高い診療報酬を請求することができます。

今回は病棟について書きましたが、病院のホームページをみても病棟の通称は統一されていないので理解するのがとても大変です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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hospital architecture note
mail:07jp1080@gmail.com
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